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第5話 え、引かないで?

第5話になります!

「んで、落ち着いた?」


「落ち着いた、うん。まだびっくりはしてるけど」


 びっくりする気持ちも分かる。わかるんだけど、本人より驚くってなによ。

 そこ、そこが言いたい。


「スキルの進化って珍しいものだけど、そこまで驚かなくていいんじゃない?」

 ここはきっちり文句を言っておこう。


「確かにそうだけど、でも……」


「でも?」

 まだ何か気になる事でもあるのかな?


「身内っていうか、こんな近い存在っていうのもあるけど、≪生活魔法≫が進化するって聞いたことないじゃん?」


「確かにそうだね。だって熟練度上げるの大変だもん、このスキル。そうカンストしそうにもないし。」

 この環境にいた私でさえ2年以上かかってるもんね。


「そうそう、それにスキル進化って熟練度をカンストさせた時に稀に起こる事……」

 フォイルが途中で黙る。どうしたんだろ。


「ちょっと待って?リーン。君は≪生活魔法≫の熟練度をカンストさせたんだよね?」


「うん、そうだけど?」

 何を今更。カンストさせたから進化してるわけでしょ?


「知ってる?生活魔法の熟練度の上限値」


「知らないわ、そんなの」


「【世界スキル研究機構】でさえ《《上限値計測不可能》》と言い切ったほど高いんだ」


「え、マジ?」

 今度はこっちが驚く番だった。


「マジ。全世界の住民が会得出来るレア度の低いスキルだからと言われているけどね。」


「やっぱ私運ないなぁ。授かったスキルがこれとはね」


「ま、まぁ、そこは気にしないで行こう?スキル進化したわけでしょ?」


「ま、そだね。お陰で冒険者をまた目指せるんだし」

「あ、進化って言えば、私、今なら≪生活魔法≫の熟練度見れるかも」


「それは本当かい!?リーン!!」

 うおっ、いきなりびっくりするじゃん。


「マジマジ。ってか近い。離れて」


「割とガチな声色で拒否されるの辛い」

 萎れているのは無視しよう。


「私の進化したスキル、≪生活魔法:カスタム≫に、≪解析鑑定≫っていう権能が追加されたの。これを使えばワンチャンあるかなって」

 そう、この≪解析鑑定≫。説明を見る限り何でも鑑定出来そうだなって思って。


「早速使ってみてよ!!」


「そう急かさないでって」

「≪解析鑑定≫」



 鑑定画面から≪生活魔法:カスタム≫を選択してっと。

 お?『前スキルの詳細を表示』ってあるぞ。

 ほい、ぽちっとな。


───────────────

≪生活魔法≫

 生活に役立つ権能をお届け♪

 これは君への特別版だぞっ


熟練度:180000/180000

───────────────


 じゅうはちまん?

 見間違い?


 んー何回見ても18万のまま。

 あはは。

 2年ちょい、約3年でこれだけの経験値を。

 と、なると1日で……160ちょいぐらい?


 っておい!

 スキルの1回の使用で増える熟練度って一桁じゃなかった!?

 いくら私が色々な権能を使ってたとしてもこれはヤバい。


 改めてこの職場がブラックだったってわかるね。


「リーンさーん?おーい」

 なんて考えてたら、スキル進化の立役者(諸悪の根源)が話しかけてきた。


「ん?なに?」


「こわっ!リーンさーん、目が怖いですよー」

 いけないいけない、つい殺気を。


「それで、見れたの?熟練度」


「一応見れたよ」


「どうだった?」

 さぁ!聞いて驚け!

「18万だってさ」


「へぇ~18万ね~」

 あれ?驚かない?

「ん?18万?……え?」

「本当だよね?それ」


「当たり前じゃん、嘘ついてもしょうがないし」



「そうか…………」

 え、なに。沈黙が怖いんだけど。


「リーン、それをカンストは引くわ」


 え?なんで引かれたの?



───────────────

 なお、セバスチャンは驚きすぎてまだ戻ってきていない模様。

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