第5話 兎狩り
ふんっ
ほっ
はっ
角兎が突進してきたのを横に避け、そのまま剣を振り下ろす。
ドンッ
グシャ
サァー
死んだら消えていくとはいえ、中々グロくなってしまうんだな。そういえば設定をリアルにしていたな。俺は割とこういうグロいのは平気だからそのままでいいか。
ー因みに苦手な人のために、血などをポリゴンなどに見えるようにして血の描写を避ける設定もある。同様にこのゲームには痛覚設定もあり俊氣はMaxの設定になっている。
んーっと、どうしようか?
おっあそこに結構いっぱい居るな!
さぁーてどんどん狩るぞ!
かなり数が多い。
なるべく気づかれないようにして数を減らしたいな。息をとめて後ろから音を立てないように近づく。
よしっ。今だ!
後ろから首めがけて剣を振り下ろす。
グシャ
ふう。なんとか他の兎に気づかれずに倒せた。よし、もう少し減らすぞ!
まず一匹…次に二匹目よしっ。
ふう。十匹倒せたぞ。これで十一匹目ーー
パキッ
なっ!枝!しまった。
「ピィピィ!」
「「「「「!ピィピィ!!!」」」」」
クソっ!見つかった。何匹いるんだ?
1、2、3.....7、 7匹か。ふう。やるぞ!
兎が一斉に跳びかかってきた。剣の腹で角を弾きながら兎の突進をかわす。そして兎の一匹目掛けて剣を突き出す。剣先は兎を貫き血を撒き散らす。
まず一匹。というかこの剣でも刺さるんだな。
次に下から跳び上がってきた兎をバックステップで避けて剣を振り下ろす。そのまま隣の兎をめがけて剣を斬り上げる。
2匹。残り4匹か。
っ!4匹同時に4方向から突進してきたぞ!
ふぅー。集中だ!突進してくる軌道を見極めろ!
まるでスローモーションのように前から真っ直ぐ突進してくるのが見える。左右からも頭を目掛けて跳び上がっている。
頭を下げ突進をかわし、そのまま倒れ込むようにして身を低くする。そして一気に脚に力を入れて地面を蹴る。そのまま剣を構え”一閃“
斬れずとも力で剣を振り抜く。そしてくるりと後ろを向き空中の兎を斬る。
「「「「ピギャ!」」」」
ブシャ
バタバタッ
はぁはぁ。ふう...。なんとかなったか。疲れたー。
なるほど。おそらくここの敵は街のすぐ側の敵よりも強く群れているからあまり人がいないのか。
ピロン
『レベルが1上がった』
『レベルが1上がった』
『レベルが1上がった』
『剣術のスキルレベルが1上がった』
『スキル【見切り】を手に入れた』
『スキル【集中】を手に入れた』
『スキル【不意打ち】を手に入れた』
『角兎の肉×15を手に入れた』
『角兎の角×3を手に入れた』
よし。レベルが3つも上がっている。それにスキルも手に入れた。ノーダメージでここまで戦えたし、もしかしてかなり順調なんじゃないか?
でもそう言えばあまりスキルを意識して使ってなかったな。って言っても”速度上昇“くらいだが...。
ドンッドンッ
!?なんだ!地鳴り?
っな!なんだアレは!?兎なのか?で、デカい。2メートル、いや3メートルくらいないか?あれ。そうだ!
「か、鑑定!」
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名前:なし
Lv.25
種族:ジャイアントラビット
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ジャイアントラビット?そのままだな。それにしてもレベル25って...俺今レベル4だよな。21も差があるんだが...。いやあいつを倒す!格上が相手だ。全力でぶつかる!
「そうだ。『速度上昇』『集中』!」
「ギャー!」
「ふぅ。おまえ兎のくせして全然可愛くないな!絶対に倒す!いくぞ!」
敵目掛けて全力で走る。
残り5メートル、4メートル....1メートル。今だっ。
剣を振り上げ全力で跳び上がる。そして敵目掛けて思いっきり剣を振り下ろした。
キンッ
!な!硬い。確かに硬そうなゴワゴワな毛だが剣を弾くなんて...。
兎が跳び上がった。まさか跳び蹴りでもする気か?
横に跳んで避ける。
ドンッ
ドカッ
くぅー。なんて威力だ地面がヒビ割れている。あんなのくらったらひとたまりもないぞ。
ふっほっはっ
なんとか根性で避ける。避けてから何度も斬りつけるがやはりほとんど傷つかない。
そうなると狙うは柔らかい部分、つまり目か口の中だ。それならあいつをできるだけ引きつける必要がある。できるだけ近づいて刺す。
「こい!」
敵が真っ直ぐ突進してきた。まだだ。まだ大丈夫。もう少し.............よしっ今だ!
横に避け突進してくる敵の目に目掛けて剣を突き出す。
「うぉー!」
グサッ
「ギャー!!グギャ!グォー!」
っち暴れ回ってる。仕留めきれなかったのか...。いや目に剣を刺したんだ。それもかなり深く刺さっている。あと少しのはず。絶対に倒す。
あの剣は今刺さっている。だからこの初心者の剣と初心者の棒しかない。だがこれで倒しきる。
ふう。もう速度上昇のスキルがきれている。もう一度かける。
『速度上昇』
「グォー!」
暴れ回っていた敵がこちらを見て唸り声をあげている。
っ!きた!
敵が全力で真っ直ぐ俺目掛けて突進してきた。大丈夫だ...もう一度さっきの通りにする。
..........今っ!な!横!
全力でこちらに向かって来ていたが突然横に移動した。そしてグルグルと俺の周りを回り始めた。
くっ!いつ来る?どのタイミングだ!敵をよくみろ!必ず来る直前に分かるはずだ。
来るか?いや、もう少しーーー来た!今だ!
「ギャー!」
「はぁー!」
グサッ
「グ!ギャアー!」
まだ足りないのか。クソーこれでもくらっとけぇー
「あぁー!」
目に刺さった剣の尻を棒で思い切り叩く。
グザーグチュ!
「ギョーギャーッギャ!」
ドンッ
叫び声をあげながら巨体が地面に倒れた。
ふう。
「よっしゃー!!!勝った!勝ったぞー!」
ピロン
『レベルが1上がった』
『レベルが1上がった』
『レベルが1上がった』
『レベルが1上がった』
『レベルが1上がった』
『レベルが1上がった』
『剣術のスキルレベルが1上がった』
『剣術のスキルレベルが1上がった』
『棒術のスキルレベルが1上がった』
『速度上昇のスキルレベルが1上がった』
『称号 《ジャイアントキラー》を獲得した』
『称号 《ラビットキラー》を獲得した』
『ジャイアントラビットの肉×20を手に入れた』
『ジャイアントラビットの歯×8を手に入れた』
『ジャイアントラビットの魔石×1を手に入れた』
おお〜結構いいな!
かなり疲れたからそろそろ街に戻るか。
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ふう。やっと戻ってこれた。そうだあの串焼き屋に肉を持っていくか。
・
・
・
おっやってるな
「こんにちは。」
「ん?おお!あんたか!どうだ狩れたか?」
「ああ勿論だ!はい。」
「おお!こんなにも!これなら大体1500Gでどうだ?あとすまないが角は使わないから買い取れないんだが。場所によっちゃ結構高く買い取ってくれるところもあるみたいだぞ。」
「そうか。あ!あとこれ買い取れないか?」
「なっ!こっれはジャイアントラビットじゃねぇか?あんた倒したのか?すげえな。初心者は大体あいつを怖がってあまり奥まで行かないんだが。」
「そうなのか?この肉は買い取ってくれるのか?」
「ああ。もちろんだ。というかいいのか?ここじゃなくて別のところだともっと高く買い取ってくれるところもあるぞ?」
「ああ、串焼き美味かったからな。これで美味いやつ作ってくれ。」
「おう!まずえーっとほれ20000Gだ。それからちょっと待っててくれ今作るから!」
「ああ。美味いやつお願いな!」
「任せとけ!」
遅くなってすみません。時間がバラバラかもしれませんが毎日更新できるよう頑張ります。