第29話 事件の、結末
お久しぶりです!
更新遅くなって申し訳ない…
「ん……」
ここはどこ?
視界は白いし、目が霞んでよく見えない。
あ、もしかして天国?
「リーンちゃん!!目が覚めたんだね!!」
天使が居た。やっぱ天国じゃん、ここ。
天使が私に抱き着いてきた。
その体は暖かくて……あぁ、生きてるんだな、私。
「おはよう、シリカちゃん。無事でよかった」
体に傷も見受けられなさそうで安心した。
「リーンじゃぁぁぁん!!よがっだよぉぉぉ」
シリカちゃんは私に抱き着いたまま泣き出した。
これもまた豪快な泣き方だね。
「ごめんね、心配かけちゃったよね」
そう言いながらぽんぽんっとシリカちゃんの頭を優しく撫でる。
「心配だったよぉぉぉ……だってリーンちゃん丸1日寝てたんだもん」
「えっ……??丸1日?」
丸1日も寝てたのか……。
「治療魔法使いの人は多分魔力切れと疲労の蓄積だと思うって」
「あと、どうやったら1週間も働き続けたみたいな疲労の蓄積になるんだとも言ってたよ」
「あーーなるほどね」
いくらポーションで誤魔化したところで疲労は残るしね。
てか、初めてのダンジョンであんなことがあってよく生きてるよ、私。
さっき誰かと会った気がするけど気のせいかな……。
曖昧だね。
何か話した気もするけど、んーわかんないや。
そこからは色々話を聞かれた。
そして、ギルドマスターのゴンドウがあの魔族の器になっていた子の話を聞かせてくれた。
彼女、ルアは元々シリカちゃんのパーティーメンバーで、数年前に解散したらしい。
原因は彼女の性格にあったとのこと。
それでルアは現在、シリカちゃんのパーティーメンバーである私に魔族の器と成りえるほどの憎しみを抱いていたと。
私、巻き込まれた感じだよね、かわいそ。
まーシリカちゃんのお願いともあって許してあげるけどね。
行方不明らしいけど。
てか、死んでるけどね。
私がガリアを倒した時にルアの身体は残らなかったし。
多分、完全同期した時にガリアの身体となったから消えてしまったんだろうね。
ゴンドウさんの話を聞いた後は、私たちを助けてくれたAランク冒険者のシグルさんがお見舞いに来てくれた。
彼らには感謝しないと。
いくら私が周りのモンスターを倒したと言えど、再出現したモンスターに気絶してた2人ともやられてたかもしれないからね。
今回の事件は私が目覚め、無事であったことで終わるかと思われた。
しかし、最後の最後に《《とっておき》》の事件が待っていたのだ。
それは私がシグルさんが換金してくれていた分を受け取りにギルドへ行ったとき。
周りの冒険者が私をチラチラと見ては隣の人と話す。
それが至るところで行われているのだ。
「なに?感じ悪」
そう言いつつ、≪五感強化≫を聴力に振り分け発動。
「あれが《《噂の》》新人だってさ」
「あのメイド服か?」
「そうそう。あの血塗れたメイド服の娘だよ」
「周りのモンスターを狩りつつ、魔族をも弄ぶ天使らしいな?」
「そうそう。見た奴によれば神々しい甲冑も着ていたらしいぜ?」
「あーそれであの《《二つ名》》か」
!?!?
今聞き捨てならんことを聞いた気がする。
二つ……名!?
たったあれだけの事で大げさすぎない!?
変なの付けられてないよね?
「そうそう、あのシグル先輩が命名したってよ」
おい、シグル……。
私の感謝の気持ち返そうね?
でも、それは聞いてからだね。
すーーーはーーー。
よし来い!!
「【血塗れた戦乙女】と言うそうだ」
シグルぅぅぅぅ!!
あんたはマトモだった、良かった!
尊敬します!先輩!!
「ぶくしゅん!!」
「うわっ、どうしたんすか、シグル隊長」
「いやーこれは誰かに噂されいるな、多分リーンの二つ名の事で」
「まぁ、今回はマトモっしたもんねー。いつもはもっと酷い」
「んなっ!!みんないつも感謝してくれているぞ??」
「本人に直接言える訳がないじゃないですか……」
「うそ、マジで?」
「そう、マジで」
この世界の住人はみんな厨二。




