用心棒とか、必要だと思うんだ 4
「何度も、そう言ってるじゃないですか。やっぱり、バカなんですね。
追い出されて、本当に、お偉いさんのところに行くとか、本当に馬鹿ですね。
普通、そういう人材が集まる場所に行って。
アリサさんの肩書き語れば、なんとでもなると思うのですが?
どうして、そんなにやることなすこと、要領、悪いんですか?」
「ひ、ひどい。琴誇、頭なでて」
「ねぇ、ナビィ? じ、が出てきちゃったよ?
抑制されずに、じ、が丸出しになっちゃったよ?
そろそろ、かんべんしてあげて」
琴誇にナビィは、不思議な顔を浮かべ、小首をかしげた。
「なにをです?」
言葉を聞いたのと、ほぼ同時に。
アリサは、無言で車外に歩き出す。
その背中は、痛々しく。
琴誇は、自分の腹筋を、なでなければ。
口元から、いろんなものを、噴き出しそうだった。
「ナビィ?
絶対、今がそのときと言わんばかりに、うっぷん、晴らしているでしょ?」
「何を、今更」
「さすがナビィ。否定すらしない」
そして、時間だけがすぎ。
後部座席で、負のオーラを吹き出させる、お客(仮)は。
死んだ魚のような目を真下に向け、深いため息を吐き出した。
「結果は、大体わかるけど、話は聞くよ」
アリサは、ゆっくりと顔をあげ、想像以上に、青ざめた表情を琴誇に返す。
「ねぇ? すごく悪い話と、けっこう悪い話、どっちから聞きたい?」
「良い話が、一つもないの?」
「うん。本当に、ごめんなさい…」
「琴誇、この人、降ろしましょう」
「どこまでも、アリサに厳しいねナビィ!」
「どっちから聞きたい?」
再度、問いかけるアリサに、琴誇は、妙な迫力を感じた。
「じゃあ、一緒に聞くよ」
冗談めかした琴誇の言葉も気にせず、アリサは、切り出す。
「あと、もう少しで、北の出兵隊が戻ってくるわ」
「ん?」
アリサは、琴誇の顔を見るなり、ため息を吐き出す。
「中央島に出払っていた軍隊が、ブルーリバーから、王都に帰ってくるのよ」
「……。ちょっと待って。他の大陸には、行けないんじゃないの?」
「ソコから言わないと、事の重大さが伝わらないのね」
四大陸は、海竜によって海路を、潰されてしまい.
大きな物は、まず大陸間を移動することができない。
空を飛ぶ方法が、あるにはあるが。
それができるのは、限られた人だけだ。
船のように大量の物資、人を送り出す方法は、ない。
「空を飛ぶ方法あるなら、大陸間の戦争が、ぶり返すんじゃないの?」
「そうね。飛竜種を数千、数万匹ぐらい、各国が従えていて。
魔法適正が、とんでもなく高い天才が、ゴロゴロいて。
種族として、空を飛べる人が、たくさんいたら、そうなるかもしれないわね」
「で、実際はどうなの?」
「あり得たら、今ごろ、まだ四龍様が暴れてるわ」
「オソロシイ、ハナシダナァ」
相手が、分からないと思えば。
説明を、細かく、分かりやすく、していくのは。
アリサの良い所なのかもしれない。
単純に、この環境に順応しただけかもしれないが。
この世界は、良くも悪くも、龍信仰で出来上がってしまっている。
その中、飛竜を、家畜のように扱えるものは、いない。
龍種は長寿で頑丈、力も強いのだ。
大自然の弱肉強食世界で、一番上に君臨しているのは、間違いない。
だからこそ、大自然の法則として。
そう言った動物・生物は、繁殖能力が低い。
飛竜は、卵を一年に、一度生みはするが。
有精卵かは、別の話である。
人間でも、小学生のうちに、少女は生理を迎えるが。
それで子供を産むかどうかは、別なのと同じだ。
飛竜は、高い知能を持っており。
口から言葉を話しはしないが、言葉を伝える手段を持っている。
そして、寿命が長いとくれば、成長するのに、時間がかかるのも当然だろう。
人の赤ん坊が、成人する頃。
飛竜は、やっと、空に飛ぶことができるようになる。
長寿なら、時間さえかければ。
数が、自然に増えると言うのは、間違いではないが。
だいぶ大人しくなったとは言え。
東西南北、中央。
五大陸内にも小競り合いのような、争いはある。
赤龍の南大陸では、いまだに戦っている。
空を行ける飛竜は、物を運ぶ点でも必要とされている。
だから、自然死以外の死因は、確実に存在するのだ。
自然界で生きているよりも、より多く。
それでも、共存の道を歩んできた中。
数を少しずつ、伸ばしてはいるのだが。
すべての大陸の飛竜が、集まろうとも、数千匹がせいぜい。
飛竜に搭乗するには、飛竜と会話する必要があるのだが。
会話するには、魔法適正が必要とされる。
これを独学で身に着けるには無理があるため。
魔法学校を、良い成績で卒業するぐらいの教養の上に、始めて成り立つ。
学校そのものが少ない、この世界で。
飛竜に乗れるというだけで、希少な存在なのだ。
魔法で、空を飛んでいくとなると、もっとハードルが高くなる。
魔法適正が高い人とは、一人で行える魔法規模が、大きく。
魔法は、適正があれば誰でも使えるが。
魔の法は、数学の方程式のように、正確に積み上げられており。
使う前から、必要な力が示されている。
例外を除き。
大学生の数学が、小学生にはできないように。
規模が大きい魔法は、安全等々考えれば。
人数をそろえ、発動に必要な「力」を用意する必要がある。
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異世界完全遭難のネリナル 白の章 完結済み
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