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メイドちゃん、冒険者始めました!!~スキル≪生活魔法≫も極めたら存外最強!?~  作者: こんぶもずく
第3章 異世界との出会いは突然に
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第65話 フィニルド家

 気を取り直しつつ、悪魔と向き合う。


「今日のエサはなんだか美味しそうっ!!魔力の波動もいっぱい感じるっ!!」


 うわぁ、完全に私たちのことをエサとしか見てないよ…。

 というか……

「話すモンスターってレアじゃない?」


「うん、俺も思った」

 そうなんだよねぇ。

 会話の成立する魔物ってそう居ないんだよね。

 例えば……人型の魔物とか?

 鬼人とかリザードマンとかは話せるらしい。

 会ったことないからわからんけど。

 あとは、悪魔か。

 伝説によると契約を交わすからとかなんかで悪魔と話した人がいるらしい。

 まぁ、契約を交わせるほどの知能を持つ悪魔はよっぽど高位の悪魔だ…け……。

 !?

「高位の悪魔?!」


「おぉ、リーンも同じ結論に辿り着いたみてぇだな」

 くっそ、私の出番はあるかなとか考えてる場合じゃないな。

 全員でかかっても倒せるかどうか……。


「シリカちゃん!全員に支援魔法頼める?それと相手にもデバフを」


「りょ、了解!!」

 急いで指示を飛ばす。


「ハヤト!あんたも戦う準備を」


「あんま状況掴めてねーけどわかった!」

 そう言ってハヤトは≪魔法の書(マジック・パレード)を発動させる。

 彼の周りに幾重もの魔法陣が展開される。


「フォイル、私たちは最初から全力で。2人を守るよ」


「言われなくてもな!!」


 2人同時に≪神域装備≫を纏う。

 フォイルは見たことの無い聖剣を。

 私は『ルキア』を手に取る。


「今日もよろしくね、ルキア」

『はいっ!ご主人様のために頑張りますっ!』


 ルキアに呼びかけると元気に答えてくれた。


 丁度その頃になると、シリカちゃんの支援魔法によって体が軽くなるのを感じた。

 おぉ、実際に受けてみると結構楽だね…。


 私はシリカちゃんの支援魔法の効果に驚きつつ、相手に≪解析鑑定≫を行う。



 ───────────────────

 リアリス=フィニルド


 種族:上位悪魔(アークデーモン)

 Lv.58

 称号:≪影の使い手≫、≪狂人≫、≪悪魔っ子≫

 スキル:≪秘匿≫、≪秘匿≫、≪秘匿≫、≪秘匿≫


 勝手に人のステータス見るんじゃないわよ!!


 ───────────────────

『≪解析鑑定≫が妨害されました。』


 妨害?!

 初めてだ……。

 てか、自分で文章出せるんだ、ステータスウィンドウに。

『見るんじゃないわよ!!』ってさ。

 称号に≪悪魔っ子≫ってあったけど、世界公認なんだな、悪魔っ子って。


「おい、そっちの女の子!人のステータス勝手に見ないでくれる?」


 えぇ、急に雰囲気とか、喋り方とか変わるじゃん……。


「はぁ、演技も疲れたし早めに殺しちゃお」

 あー演技だったんすねぇ…。

「あっ、その前に……私はリアリス=フィニルド!偉大なるフィニルド家の悪魔よ!!私に敵対した者の命はないと思いなさい!」


 そう自己紹介した。

 フィニルド家……?んー知らんな。

 フォイルは知ってる?と聞こうとしたら、

「な、なに?!フィニルド家、だとっ?!」

 どうやら知ってるみたいです。


「なんなの?そのフィニルド家って」


「はぁ?知らないのかよ!いいか?フィニルド家っていうのは───」


 フォイル曰く、フィニルド家と言うのは大悪魔の家系らしく、数百年前の人魔戦争に於いてはその一家だけで魔族の国を3つも落として見せたそうだ。

 その当時は人類の国と契約を交わしており、人類軍として戦ったとのこと。

 同じ魔族と戦うのってどうなの?と思ったけど、契約を第一に考える一族らしく、そこら辺は魔族側も分かってるのかなんとも思っていなかったそうだ。


「なるほど……凄い家系なのね。んで、そんな家の子が敵と」

 やべぇじゃん。

 歴史に名を刻んでる家系のこの子と戦って勝てる気がしないんだけど。

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