第52話 属性(以下略)─5 聖属性
「次は聖属性なんだけど、聖属性って魔石とかが無いんだよね」
特殊2属性である魔属性も魔石はない。by検索様
「あ、そうなんだ。じゃあ、どうやって調べたらいいんだ?」
「んーそうなんだよねぇ。自然にスキルが発現するのを待つしかないのかなぁ?」
私も発現したのはほんとにたまたまだしね。
「んーなら今日の魔法属性の測定は終わりかな?」
「うん、そうなるけど一応フォイルにも聞いてみよっか」
「おーい。フォイルさーん」
私はフォイルの頭を殴った。
「ってぇ?!何すんだよ、リーン」
あんたがいつまでも復活しねーからだろ、と心の中で言っておく。
「あーそーゆーのいいから早くこっち来て」
フォイルの手を引いてハヤトの元へ。
「そーゆーのってなぁ……」
ほい、到着。
「全部終わってあとは聖属性だけなんだけど、聖属性って魔石とかないじゃん?だからどうやって測定したらいいのかなって」
そう言うとフォイルは残念そうな声を漏らした。
「え、終わった??まじで?結果は?」
「うん。終わった」
「結果はね、基本4属性は問題なく。そして上位の方は光だけだったね。ま、光属性の適正ヤバかったけど」
あれはおとぎ話とかに出てくる勇者並みのヤバさだった。
これでもし聖属性使えちゃったら本物の勇者だよ。
「なるほど……それで聖属性の測定方法だよな?これは騎士団でも行っているものなんだが、聖剣を持ってもらうのが一番手っ取り早いんだよな」
「なるほど。聖剣をね。確かに持った感じで適正はわかると思うけど」
聖剣やら魔剣やらは持ち主を選ぶ的なものがあるからね。
ん?ならその持たせる聖剣っていうのはどこで用意すればいいんだ?
「リーンは疑問に思ったようだね。聖剣は持ち主を選ぶ。故にハヤトに持たせる聖剣は俺たちのでは貸せないと」
「まぁ、思ったけどね」
「それで、どうするの?」
そう聞かれてフォイルは体を聖のエネルギーで満たし、空中から一振りの聖剣を取り出した。
「こいつの名は聖剣『フレンズ』。その名のおとり人々の友情や、愛情から生まれた聖剣だ。故に聖属性の適正がある者なら誰にでも扱える」
聖剣『フレンズ』。名前は聖剣としてどうなの?って感じだけど、剣から放たれる圧倒的なまでの聖のオーラは本物だ。
「ハヤト、持ってみろ」
そう言ってフォイルはハヤトに『フレンズ』を渡す。
ハヤトが持った途端聖剣はさらに光り輝き、聖のオーラを増す。
「おぉ、これが聖剣。すごい魔力……そしてこれが聖のエネルギーなのか……?」
聖剣を手にしてみて聖剣の凄さを実感しているみたい。
「ハヤト、それ私にも持たせてくれない?」
見てると私も持ってみたくなってしまった。
「いいよ。まず俺のでもないしね?」
そう言って快く渡してくれる。
私が剣の柄に触れた途端に眩い光が走り、光球が私の周りを飛び交っては剣に戻るを繰り返す。
「ふふっ、この子人懐っこいみたいね。まるで犬みたい」
可愛かったのでよしよしと剣を撫でると、さらに溢れ出す光球の量が増えた。
それを見ていたフォイルとハヤトは二人で同じ言葉を漏らした。
「「リーンは聖属性でもチートなんだな(ね)」」




