表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/247

理解なんて、最初から求めていないんだ… 5

 誰もが、道を明確に説明できたなら。

 タクシー料金が高い安いのクレームは、大幅に減らせるだろう。


 高いと思うなら、行政に殴り込んで。

 バスや電車のように、運賃の半分を出すと国に言わせることをお勧めする。


 タクシードライバーが自分で考え、もっとも良い道を選んだとしてもだ。

 走るとクレームを受ける可能性があるのだから。

 言われるがまま、走っていたほうが、タクシードライバーは楽なのだ。

 道選びに、グチグチ言われることがないのだから。


「じゃあ、ドラゴンスキンで、待ち伏せされているのも、南北の分岐手前だね。

 いっそのこと、ドラゴンスキンに行かないで、海でも行ければ良いんだけど」


 冗談半分で言った琴誇に、アリサは、シレッと言い放つ。


「行けるわよ?」

「はぁ?」


「東管理区の中央街と、西管理区の中央街に、グリーンランドから、のびる道が」


「アリサ? 今日ほど、ほほを叩きたいと、思った日はないよ?」

「なんでよ! 元からある道を聞かない、琴誇がいけないのよ!」


「もう何でもイイから、早く説明してよ」


 アリサいわく。

 東西南北・中央と五つの青龍軍の選りすぐりが。

 北の大陸から、中央島に向かうのだ。


 海路を使う手もあるが、船に乗るリスクに怯えてまで行く必要はない。

 北管理区は、中央島まで遠すぎるため。

 独自の海路を持っているが。

 陸から、ほとんど離れない海路を使っているぐらいだ。


 と、なれば。


 ブルーリバーへ向かう陸路が、必要となってくる。

 大群遠征のため、道幅は広ければ、広いほうが良い。


 戦うことを忘れた軍隊だ。

 歩けば自然に、道になっていくのも、うなずける。


 大群遠征ともなれば、途中で食料を仕入れる必要も出てくる。

 そうなれば、近くの村・街を経由していく必要があり、道が自然にできていく。


 そして、お金が落ちていくから、村が裕福になり、規模が大きくなっていく。

 作られた道というより、必要だから自然に、できた道。

 この道をアリサは、旧道と呼んだ。


 四つダイヤのように区切られた北大陸、東・西・南・北管理区。


 東・西・南管理区は、漁ができ。

 飛龍便も海沿いにあり、東・西管理区首都は、港町になっている。


 東・西港から。

 南港である、ブルーリバーを目指すのに、一番早く。

 安全にたどり着くための、陸路。


 それは、海沿いの街道を行くことだ。


 ブルーリバーに真っすぐ向かうには。

 グリーンランドの森が邪魔をして、大群遠征に向いていない。


 なら森が薄い、海岸沿いを開拓してしまい。

 すり抜けたほうが、安全だったのだ。


 こうして、旧道は、三つデキたのである。


 東・西管理区の首都から、海岸線をすり抜け、ブルーリバーに向かう二本と。

 ブルーリバーから北に抜ける、王都向かう道の一本だ。

 アリサが整備した、異世界タクシーが走る、南管理区・南北道は。

 大森林地帯での被害が無視できなかったため、旧道を本気で整備した結果だ。


 このとき、南管理区が東・西遠征を気遣い。

 海岸線が危険な場合、内側の陸路を行けるよう。

 海岸線の途中から分岐した、グリーンランドへ向かう道が、作られた。


 アリサが言う、海沿いに出る道とは、ソレのことらしい。


「まぁ、道に名前なんて、勝手につくものだから。

 あんまり気に、してなかったけど」


 東・西海岸線を行く道を、何のひねりもないネーミングの、東・西遠征街道と言い。


 途中分岐する道を、東・西内陸遠征街道。


 ブルーリバーから、王都に行く道を、南中央街道と、呼んでいるらしい。


「つまり、海に抜けられるけど、王都へは遠ざかるわけだね。

 しかも、西か東の首都に、行っちゃうんだね」


「そういうことになるわね」


 琴誇の思う国道以上に、大雑把な「道」の概念に、ため息を吐き出した。


 道は、とことん、人がいなければ、必要ないものらしい。


 どこかに、定期的に行きたいと思わなければ。

 必要ないモノのだから、しかたないのだろう。


 人がいれば、それだけ行き先が増える。

 その分、道が必要になるのは、必然だろう。


 東・西、内陸遠征街道を使うにしても。

 東・西、遠征街道にぶち当たり。

 そのまま、東・西どちらかの首都への直行ルートが、確定してしまう。


 そこから王都となれば。

 必ず東・西どちらかの首都を経由して、王都まで続く道に入る必要がある。


 この世界に、車のような文明の利器が登場するには。

 そもそも、道が悪く。

 街道・旧道を行こうとする、人の絶対数が少なすぎるのだろう。


 どれだけ、陸路が度外視されてきたか、分かるが。

 基本、自給自足。

 水を井戸からくみ上げなければ飲めないような、生活レベルなら。

 どこかに旅行に行くほど、余裕なんてないというのが、本音だろう。


 東・西どちらかの首都を経由し、王都に入ってい行くなら。

 アリサが、さんざん口にしてきた事も、崩れ去ることになる。


「とりあえず、ドラゴンスキン回避ができるのは良いとして、問題は、その先だね。

 もう、南の管理区じゃないんだから、相手は、大掛かりなことが、できちゃうよ」


「そうねぇ~。でもほかに、道はないわよ?」


「…ならば安心しろ。…今更、変わらん」


 急に会話に入ってきた、ガルフの声に、琴誇の体が跳ねた。


「面白い!」「続きを読みたい!」など。

少しでも、思った方は。

ぜひ、ブックマーク、いいね よろしくお願いします。


それだけで、皆様が思われている以上に

モチベーションが上がります。


お読みの上で、何かお気づきの点や、ご意見ございましたら遠慮なく


ツイッター @chicken_siguma

URL  twitter/chicken_siguma にて、DM または


chickenσ 公式ライン @729qbrtb

QRコード http://lin.ee/iH8IzAx にて 承っておりますので。


今後とも、長いお付き合いよろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ