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メイドちゃん、冒険者始めました!!~スキル≪生活魔法≫も極めたら存外最強!?~  作者: こんぶもずく
第3章 異世界との出会いは突然に
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第59話 こいつも大概

「俺のスキルは……」


 一同ごくりと喉を鳴らす。


「≪勇者換装≫、≪魔王換装≫、≪知恵者(モノシリ)≫、≪魔法の書(マジック・パレード)≫の4つかな」

「あれ……どうしたの?もしもーし」



 いかんいかん固まってたぜ。これはもう……

「ハヤト、あんたも人外だったのね。ようこそ呆れられる世界へ」


「ちょっ、リーン!?」

 なんでハヤトが驚いているのかわからん。

 驚くべきなのは私たちだっつーの。


「ほい、起きんさい」

 頭にチョップしてフォイルを起こす。

 何気にこいつ背が高いのでするのが大変。

「シリカちゃん、戻っておいで~」

 背中にしがみついたまま固まってしまったので体を揺らしつつ声をかける。


 5分ぐらいして二人が驚きによる石化から帰ってきたから話の続きを促す。


「ほい、じゃあスキルの詳細教えてよ」


「おっけー。まずは≪勇者換装≫だね。これは──────



 ──────って感じかな全部で」



「ほへぇ、バグやね、マジで」


「うん、リーン以上にバグってやがる」


「だよね、リーンちゃんの初めて聞いた時以上にびっくりだよ……」



 これが聞いた3人の率直な感想。

 ていうかこれしか口から出なかった。


 ハヤトの語ったスキルの詳細はこう。


 先ず≪勇者換装≫。

 これは読んで字の如く勇者になれるスキル。

 勇者ならではの装備、身体能力、加護を一時的にその身に纏えるスキルらしい。

 頭おかしいよ。ほんと。

 神域装備、聖剣、精霊の加護とかがつくらしい。


 んで、このスキルのヤバいところがもう一つあって、それは《《歴代の"最強"の称号を持つ勇者の能力を借りられる》》ということ。

 歴代勇者と成り得る者はなにかの点に於いて頭一つでは足りないほど秀でた才を持ち合わせていた。

 ある者は圧倒的魔法技術。

 ある者は圧倒的剣技。

 ある者は圧倒的神聖力。

 ある者は圧倒的演算能力。

 etc.


 そんな勇者の能力が1回の使用につき1人分だけランダムに得られるらしい。



 まだ幸い?なのがハヤト自身が器として成っていないところ。

 だからまだ力の1割も引き出せないらしい。

 頼むからそのままでいてくれ。




 はい、つぎー。≪魔王換装≫。

 これ説明要る?

 ≪勇者換装≫の魔王バージョンっすね。

 深淵装備、魔剣、闇精霊の加護がつくらしい。


 んで、歴代魔王の力を借りられるってのも同じ。


 どうしてここまで完璧に対になるスキルを持っているのかわからん。

 これに関しても力はまだ全然引き出せないらしい。



 ちょっと待てよ?もし、両方のスキルを同時に使えちまうようになったら無敵じゃね?

 うわぁ。

 こっわ。

 敵に回さんとここの子。




 こほん。気を取り直して次行こうか。

 お次はこちら!≪知恵者(モノシリ)≫!


 これは私の≪解析鑑定≫の完全上位互換といった感じ。

 見ただけで物の詳細が瞬時にわかるという優れもの。

 んで、なんか音声認識とやらがついているらしい。

 ハヤト曰く『へぇ、sh〇riみたいだね』とのこと。

 おかしいな、途中うまく発音できないんだけど。

 なにこれ。


 えっと……なんだっけ。

 あ、そうそうこのスキルなんだけど、何でも知れるといってもさすがに個人情報とかは無理らしい。

 結果が出ても名前とレベルまでとのこと。

 よかったよかった。

 私の権能が全部見られたらヤバい。

 どうしても隠しておかなきゃならないものがあるからね。




 さて、最後のスキルに行こうか。

 ≪魔法の書(マジック・パレード)≫。

 これは魔法使用の時に色々補助してくれるスキル。

 未収得、スキル化していない魔法をも載っている魔法の書を顕現させるらしい。

 でも、いくら使用魔力量が半分になると言えど魔法練度とか魔力量は使用者ありきだから他3つと比べるとまだマシなスキルに見えてくる。


 私みたいに無限にMPポーションを作れる人からしたら関係ないのかもしれないけど。



 と、まあ色々壊れてるスキル編成ですと。

 本人曰く

「これが転生者特典ってやつか……でも俺死んでないから転移者特典?」

 とのこと。


 なにそれ転生者ズルい。

 この世界に来たらすぐに無双できるぜヒャッハー状態なんでしょ?

 こちとらアホみたいに努力した成果だというのに。

 この世は理不尽。

 はぁ。



 で、他の人はどうしたのかって?

 聞いた瞬間ぶっ倒れたからすぐに【異空間家屋】の家に連れて帰って寝かせている。

 君たち耐性なさすぎよ。

 すーぐそうなるんだから。


 なんなら一人騎士団長ですけど。

 しっかりしてもろてー。


 ま、私との戦闘で疲れてたんだろうね。

 シリカちゃんも仕事終わりだったし。


 そんな状態であんな話をぶっこまれたらそりゃああなる。


 私は完全ブラックな環境をここ数年過ごしてたもんだからこれぐらいじゃ倒れませんよ。



 つーわけで今は自室で一人。

 念のため認識疎外の結界を張って、自分のステータスウィンドウを開く。


 ヴン。


 聞きなれたサウンドと共にステータスウィンドウが開かれる。



 それを下の方にスクロールしていく。

 私の基本情報。

 スキル欄。

 称号欄。

 所持金。

 熟練度。


 それらのさらに下。

 私も最近気づいたもの。

 一番下までスクロールし、行きついたところにあるのはここ1か月で見慣れた──



 ──【カスタムメニュー】の文字。


 私はそれをそっとタップする。


『管理人室ヘ入室シマスカ?』

『Yes/No』


 Yes。

 どぷん。

 その音を残して私の姿は自室から消える。

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