第16話 師匠
そこには一人の老人がいた。
「し、師匠?!どういうことだ?」
「ふぉっふぉ!そのままの意味じゃよ。儂がお主の師匠となってお主を鍛えるんじゃ。まあ儂が教えるのは一部じゃがのぉ。儂は剣なんて使わないからの。儂が教えるのは主に戦い方や体の鍛え方などがメインじゃ。もしお主に才能があれば儂の力も習得できるかもしれんが、そんなことはあとじゃ。それではついてきなさい。ふぉっふぉっふぉふぉふぉ!」
「そ、そうか。まあ正直ありがたい。もしかしてフルールが頼んだのか?」
「ふぉっふぉっふぉ!儂は若い頃あの花の精に世話になった恩があるからのぉ。」
「若い頃って今何歳なんだ?」
「200を超えてからは数えておらぬわ!ふぉっふぉふぉ!」
「200って...。人間じゃないのか?」
「ふむ。儂は元はただの人間じゃったが、今は仙人となっておる。まあ寿命が長いという種族は他にもいくつかあるがの、人間よりも長く生きる種族はかなり多いんじゃぞ!まあ良いそれじゃあ行く・・・っとその前にお主まだジョブを決めていないんじゃったか?」
「ああ、そうだな。どうせなら珍しそうなジョブにしたくてな。」
「ふむそうか。確かに珍しいジョブは特殊なスキルを得れたり能力を持っていたりするが、それ強いとは限らないからの。一番重要なのは自分にあったジョブを選ぶということかのぉ。最初は適当に選ぶよりも慎重に選ぶ方が良いかもしれんのぉ。取り敢えずジョブを選んでみなさい。おそらく修行者というジョブがあるはずじゃ。」
「修行者?」
えーっとなになに?
おっ!本当だ選択肢にあるな。って他にもテイマーや龍使いなども新しく選択肢にある。まあ言われた通りこれを選ぶか。
「どうやら選べたようじゃな!修行者は取得条件としてジョブを選択しない状態で何度も戦闘して勝つという必要があるからの。それに一度も死亡していないという条件もあるからのぉ。異邦人にはちぃと厳しいかもしれんからかなり珍しいと思うぞ。」
「そうか。それよりも爺さん、これからどんな修行をするんだ?サスケとギョウキも同じ修行をするのか?」
「爺さんって....。せめて師匠と呼んでくれんかのぉ。それで?その二匹か...。正直そちらの猿はまだしも龍の方は儂から教えられることはあまりないと思うからの。儂よりも適任のものがおるから、あやつに頼もうかの。お主も剣術を鍛えたいのなら別のやつを紹介してやるぞ。まあ儂との修行が先じゃがの!ふぉっふぉっふぉふぉ!」
「ピィピィ!!!」
「ウキ!ウキウキィー!!」
「おっ!お前たちもやる気だな。」
「まずはこの龍の小僧を連れていくからの。うーむそれじゃあ儂が戻るまでの間は、そうじゃのお腕立て伏せでもしておきなさい。まずは最初じゃからの易し目に2000回にしておくかの。儂が戻ってくるまでにしっかり終わらせておくんじゃぞ!ちなみにサボったら分かるからの!ふぉっふぉっふぉふぉ!!」
2000回ってなんだそれ。というかどのくらいで戻ってくるのか分からないじゃないか!もし戻ってくるのが早かったら絶対に終わらないぞ!
「なあ、ちなみに帰ってくるまでどのくらいかかるんだ?」
「さあのぉ?帰ってからのお楽しみじゃ!あ!ちなみに終わらなかったらもちろん罰はあるぞ。それじゃあいくかの、龍の小僧。」
「ピィ〜!」
嘘だろ!罰ってなんだよ。
「ウキィ!!!」
イテッ
なんだよ!突然引っ掻いて。
「ウキッウキウキ!ウキキッウキッウキウキ!!」
なんだ?強くなるためだろって?そのくらいできるようにならないとだって?
まあ確かにそうだな!たとえゲームだとしても本気で強くなるって決めたんだ!このくらいできるようにならないとだな!それにしても何となく何を言っているのか分かるんだな。
「よし!頑張るか!」
「ウキ!」




