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メイドちゃん、冒険者始めました!!~スキル≪生活魔法≫も極めたら存外最強!?~  作者: こんぶもずく
第2章 さぁ、冒険者を始めよう
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第21話 初めての、ダンジョン

 パーティー登録がギルド本部に受理されるのに1日かかるらしく、次の日である今日、私はパーティーメンバーとなったシリカちゃんとギルドで説明を受けていた。


 そして、正式にパーティーとなった私はシリカちゃんと一緒に受ける依頼を探す。


「どう?リーンちゃん、なにか良いのあった~?」


 私は昨日見つけていた例のダンジョンの紙を見せる。


「初心者でも大丈夫、か。良いね!これにしよ!」



「ごめんね、シリカちゃんには物足りないかもだけど」

 そうシリカちゃんのギルドランクはC。

 そんなシリカちゃんがFランクのダンジョンに潜るとなれば物足りないだろう。


「んーん、そんなことないよ。私はリーンちゃんと一緒ならどこでも楽しいからね!」

 ……泣きそ。



 それからカウンターで手続きをして、ダンジョン探索許可証とやらを貰って私たちはFランクダンジョン:『はじまりのダンジョン』へと向かった。



「ダンジョンってこんな感じなんだね」

 ダンジョン。

 原理は分かっていないが急に出現する洞窟。

 そこには数々のモンスターが住み着いており、その住み着いているモンスターの強さによってランク分けされる。

 ここ、『はじまりのダンジョン』は比較的弱いモンスターが住み着いているのでFランクダンジョンとなっている、らしい。


 そしてその入り口を入ってすぐ、私は先に広がる景色に魅了された。

 入口の大きさからは想像できないほどの広い空間。

 所々で光る迷宮苔や夜光石。

 そして、足元を流れるきれいな水。

 それらすべてが相まって、ここがダンジョンだとは思えない風貌を成していた。


「うん、綺麗だよね~。私も初めてダンジョンに潜った時には驚いたんだ~」

 やはり、誰しも一度は目を奪われるみたいだね。



「ギャ!!グギャギャ!!」

 お、モンスターのお出ましだね。


 ≪解析鑑定≫!!


────────────

 ゴブリン(剣士) Lv.5


 ゴブリン(タンク) Lv.6


 ゴブリン(弓兵) Lv.4

────────────


 現れたのは3体のゴブリン。


 メイドギルドの講習で一度ゴブリンとは戦ったことがある。

 だから、あまり強いというイメージはない。


「≪刃物(ナイフ)≫、【鉄剣】!」

 私は鉄剣を作り出し、ゴブリンへと向かっていく。


「リーンちゃん、頑張れ~!」

 シリカちゃんも応援してくれているし、頑張ろ!



 数分後。

 3体のゴブリンは私の前で塵となっていた。

 そして、そこには3つの小石サイズのものが残る。


「リーンちゃん、お疲れ!」

「はい、それと魔石!」


 ゴブリンの塵となったところに落ちていたのは魔石。

 モンスターの核とも言える物で、モンスターを倒すと今回のようにドロップする。


「ありがと、シリカちゃん」

 そういって私はその魔石を≪保存庫(ストレージ)≫に仕舞い込んだ。


「じゃあ、私も頑張ろうかな~」

 そう言ってシリカちゃんはモンスターの元へ駆け出していく。


 って、早ッ!?

 一瞬でモンスターの所に……。

 あの細い足からどんな力が出てるのかな?


 次の瞬間、モンスターが爆発した。

「きゃっ!」


「シリカちゃん!?」

 私の元にシリカちゃんが吹っ飛んでくる。

 私は即座に動きシリカちゃんを受け止めた。


「危ない……でもなんで急に」

 モンスターが爆発したところへ目を向ける。

 もうもうと立ち込める煙の中。

 うっすらと人影が見えてきた。


「リーンちゃん、逃げ……て」

 シリカちゃんが私に逃げて、と言う。

 でも、無理だ。

 シリカちゃんを抱えながら逃げるなんて出来るのか?

 シリカちゃんを置いていくなどもってのほかだし。



 そして、後に私は思う。

 ───人間の憎しみほど恐ろしいモンスターは居ないと。


「あはっ、シリカちゃん♪」

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