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メイドちゃん、冒険者始めました!!~スキル≪生活魔法≫も極めたら存外最強!?~  作者: こんぶもずく
第3章 異世界との出会いは突然に
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第57話 騎士団長VSメイド─4 決着

 私が翼の名で考えたこと。

 それはさっきの属性測定の再現。


 火の魔石に限界まで魔力を込めて爆発させ、雲を散らしたあれ。


 周りに人はいないし?

 ハヤトとシリカちゃんは聖結界の中だし?

 フォイルは爆発食らっても大丈夫だろうし。

 うん。やっちゃおっか!


 でも、肝心の火の魔石がない。

 ふむ、どうしたもんかねぇ。


 こういう時の【検索】様よ。

 えーっと、『魔石の作り方』と。

 えーなになに?


 ────────

 ~魔石の作り方~

 ステップ①

 手に魔力を集める。


 ステップ②

 その集めた魔力を圧縮。


 ステップ③

 極限まで圧縮する。


 追記

 属性の付いた魔石を作る場合は属性付きの魔力を使う。


 ────────

 ふむふむ、わからん。

 ま、やってみるか。


「えーっと?手に魔力を集める。んで、火属性の魔力をね。おけおけ」

「それを圧縮?どうやってやんの?」

 もうちょっと詳しく調べよう。

 お、『初心者でもわかる魔力圧縮!』だって。


 ────────

 魔力圧縮のイメージ。


 あなたは今、商店に来ています。

 今日は新年特売日。

 なんと、一袋詰め放題セール中!


 商品を魔力、そして商品を詰め込む袋を手だとしましょう。


 あなたは商品をできるだけ多くの安く購入しようと袋に溢れないように詰め込みますよね?


 それと同じで手の中から魔力が漏れ出さないように押さえつけつつ、どんどんと魔力を注ぐのです。


 わかりましたか?

 レッツ魔力圧縮!!


 ────────


 んーーイマイチよくわからん。

 他のを見てみるか。


 ────────

 魔力圧縮の方法は極めてシンプル!


 手から魔力を出して固めていくんだけど、例えるとこんな感じ。


 魔力をお米だとして、属性を具だとする。

 それを手で握っておにぎりを作る感じ!!

 ────────


 ちょっとわかりやすいかも?

 おにぎりを作る感じで魔力を握る。


 すると、手の中に物凄く小さな結晶が出来た感覚。


「おぉ!!」

 私は≪身体強化≫を使って握る強さをさらに上げる。

 そしてそれと同時に魔法による加重……≪重力魔法≫?で圧をかけていく。

 だんだんと結晶が大きくなり、先ほど使った魔石よりもひと回り大きな物が出来た。

 もちろん火の属性付きの魔力で作ったので火の魔石が出来上がっている。


「すごい。こんな簡単に作れるなんて……よし、これで!」



 ◇◇◇◇◇


 《《俺》》は聖剣の乱舞(ホーリーストーム)を発動した瞬間にあいつの体から真っ白な翼が生えて、そのまま身を包むのを見た。


 あれは……防御魔法か?

 厄介だな……。

 未だ手ごたえがない。


 あいつの事だし、どうせ固いんだろうな、あれ。

 削り取れるのかもわからんな。


 と、考えていた矢先。

 ──────っ!?


 あいつから強大な魔力反応。

「おいおいおいおい!なにやってんだ!?ここら一帯を吹き飛ばせるほどの魔力量じゃねぇか!!」


 しかし───

「いや、待て。一点に収束している……??」


 あの聖剣が舞う球体の中にいる人物はあれほどの魔力を放出し、その上完全に制御。そして一点に集めたと思えばすっかり魔力反応は消えてしまった。


「あの中でなにが……?」



 ────────!!!!

 一瞬の判断。

 騎士団長としての勘。


 それに救われた。




 飛び散り、地面に突き刺さる聖剣。

 荒れ狂う空気。

 焼け焦げる野原。

 軋む聖結界。



 それが意味するものは爆発の破壊力。



 そしてその爆発は

「あちゃー魔力の加減ミスったな、これ。はぁ、また【HPポーション】かけないと」

 と、《《無傷で》》歩いてくる少女の化け物じみた力を示すのには十分だった。



「お、お前……」


「あ、フォイル。無事だった?ごめんごめん、加減ミスったわ」


 何呑気に言ってんだこいつは……。



 ◇◇◇◇◇

「あちゃー魔力の加減ミスったな、これ。はぁ、また【HPポーション】かけないと」

 魔石を作るときに注ぐ魔力が多かったのか、はたまた着火の時に注ぐ魔力が多かったのか。ふむ、わからん。


 てかビビったわ。

 ≪天使の抱擁≫から爆発ギリギリの魔石をぽいっ、ってしてなんにも音がしないから『不発かなー』って見たらこれよ。


 ひぇー恐ろしい。自分が。


 ふと前を見ると聖結界に守られたフォイルが。

「あ、フォイル。無事だった?ごめんごめん、加減ミスったわ」


 と声をかけてみる。

 すると、何呑気なこと言ってんだ?みたいな顔をした。

 多分あってる。


「あれ、フォイル。聖剣どうしたの?」

 手に聖剣が見当たらないので聞いてみる。


「お前があの爆発で吹き飛ばして、そこら辺に散らばってるよ。多分もう使い物にならねぇ。欠片を増やせば増やすほど耐久が下がるからな」


 ちら、と後ろを見ると確かに爆心地から放射円状に剣の欠片が地面に突き刺さっている。


「あーそれはごめん。んで、どうする?武器なくなったけど勝負続ける?」


「流石に武器なしでお前に勝てると思うほどバカじゃねーよ」

 そう言ってフォイルは両手を上に掲げ降参のポーズをとる。


 こうして私とフォイルの二度目の勝負に決着がついた。

 これで一対一。

 とりあえず引き分け。

 ま、もうあいつに勝ちは譲らないけどね。


「それと……≪刃物(ナイフ)≫、【聖剣】。ほい、これ使いな」


 私は聖剣を生成し、フォイルに渡す。


「は!?……ありがとう。でもお前スキルで聖剣も作れるとか……はぁ。もういいや疲れた」

 最後に今までで見たことないぐらい呆れた顔をされた。

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