第14話 修行へ
「あそこなんてどうでしょう?ほら先程話した滅ぼされた国の跡地です。今は魔境なんて呼ばれていてほとんど人の寄りつかない場所ですし、強い魔物が多いですからおすすめですよ。それに....。その他ですとダンジョンはおすすめですが、多くのダンジョンは国の管理下に置かれていますので....。」
「そうか。それならそこにしようかな。どうやったらそこに行けるんだ?」
「それに関しては私にお任せください。準備に少し時間がかかりますので上に戻ってお休みください。異邦人の方は長い間こちらにいるとその後しばらく寝ていると聞きました。」
「そうか。ありがとう。そうさせてもらうよ。」
それにしてそんなにも時間が経っていたとは...。
「はい。それではフィオーレについていってください。」
「こちらです。」
「はい。」
フィオーレについていき上にあがっていく。
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上まで戻ってくると部屋に案内された。
「それではこちらの部屋をどうぞお使いください。」
「ありがとう。」
「それからあの2匹のことはあなたが起きて来るまで面倒をみておきますのでご安心ください。それでは、起きましたら部屋にあるベルを鳴らしてください。彼女が案内しますので。」
そう言うといつのまにか後ろにいたメイド服の女性がお辞儀をした。
「ああ。ありがとう。ちなみにずっと気になっていたんだが彼女は?」
「彼女は私たちのいるこの巨木にやどっている精霊でこの巨木内に造られたものを全て管理しています。」
「この中全部って...。」
「それでは失礼します。」
「あ、ああ。ありがとう。」
部屋に入り中を見ると大きなベットとテーブルと椅子が置いてあった。壁には絵が飾られている。
現実だったらかなりの値段しそうな家具ばかりだな。絵に描かれているのは誰だ?何人か描かれているが1番左の人物はフルールか?他の人物はよく分からないな。もしかしたらフルールの友達とかか?
ベットに横になる。
なんだこれ。すごく寝やすい...。っとこのまま寝てしまうところだった。ちゃんとログアウトしないとな。
「『ログアウト』」
『ログアウトします』
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んっんー。はぁ。今何時だ?
6時!?もうこんな時間か。あっという間だな。それだけ楽しめているってことか。
コンコンコン
「お兄ちゃん!ご飯もうすぐできるよ!」
「分かった。すぐ行く。」
食卓に行くと大体の準備ができていた。手を洗い家族の分の箸を並べる。
「ん。やっと出てきたの。お昼も食べないでずっとゲームしてたんでしょ。」
「あ、う、うん。」
「別に責めてないわよ。むしろそこまでゲームにハマっているなんてうれしいわ。」
「ああ。そうだな。勧めてよかったよ。」
「うん。面白いからしばらく続けるよ。」
・
・
・
「ごちそうさまでした。」
今日はもう寝るか。
◆◇◆◇
「よかったわね。」
「ああ、取り敢えず今は熱中してるようだししばらくは安心だな。」
「まあ当然だよ。あのゲームめっちゃ面白いんだから!私の言った通りだったでしょ?」
「ああ、そうだな。」
「あ!でもお兄ちゃんやる気だしたらさ...。」
「ああ、おそらく頭のネジがどっかいってしまって普通じゃ考えられない行動をとるかもな。あいつ夢中になるとバカみたいになるからな。」
「うふふ。」
「そうだよ!お兄ちゃん普段は頭良いのに、楽しくなってきたら途端にバカみたいな行動をとる時あるもんね。でもバカになる訳じゃないから余計になに仕出かすか分からないんだよね。」
「大丈夫そうか?主にゲームの方が...。」
「ま、まあ大丈夫じゃない?プレイヤーも他に変な人とか強い人とかリアルチートみたいな人とかいるからさ。」
「まあ、あの子のことを見守れるように第3陣で手に入れられるように頑張りましょ。」
「そうだな。」
「でも一つ心配なことがあるだけど...。」
「なんだ?楓。」
「えーっと、このゲームってVRMMOだけど別に他の人とプレイしなくても遊べるからもしかしたらフレンドとか全然できてないんじゃないかって思って...。」
「ふむ。確かにあり得るな。まあもしそうでもあいつが楽しめているんなら別に構わないんだがな。」
「うーん...。まぁそっか!」
「ああ。」
「じゃあ私も部屋に戻るね。」
「おやすみなさい。」
「おやすみ。」
「おやすみ〜。」
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翌朝
よし!やるか。
『ログインします』




