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美少女霊能者箕輪まどかの霊感推理  作者: 神村 律子
小松崎瑠希弥さんと一緒なのよ!
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いろいろと複雑な心境なのよ!

 私は箕輪まどか。とうとう中二だ。でも、私は負けない。


 何に負けないのかはわからないが。


 


 今日は入学式。


 G県では、全県的に今日が中学校の入学式のようだ。


 桜も咲いたし、陽気もよくなったし。


 そんな中、私にとって驚愕すべき事があった。


 私の絶対彼氏の江原耕司君の妹さんの靖子ちゃんが、何故か私と同じ中学校に入学して来たのだ。


 江原ッチから事前に知らされていなかった私は、靖子ちゃんとお母さんの菜摘さんを見かけて驚いた。


 いろいろと考えた結果、私と同じ中学に越境入学する事になったそうだ。


「やっぱり、同じ女性であるまどかさんと一緒の方が、靖子も安心でしょうから。よろしくお願いしますね」


 菜摘さんにそう言われ、私は驚きながらも感激した。


「よろしくお願いします、まどかお姉さん」


 制服姿が初々しい靖子ちゃん。可愛い。私にそういう趣味はないけど。


 G県警鑑識課の宮川さんには絶対に会わせないようにしないと。


 菜摘さんが警戒しているのは、言うまでもなくサヨカ会残党の動き。


 まだ力があまりない靖子ちゃんを狙って来る事が考えられるからだ。


 それにしても、「靖子は俺が守る」と言っていた江原ッチは今頃どうしているのだろう?


「耕司は、まだ瑠希弥さんの影響から抜け出せていないので、転校は認めませんでした」


 ああ、そうか。私のお師匠様の小松崎こまつざき瑠希弥るきやさんも同じ学校にいるんだっけ。


 なら、靖子ちゃんは安心ね。


「私、まどかお姉さんと同じ中学に通えるので、本当に嬉しいです」


「そうなんだ」


 危ない、危ない。NGワードを言ってしまうとこだったわ。


「その代わり、別の人に転校してもらいました」


 菜摘さんが妙な事を言ったと思ったら、


「おはよう、まどか」


 私の親友の近藤明菜が、彼氏の美輪幸治君と現れたのだ。


「おはよう、まどかちゃん。靖子ちゃんを守るために、転校して来たぜ」


 美輪君はポーズを決めて言った。


「嬉しい、美輪さん!」


 靖子ちゃんは大喜びだ。何となく面白くなさそうな明菜だったが、


「靖子ちゃーん」


 力丸ミートの御曹司のリッキーが現れると、少し機嫌が良くなった。


 靖子ちゃんの注意がリッキーに向いたからである。


 どこまで嫉妬深いのよ、明菜。


 え? お前にだけは言われたくないだろう、ですって? フンだ!


「わーい、リッキー」


 靖子ちゃんは両手を振ってリッキーを歓迎する。


「お母さん、僕が靖子ちゃんを必ず守ります」


 リッキーはコロッケがいっぱい詰まった紙袋を菜摘さんに手渡しながら、真顔で言った。


「そうなんですか」


 菜摘さんが苦笑いでNGワードを言った。ああ。


 


 やがて入学式が始まった。


 涙ぐんでいるご両親もチラホラ。


 ウチの親は、エロ兄貴の卒業式や入学式では泣いたらしいが、私の時は泣くどころか、欠伸をしていたらしい。


 この差は何なのだろう? ムカつく。


 


 そしてその日の行事が全て終わり、


「今日はまどかお姉さんの家に行きたい」


という靖子ちゃんの願いで、明菜もリッキーも美輪君までも伴って、我が家へ向かった。


「どうぞ、上がって」


 ウチの親共はどこに出かけたのか、いない。


 その代わり、エロ兄貴と恋人の里見まゆ子さんがいた。


「あれれ、邪魔しちゃったかな、俺達?」


 美輪君が早速からかう。


「い、いやね、そんな事ないわよ。ねえ、慶一郎さん?」


 まゆ子さんは顔を赤らめて否定する。


「そうだよ。変な勘ぐりするなよ」


 兄貴も顔が赤い。


「ゆっくりしていってね、靖子さん」


 そう言いながら、兄貴とまゆ子さんは出かけた。


「どこに行くんだろうな? 羨ましいな」


 リッキーが呟く。エロい事は考えていないと思うが、よだれを垂らさないで欲しい。


 しばらくして、瑠希弥さんが現れた。


 途端にニヘラとするリッキーと美輪君。


 殺気立つ明菜と靖子ちゃん。


 こんなに一同が一緒になったのは初めてかも知れない。


 更に、どこで聞きつけたのか、江原ッチも現れた。


 何だか、非常にまずい雰囲気。


 最終回が近いのだろうか?


 しかし、特に何もなく楽しい時が経過した。


「まどかりん、ちょっと」


 私は江原ッチに誘われて、庭に出た。


 何? いきなりの展開?


「どうしたの、江原ッチ?」


 ドキドキして尋ねる。


鴻池こうのいけ仙一せんいちの居所がわかったんだ」


「え? どこなの?」


 私は声をひそめる。


「新潟県村上市」


「ええ?」


 ギクッとした。そこって、その向こうは山形じゃないの……。


「蘭子お姉さんが危ないの?」


「そうかも知れませんが、これはチャンスです」


 瑠希弥さんが現れた。私と江原ッチは瑠希弥さんを見る。


「先生には連絡がついています。双方から挟み撃ちにして、今度こそ一網打尽にしましょう」


 瑠希弥さんの凛々しい顔には、江原ッチだけでなく、私もドキッとした。


 


 最終決戦が終わると、やはり最終回なのかと危惧するまどかだった。

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