第35話 パーティーメンバーが、増えた
「さ、これで俺の実力も分かったと思うけど、どう?」
あーーーー腹立つぅぅぅ!!
ニマニマしやがって!
「確かに分かったけどさぁ?」
「あ、負けて悔しいの?(にまにま)」
あ゛?
「うぐぅ……」
あ、やべ。腹パンしちった。
「強いんでしょ?さっさと立てばぁ?」
しっかり鳩尾を打ったのを分かって煽ってあげる。
わー性格わるーい。
たっぷりと数十秒後。
「ごほっ、マジで許さん」
鳩尾一撃の余韻から復活したフォイル。
「団長様がそんなんで良いんですかねー?」
「さっきあなたが《《負かして》》、散々《《煽った》》相手に《《一撃》》もらっただけで倒れちゃって良いんですかぁ?」
あぁ、本当に性格悪いな私~。
「ごめんって。さっき煽り散らかしたことは謝るから怒らないでよ」
「うそうそ、怒ってないからさ。ほら、さっさと立って」
フォイルに手を差し出す。
「怒ってたじゃん……っと!ありがとな」
ぶつぶつ言いながらも私の手を取り立ち上がる。
そして。
「じゃあ、ギルド行こうか」
「ま、そうなるよね」
多分私の顔には満面の笑みが浮かんでる。全力の諦めの笑みが。
さぁ!やってまいりました!冒険者ギルドー!
今回私は~パーティー登録に来ています!!
私はどこでしょーか?
10…9…8…………0!
こっこでーす!こっこ、こっこー!!
私は今、周りの人に好奇心の目を向けられていまーす。
それはなぜか!
魔族ぶっ殺した新人が?男連れてるんですもん。
しかもその男って言うのが?
イケメンで?
背が高くて?
領主の息子で?
騎士団長?
そんな二人が仲良く?パーティー登録。
そーりゃ注目も浴びますわ。えぇ。
周りの目に耐えつつ、私は愛しのシリカちゃんとのティータイム。
あぁ、明日も生きていける。
そして、登録を終わらせたフォイルがこちらに向かってくる。
「やっ、君がシリカちゃんだね?今日からパーティーメンバーとしてよろしく!」
「そして、いつもうちのリーンがお世話になってます」
こいつ、外面はいいよな、ほんと。
惚れ惚れしちまうぜ。
「うちの……?え!?もしかしてリーンちゃんの彼氏だったの!?」
「違うからね?!」
シリカちゃん何言ってるの!?
「そうそう。よろしく~」
「お前も悪ノリすんなや!」
「はぁ、はぁ……。あのね、シリカちゃん。私いつもメイド服着てるでしょ?こいつの屋敷でメイドとして働いてるのよ」
「あ、そうだったんだ!てっきりリーンちゃんの趣味なのかと思ってたよ~」
「うっそぉ……」
「えへへ、ごめんね?」
「うん、許す」
そんな顔で見られたら許すに決まってるじゃん。
「よし、みんな仲良く頑張ろうな!」
そうして私たち3人のパーティーの活動が開始したのである。
その名も─────
【血塗れた騎士】
誰がつけたんだこの名前。




