用心棒とか、必要だと思うんだ 3
一瞬で、この場の空気をガラリと変える、その姿は。
アリサが、何者なのかを、琴誇の心に語りかける。
が、何事にも動じない、タクシーナビゲーションシステムは。
その口を、なめらかに滑らせた。
「南、以外の管理者様を乗せたいです」
アリサの体がプルプルと震え。
地味に沸き上がる笑いを、琴誇は、奥歯でかみしめた。
しばらく問答が続き。
アリサの最終手段。
平謝りによって、話が、やっと戻ってきた。
南の管理者様のプライドを、かなぐり捨てたアリサを。
琴誇は、話で切り捨てる。
「で、用心棒とか傭兵だとか、お付きの強い人とか、必要だと思うんだ」
「イヤよ。荒くれものとか、素行が悪いヤツとか。
いつまでも、どこまでも、ついてくる人なんて」
「今のやり取り、もう一度、繰り返そうか?」
パタリと開かれた扉に、アリサは、素直に「ごめんなさい」と、返した。
「アリサ。琴誇。そろそろ、言っても、良いでしょうか?」
なんだと振り返る二人の顔に、ナビィは、ため息を吐き出した。
「おまえら、エンジンつけっぱなしで、いつまで、グダグダしてやがる?」
ナビィは、言い訳を並べる二人に笑顔を向けた。
「結局、戦力が必要で、探すことになるんだから。
早く、力になる人材を、捕まえてこいや!」
と、言う、問答のすえ。
アリサと、琴誇は、グリーンランドの路上に立っていた。
町を歩き回れば、いろいろな情報が、仕入れられるのだろう。
本当に、いろんなイベントが、待ち望んでいても、おかしくない。
だけど、である。
アリサが、琴誇の横で、ペチャクチャしゃべるが。
琴誇が、首を横に振ると、すぐに諦めた。
会話が理解できなければ、海外旅行に行っても、自由度が低い。
海外でしか味わえない経験と言うが。
それは、遠い別の県に行っても味わえるだろう。
他国の文化は、観光ツアーが提供するだけのモノへ、成り果てるのだ。
最低限の教養と知識なくして、娯楽は生まれない。
この場合。
最低限の語学と、語学を必要としない金銭的余裕だろう。
アリサ・琴誇の二人は。
日本語と異世界語で行われた、不毛な問答を繰り返し。
10分も、しないうちに、車内に、二人で座り込んだ。
「いや、分かってはいましたが、バカですね。
とんでもない、バカですね」
「僕が、外に出たところで。
何もできないっていうことを、忘れさせる翻訳機が、いけないと思う」
「じゃあ、切っちゃえよ。マジで、めんどくさいです」
「というわけで、お外は、アリサの独り舞台だよ。よかったじゃん」
「この数時間で、たどり着いたのが、ソコなの!」
「いろいろあがいても。
今、スグには、どうにもならないって、いうことが分かった」
「そんなことはないわよ、努力は大事よ!」
握りこぶしをつくり、琴誇の目の前に掲げるアリサが。
どれだけの努力をしてきたか。
その態度と、力説する口が、全てを語るというものだ。
南の管理者様になるため、教育され続けてきたとすれば。
その努力は、計り知れないモノだろう。
だが、残念な事実が、一つ、ココに存在する。
「もう、そういう茶番は、イイから動けや! アリサァ!」
「え、え!?」
「ほらぁ~! 琴誇、ドアを開けろぉ~!」
「よろこんで」
パタリと開いた扉に。
今までとは違う意味合いが込められているのは、言うまでもない。
「ナビィちゃん? 怖い、怖いよ!」
「話が、いつまでも、先に進まないんじゃぁ、ボケがぁ~。
さっさと、お偉いさんのところに行って、話してこいやぁ~!」
「ナビィちゃん、でんぱ受信してるの?」
琴誇が、黙って、人差し指をアリサに向けた後ろ側で。
やさぐれたナビゲーションシステムが、まくしたてる。
「なんで、そんなに頭がイイのに、要領が悪いのか、私に説明してもらおうかぁ?」
「アリサだからだね」
「ちょ、琴誇!」
「そっかぁ…」
「納得されてる、私の身にもなってよ!」
「イイじゃん、おさまったんだから」
「そうだけど、そうなのかも、しれないけど」
「アリサァ!」
「ナビィちゃんが、ついに、呼び捨てになった」
「仕方ないことだね」
「なんなの、その立ち位置。
われ、関せず、、座っているだけです、みたいな態度は!
琴誇も、当事者でしょ!」
琴誇は、顔の前で手のひらを左右に振り、ハッキリと宣言する。
「部外者です」
「裏切り者!」
「早く、イケやぁ!」
「は、はい!」
後部座席から、たたき出されたお客(仮)は。
締め出された車外で、後ろを振り向き、琴誇を手招きするが。
琴誇は、そのアリサに、作り笑いを顔に張り付け、うなずいた。
凍り付いたアリサの笑顔を、シッカリと目に焼き付け。
琴誇は、崩壊しそうになる腹筋を、静かになでる。
数十分後。
エンジンを切った車内で。
シートを倒して待っている琴誇の、目を覚ますノックが、車内に響き。
扉を開けば、深いため息を吐き出す、アリサが、後部座席に座わる。
このままでは、会話にならないと。
エンジンを回し、翻訳機を作動させれば、ナビィも目を覚ました。
「さっき、遠回しに「お前、このグリーンランドで、腕の立つ傭兵?
用心棒? お付きの使える人材?」何、言ってんの? って言われた」
「成果なしですね。琴誇、扉を」
「よろこんで」
アリサは、開く扉を見て、深く頭をたれた。
「行けばイイんでしょ、行けば!」
「面白い!」「続きを読みたい!」など。
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異世界完全遭難のネリナル 白の章 完結済み
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