用心棒とか、必要だと思うんだ 6
「あなた達の国の軍隊って、どんなのよ?」
「え~。正式にはないけど、軍事力がないと、殴られたとき困っちゃうから。
自衛隊って言う、名前の軍事力はあるね」
「誰が動かしてるの? 王様?」
「違うよ、国が動かしている」
「だから、王様じゃないの?」
「琴誇、初めて日本の説明を、アリサにするときが、きたようですよ」
「だねぇ~。アリサ、この世界からは、想像しにくいだろうけど、ついてきてね」
「私を、バカにしてるでしょ?」
琴誇は、アリサの顔を見て、にこやかに、一つうなずき、切り出した。
「僕の国は、選挙と投票で代表を決めて、政治をやらせるんだけどね。
その人数は、百を軽くこえて。
しかも、その中から代表を決めて。
最高責任者を立てて、そいつを国のトップにするんだ。
トップが各部門の責任者決めて。
トップは大局を動かすイメージ。この集まりが、国会っていうんだよ。
国としては、民主主義の資本主義国家。
司法統治をしていて、基本的に自己解決してはいけない。
一人一人の財布の数字まで、紙の上に書き立てて、前進する国だよ」
琴誇の、にこやかな笑顔に、アリサは、真顔で返す。
「え~。つまり、軍は、その、「こっかい」とか言う集団が、話し合って決める。
って、言うこと?」
にこやかな笑顔を張り付けた琴誇は、そのままナビィに向けられる。
「つ、ついてきてるよ、ナビィさん?」
「アリサさん、バカじゃないって! よかったね!」
「すごく、不愉快だわ」
「うん、なんかごめん」
「琴誇? なんか、じゃなくて、普通に失礼だからね?
琴誇の国と、こっちの事情とは違うわ」
「どういうこと?」
「青龍の軍隊は、大きく分けて、五つあるのよ」
「四と五が好きな世界だね、ナビィ」
「いえ、東西南北と、中央に集めるのが、好きなんですよ」
「聞こえてるけど、あえて無視して続けるわ」
もう、想像がついただろう。
青龍軍は、王国の持ち物であるが。
五つある軍勢の一つを、守護者は、手駒として使うことが許されているのだ。
名称を並べれば、どうであるかが、すぐに分かる。
青龍王国軍と、東西南北と、頭についた四つの軍隊、五つなのだから。
北大陸の軍事力とは。
同時に管理者直下の労働力でもあるらしく。
戦ったりするのは、まれ、らしい。
軍事力と呼んで良いかどうか、非常に悩みどころだが。
軍隊は国税で、国を開拓していくのがメインであり。
本当の意味で治安を守るのは、町ごとに組織された、自警団なのだそうだ。
で、ここがポイントだとアリサは、指をたてる。
「だからね? 守護者は、一軍隊の強化・維持から、人数の采配。
派遣先まで、自由にできるわけ」
「あ、話が見えてきた」
「ナビィ? 今、本気で、アリサを降ろしたいよ」
「降ろしちゃえば?」
「と、言うわけでアリサ。降りて」
「なんでよ! 協力してくれるんでしょ!」
「ほかの守護者の軍隊が、中央島から、きびすをかえして。
アリサを捕まえようと、してるんでしょ?
もう、王手、かかってるじゃん!」
「そ、そうよ」
また、顔を曇らせるアリサに、琴誇は、げんなりしながら口を開く。
「もう、僕たちが、ドコにいるかもバレてて。
この先で、待ち構えているのも、確定じゃないか!」
「そうよ…」
「それが、すごく悪い話で、けっこう悪い話なんでしょ!」
琴誇達の後ろから。
北・東・西の守護者三人が、中央島に派遣していた部隊が迫っている。
これに捕まれば、一発アウトだ。
魔法がある世界で、車が、どれだけの仕事ができるか、疑問しか残らない。
そして、相手は、もう、アリサの居場所が、わかっているのだから。
行く先々で、本格的な待ち伏せを開始できる。
ちなみに南の軍隊は、南の管理区・各地で、お仕事中らしい。
少ない護衛だけで、海をこえていく。
南の管理者様は、戦いを、なめているようだった。
龍信仰が、なせるワザなのかもしれないが。
その文化が、どれだけの力を持つか分からない、琴誇には、恐怖しかない。
「でも、南管理区内だし、大っぴらには、動けないハズなのよ」
「待ち伏せは、少数精鋭で。
バレないように、やるって、ことじゃないの?」
アリサは、琴誇に驚いた顔を見せた。
「え? もしかして…」
「そこまでは、気づかなかったわ」
「なんで? なんで、ソコは分からなかったの?」
「後ろから来てる軍隊は、西・東・北青龍軍の、精鋭エリート集団だからよ」
「どういうこと?」
「中央島は、言ってしまえば、各国の顔が実際に見える、社交の場よ」
「そんなところに、中途半端なヤツらは、おくれないってこと?」
「北の大陸五軍隊、最精鋭の集まりと言っても、過言じゃないわ」
「前も後ろも、ガッチガチって!
本当に、アリサは、何をしたんだよ! 許されるなら、もう、謝ろうよ!」
「それは無理ね」
ハッキリと断言する、アリサ様。
このさい、もう、やっぱりみんなの言うとおりだよね! ごめんなさい。
それで、全部終わって欲しい異世界交通陣営としては、ゴリゴリ押していきたい。
「なんでだよ!」
「青龍様を、政治から引きずり下ろそうとしている。
明確な証拠を、つかんじゃったから」
アウト。
もう、アウトだ。
「……」
「面白い!」「続きを読みたい!」など。
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異世界完全遭難のネリナル 白の章 完結済み
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