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メイドちゃん、冒険者始めました!!~スキル≪生活魔法≫も極めたら存外最強!?~  作者: こんぶもずく
第2章 さぁ、冒険者を始めよう
23/71

第23話 私は、友達のために

 戦う。

 そう決めたらやるしかない。

「≪身体強化≫!脚力、腕力集中!」

「≪五感強化≫!視覚、聴覚集中!」


 強化シリーズはMAX値を振り分ける。

 だから今は脚力と腕力に+50%ずつ、視覚と聴覚に+50%ずつの強化を施した。


 これでいい。

 他は強化しなくてもいい。

 私にはこれが最善解だと思えた。


 でも、まだ足りない。

 Cランクのシリカちゃんを軽く打ちのめしてしまうルアはきっとC以上。

 今の私じゃ勝てない。


 なのになぜ強化を施したのか。

 これは元からルアと戦うための強化じゃない。


 ここはダンジョン。

 つまりモンスターの巣窟。

 いわば、《《経験値の巣窟》》なのだ。


「フッ!!」

 私はルアには目もくれず、周りのモンスターに駆ける。


「なに?散々煽っておいて逃げんのかよ」

「残念だったな、シリカ。アンタのメンバー逃げたよ?」

「見捨てられちまったなぁ、ざまぁないね!!」


 でも、シリカちゃんがやられないように立ち回る。


「≪火炎庫(コンロ)≫、【炎魔法:ファイアボール】!!」


 飛んでいった炎の玉はルアに当たる直前、彼女から発せられた炎の壁に防がれる。


「チッ、ちょこまかとしやがって!!」


 ルアは炎を鞭のように伸ばし大振りの一撃。


 来るとわかっていれば躱せる。

 私は後ろにステップを踏み射程から逃れる。

「あ゛あ゛腹立つなぁぁぁ!!!」


 よし、こっちに気が向いた。

 この間も周りのモンスターを狩ることを忘れない。



 そんな攻防が続く。


 もう何分こうして走ってる?

 シリカちゃんは……大丈夫、気絶してるだけ。


 ≪身体強化≫と≪五感強化≫のレベルはそれぞれ6上がった。

 けど、まだ足りないのか……!!


 キュポッ。

 何本目か分からないMPポーションを飲む。


 そしてこれも何本目か分からない鉄剣を生成。


 だんだん足に疲労が溜まってきた。

 でも、足、止めるな!!


 目の前のゴブリンを切り伏せる。

 何体も何体も。


 そして、ルアに炎魔法を飛ばす。

「あぁ!もう!鬱陶しい鬱陶しい鬱陶しい鬱陶しい!!!」

 ルアはさっきから私に攻撃が当たらなくなってきて焦ってきてる。


 敵はこうも崩れてきているのに手を出せない。

 くそっ、シリカちゃんを今すぐにでも回復させてあげたいのに!!



 そしてその時はやってきた。

『≪身体強化≫及び≪五感強化≫がLv.8になりました』


「きたッ!!」

 私は直感的にルアと同じステージに立ったことを悟った。


 同時にルアも何かを感じたのかこちらに振り向く。

「ルア!!これで終わりだぁぁぁっ!!」


 地面を蹴る瞬間脚力の強化を+100%に。

 全力で蹴りだす。


 まるで一本の矢のように私の体はルアへ一直線で飛んでいく。

 途中で腕力の強化を+100%に。


 私は剣を全力で振りぬく────



 ────はずだった。



 あり得ない程の力で横方向に薙ぎ払われる体。

 とんでもない負荷が私を襲う。


 ドォォォォォォォォォン!!!!!


「かはっ……」


 肺の中から空気が抜ける。

 息ができない。


 うそっ、何が起きたの?

 私の剣はちゃんとルアに届くはずだったのに。


「きゃはっ♪壊れちゃった?死んじゃった?」

「今、殺せるって思ったでしょ?」

「残念だったね?あははっ♪」


 霞む視界で捉えたのはルアの背中から生える、黒光りの《《三本目の腕》》。


 私はそこで意識を手放した。

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