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9話 恋って、どうやって始まるの? 1

 東西南北の四大陸と、中央島。

 この世界では、大昔、その世界人口を大きく減らすほどの、大戦があった。


 大陸内での小競り合いから始まり。

 各大陸が、幾つかの王国に統治されるようになり。

 いち早く、統一を成功させた大陸国が、隣の大陸制覇を考え、大混戦となる。


 これが、この世界における、初めての世界大戦である。


 全大陸を、すぐに一つの国が統一し、終戦に向かえば。

 もっとマシな未来が、あったかもしれない。


 だが、人殺しの殴り合いは、そう、単純なモノではない。


 小国家間戦争・農民一揆・市民の暴動・テロの横行。

 戦争だけに集約されていく経済。


 無駄を省き、生産性と実利を色濃く削り出す、資本主義経済は。

 物々交換で成り立っていた村さえも、容赦なく食い荒らし。


 人すらも商品に成り下がり。

 金がないものは、金があるものに使われるしか、なくなっていく。


 自分が売られることさえ、喜びだ、と、言えてしまう世界情勢まで出来上がり。


 金がないものは、食べ物を求め、兵隊になっていった。

 人は常に不足し、物資と呼ばれた物理的な資源すら、焼き尽くしあい。

 戦争・抗争・紛争。


 全世界の統一が、掲げられた戦いは。

 すべての国が、すべての人を信用できない状況を作り出し。

 体力がなくなった国から崩れ、焼け落ちていった。


 戦いだけに明け暮れる世界に、規律はあれど常識はなく。

 崩れ落とし倒した、他国を統治する体力などなかった。


 敗北し、支配下に入ったモノは。

 必要なときに、勝者の権利を振りかざされ、使われるだけの土地になり。


 ろくに統治されない情勢が。

 安易に新勢力・新国家を作り出し。

 崩れ落ちた国と、崩した国、どちらも、同じ末路をたどっていく。


 敗北者は、ただ、飢えと理不尽に耐え続け、衰弱し。

 いつしか、土地から、人すらいなくなっていった。


 誰もが夢見た、世界統一が。

 圧倒的な暴力の中で、平穏は、平和は。

 大戦と言われた、世界戦争の意味を、すり替えていく。


 誰もが生存のために、生きるために、安心するために、平和であるために。

 相手の政権を、国家を破壊し。

 周りに「敵」のいない世界を、作るしかなくなっていった。


 全ては、敵と味方の尺度に消えていき。

 どの国も食べ物、欲しさに殴り合う。


 それは、国の数が減ってきたところで、それは変わらなかった。


 食い荒らされ、焼かれ、荒らされ。

 的確に汚された大地が、そう簡単に、使い物になるハズもない。


 戦後復興は、できるだけの余裕と、時間があるからこそ、可能なのだ。

 戦争の勝利で得る権利は、土地の支配権のみ。


 支配したところで、自国に還元すべきモノが、略奪物資しかない戦い。

 食べつくしてしまえば、また、奪わなければ餓死してしまう。


 食いつくした、支配した土地の使い道は。

 特殊な趣味の遊び道具か、不満をぶつける対象、以外なかった。


 戦いが続けば続くほど、疲弊し。

 勝てば勝つほど、自分の体の肉は、そぎ落ちる。


 第二次世界大戦と呼ばれるモノがあった社会ですら。

 戦争は、ひどいと言われる中。


 この世界の大戦は。

 視界にすら入れたくない、醜態の集まりと、誰もが言うだろう。


 近所の子供同士のケンカが、親に飛び火し。

 それが学校へ、各市町村へ、各都道府県へ。

 それが、世界へ火を広げると、誰が想像できただろうか。


 ノンストップ・ハイスピード戦争、と、言ってもいい。


 下手に、異種族。

 種族ごとの力が違ってしまったから。

 逸脱した種族特化の技能があり。

 その中でも優秀なものが、生まれてしまうから。


 戦国時代の戦にて、常識的に考えうるほとんどが通用しない。

 機械が発明が可能としたモノが。

 身体能力だけで解決できてしまったのだから。


 次の戦争準備のためにある期間を、平和と呼ぶ。

 平和と呼ばれた時間が、ほとんどなく。


 常に、戦っている時間だけが続き。

 戦っている最中に、横腹を刺され。

 誰も、正しい勝ち方を考える余裕もなく、戦いは加速し続けた。


 断続的な暴力が続く中、長い年数をかけ。

 この世界の人々は、戦う前に得てきたモノを、すべて失い焼き払う。

 今、この瞬間を生きるために、壊され・殺されていく。


 人間種と言われた。

 世界で、一番、知能が高いハズの生き物は、ただの動物になっていく。


 誰もが、想像した最後の勝者は。

 話で描かれる、輝かしい英雄などではないのだと、誰も気づかずに。

 ただ、勝てば楽になると信じて。


 痩せこけ、栄養すら、まともに取れず。


 ガリガリに痩せこけた、おなかの出た子供が。

 屍の上で勝利を叫ぶのを、夢見続けた。


 大戦と言われる、世界統一戦争の終末は。

 誰の目にも、分かりやすいものでしか、得られないのだから。


 国が消えては、名前が変わり続けた時代に。


 大国と言われた国は。

 どうして、もっと、「政治的」に物事を進められなかったのか。

 そう言えば、そのとおりだが。


 だがそれは、結果論だ。


 ノンストップ・ハイスピード戦争と言うものを、まだ理解できていない。

 だから、結果論で語ろう。


 友好関係をきずく前に、その国が滅んでしまうのだ。

 すべてを、軍備の再編成に力を傾けなければ、すぐに滅ぶ。

 この戦争の結論は、誰の目にも、分かりやすく示されていた。

 敵が、死ぬか、生きるか、でしかない。


 終戦の形は、ひどくシンプルで、実現そのものが難しい。


「面白い!」「続きを読みたい!」など。

少しでも、思った方は。

ぜひ、ブックマーク、いいね よろしくお願いします。


それだけで、皆様が思われている以上に

モチベーションが上がります。


お読みの上で、何かお気づきの点や、ご意見ございましたら遠慮なく


ツイッター @chicken_siguma

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今後とも、長いお付き合いよろしくお願い致します。

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