用心棒とか、必要だと思うんだ 5
大陸間を飛んで、戻ってくる魔法。
存在はするが、実用性が非常に低い。
無駄が多すぎると言っても、間違いではない。
必要な力が、あまりにも大きすぎるのだ。
才があると言われる人の寄せ集めでも、五人は必要になる。
しかも、行って戻るだけで力を使い果たし、しばらく動けなくなる。
五人の死力を尽くして、空を飛んで戻ってくるのは、魔法をかけた一人だけだ。
そんなことのために、引く手あまたの魔法師を集めるのは。
あまりにも、馬鹿らしい話だ。
なら、物を運ぶだけなら、飛竜で十分だ。
それだけ、大がかりな力を使うなら。
別のことに使おうと思うのは、当然の話だろう。
空を飛ぶ力魔法を使うぐらいなら。
村の近くに、水を引いて来ることを優先する。
この規模の魔法を、個人で行えるものは、いるにはいるが。
ひどく限られ、指で数えるほど。
空を飛ぶとは、全力ダッシュで、何百キロと走れと言われているようなモノ。
人の体力的に不可能だ。
有能者は。
急ピッチで行われている、街の建築・整備の最前線で戦っている。
ライフラインを犠牲にしてまで、空を飛ぶ意味がない。
大陸間は、何十キロ、何百キロあるのだろう。
一番、短いところから行けば、できるのかもしれないが。
失敗し、海に体力がない状態で、海に落ちて。
無事でいられる者は、いない。
大陸間の間隔が、一番狭いところには。
必ずと行って良いほど、飛竜の運搬屋がいるため。
やろうとしても、自殺行為を見逃してはくれない。
それでもチャレンジャーが、いることは、いるそうだが。
その場合でも。
飛竜の運送屋は、報告だけして。
見て見ぬふりを、決め込むのだという。
それだけ、魔法での大陸間移動は、奇跡に近いことなのだと、アリサは、言った。
例外として、空を飛び。
他の人に、魔法で補助してもらう方法も、あるにはあるが。
やはり体力勝負だ。
成功させたモノはいるが。
ベッドで目覚めてから。
あんなに、何も得られないギャンブルは。
二度とやらないと、心に決めるのだそうだ。
空を自分の体だけで飛んでいくには、風だけでも大きな障害だ。
ならば、隣の大陸に行くには、大型船で海路を行くしかない。
と、話が一周する。
「大陸間の海路は、すべてダメだって言ったけど、例外が、一つだけあるわ」
「あるんだ、例外」
「四龍様の最後の慈悲ね。これは」
「で、どうするの?」
「船で、中央島には行けるわ」
「はぁ?」
「しかも、海が安定しているから。
天気で海が大荒れしない限り、安全につけちゃうわ」
「海路、イケるじゃない」
四大陸の中央にある、島と呼ぶには、大きすぎる大地。
東西南北の四大陸は、例外なく、中央大陸までの海路だけは使える。
北から、西や東には行けないが、中央大陸には、航路で行けるのだ。
「同じ問答になっちゃうから、先に言っておくわね。
東西南北は、龍の大陸。でも中央は、神陸と言われているわ」
「神って言う言葉が入ると、急に宗教っぽく聞こえるね」
「宗教じゃないから! ちゃんと、一つの国が、ソコにあるのよ」
「え? それじゃあ、中央の国を潰せば。
他の大陸を侵略できるんじゃ、ないんですか?」
「それが、できないから、今があるのよ」
海路が中央島まであるなら。
中央島を取った国は、他の大陸に進行できる。
確かにそうかもしれないが、それは不可能だ。
「誰も、全世界を、敵にまわしたくないでしょ?」
「どういうこと?」
「戦いばかりに、考えが行きすぎよ。
海路が一つしかないなら、他国からの貿易物も、その海路を使うしかないのよ。
貿易による輸入・輸出、各国は、特色が全く違うから。
得意としている物も、技術も、違う。
中央島を占領しました、なんてことになったら。
他の大陸全土から躊躇なく、攻撃されるわ」
五大陸、五国家が、がん首をつきあわせている中。
国境線を引くとしたら、どこか。
不法侵入を防ぎ、自・他国の外に向かった動きは、どのように確認するか。
中央島の国家は、それら全てを容認し、推進している。
結果として、中央島には、東西南北大陸専用の港が作られ、大貿易都市になった。
四つの大陸は、中央島を経由しなければ。
外に向かって、大きな行動をおせないのだから、当然の結果だろう。
そのため、中央大陸の街は、大きく発展し。
中央島を経由しなければ、他国に行けないのだから。
国も例外なく、小さな話し合いから、なにから。
外交全てを、中央島で行うのだ。
経済的にも潤い、政治的にも、重要な立ち位置をきずいている。
そして、唯一。
四龍の四法の特色を受けてこなかった。
各大陸、全てを許容する国でもある。
そこを占領する、ケンカを売る。
それは、五人が座り、奇麗な料理が並ぶテーブルに。
土足で、上がるようなものだ。
テーブルにならぶ、全員の反感を買い。
頭を銃で撃ち抜かれても、文句は言えないだろう。
「へぇ~。龍の作った世界は、良くできてるなぁ~」
「感心している場合じゃないのよ!
その中央島から、うちの大陸の軍隊が、戻ってきてるのよ!」
「ソレの何が問題なの?」
「……」
「アリサさんは、どうやら、言葉を失ったようですよ。ナビィさん?」
「軍隊が戻ってきているのが、どれだけの意味を持つか。
説明してほしいものですね」
「面白い!」「続きを読みたい!」など。
少しでも、思った方は。
ぜひ、ブックマーク、いいね よろしくお願いします。
それだけで、皆様が思われている以上に
モチベーションが上がります。
異世界完全遭難のネリナル 白の章 完結済み
もよろしければどうぞ。
お読みの上で、何かお気づきの点や、ご意見ございましたら遠慮なく
ツイッター @chicken_siguma
URL twitter/chicken_siguma にて、DM または
chickenσ 公式ライン @729qbrtb
QRコード http://lin.ee/iH8IzAx にて 承っておりますので。
今後とも、長いお付き合いよろしくお願い致します。




