第37話 やはり、おかしい
私のスキルのバグっぷりを再確認したところで休憩タイムに入った。
「うんうん、リーンの焼いたクッキーは美味しいねぇ~それに紅茶も」
「ま、全部スキルのおかげだと思うけど?」
紅茶は知らんけど、クッキーは料理スキルの力だと思う。
「違うね、リーンの俺への愛だね」
なーんてキモイ顔で言ってきやがる。
顔はイケメンなんだけどね。
表情っていうか、雰囲気がね。キモイ。
「キモイ、ぶっ殺すよ?」
「ごめんごめん……あの、マジな顔は俺でも凹むからやめよ?」
結構マジな顔をしてたらしい。
おっと、抑えないと。
そんないつものやりとりをしつつ、緩やかに時間は過ぎていった。
「あ、そうだリーン。こんなものを手に入れたんだが使ってみてくれないか?」
と、一枚の紙を私に差し出してきた。
「これは?」
「この紙は『ステータス測定紙』っていう物だ。その名の通りステータスを見るアイテムだな」
ステータスを?なんで今更。
「なんでそれを私に?」
「自分のステータスなら見れるし、わざわざ紙にしなくてもフォイルになら伝えるけど?」
「確かにそうなんだけどね、このアイテムはレア度が高いほど詳しく結果が見られるんだけど、稀に隠れスキルなんかも見れちゃうんだ」
言った後のキメ顔である。
「へえ、なるほどね」
そう言いつつ紙を受け取り、魔力を込める。
すると紙の上に魔法陣が光の線で描かれた。
「おぉ……すご」
その光がやむと今度は紙の上部からすらすらと文字が書かれ始めた。
表記が増えていたものをピックアップするとこうだ。
≪魔法図書≫
効果:
・一度自己に受けた魔法を一定確率で習得する。
・魔力総量+10%
・魔力回復速度+10%
これ、なかなか凄くない?
初見の魔法でも使えるようになる確率があるもんね。
んで、次。
≪刃物≫
【カスタムメニュー】
・聖剣
これは納得の結果。
のこり二つの黒塗りは……想像出来ちゃったけど、口にするの怖いしやめておこうかな。
≪保存庫≫
【カスタムメニュー】
・異空間家屋
・空間魔法【lock】
これも分かってたことだよね。一つ目はね。
二つ目は知らん。
元々黒塗りだったし。
伝説の魔法使いも持ってた気がするけど、知らん。
知らねー。
次がラスト。
≪火炎庫≫
【カスタムメニュー】
・獄炎魔法【lock】
私は何も見ていません。
獄炎?なんすかそれ。
検索様には『地獄にて燃え盛る炎』なんて書いてあるけど知らないね。
すんごく危ない匂いがするけど知らないね。
私なーにも知らないなぁ。
この結果を見て、検索様の結果を伝えて固まっているフォイルも知らないねー。
やっぱおかしいよなぁ、私のスキル。
追記。
その他ステータスは普通でした。
────魔力量を除いて。




