表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メイドちゃん、冒険者始めました!!~スキル≪生活魔法≫も極めたら存外最強!?~  作者: こんぶもずく
第2章 さぁ、冒険者を始めよう
18/71

第18話 お母さん、天国はここにありましたよ

 ドアをくぐるとそこにはたくさんのスライムと楽しそうに遊ぶシリカちゃん。

 ……ではなくスライムに纏わりつかれてびしょ濡れのシリカちゃん。


 てか、ちょっと服溶けてない?

 やばくね?


「リ、リーンちゃんヘル、プ」


 っと、これは本格的にヤバいやつだ。


「コラ、あんた達、私の友達から離れてね?」

 最後にとびっきりの笑顔をプラス。


 ズザァァァァ。


 まるで波打ち際のように部屋の隅に引いていくスライムたち。

 私のそばにいたヒナもぶるぶると体を震わせている。


 そんなに怖がらなくても……。

 少し凹みながらシリカちゃんの元へ。


「結構濡れちゃったよ~」

 確かに、彼女は全身びしょ濡れ。

 早くお風呂に入らないと。


「ごめんね、シリカちゃん。スライムたちも遊びたかっただけだと思うし、私がもう怒ったから許してあげて」


「う、うんそれはわかったよ」

「それより……くしゅっ、お風呂に入りたいかな」


「だよね!早く行こっか!」

 とは言ったもののお風呂、どこ?


 私がお風呂の場所が分からず、あたふたしていると、スライムの中の一体、若草色の子が『こっちだよ!』とでも言うようにぴょん!と跳ねた。

 その子について行くと、無事お風呂場に到着。

「ありがとね」

 と撫でるときゅ!と一鳴き。

 やっぱ可愛いわ、スライム。


 でも、他の子をあまり可愛がりすぎるのはやめよう。

 さっきからヒナが嫉妬の目線(目の場所わかんないけど)をこちらに向けているから。


 そんな事を考えつつ、お風呂を沸かす私。

「≪お風呂≫、えっと、【リニュー温泉】」

 すると、お風呂のバスタブの中が少し濁った白いお湯で並々と満たされた。

 温泉独特の匂い。

 私は別にこの匂い嫌いじゃないなとか考えながら振り返った。


 そこには天使が顕現していた。


 シミ一つない白い肌。

 そして────ふーん、シリカちゃん着痩せするタイプなのね。どこがとは言わないけど。

 母性を感じさせる部分とでも言っておこうかな、うん。


 あまりの美しさに私の思考は遥か彼方へと吹っ飛び、ただただ見つめていた。


「あまりじっと見られると恥ずかしいよ?」


 お母さん、ここに、ここに天使はいました。


「それに、リーンちゃんも一緒に入るんだよ!?」


 !?

『司令官!!脳の回線がショートしました!』


『原因はなんだ!?』


『原因は天使の降臨か……と……』


 プシュゥゥゥゥゥ……。


 私の頭の中の司令室でも対処不可能らしい。



 そこから私の記憶は曖昧になっている。

 美しい天使と混浴した気がする。

 気のせいかな?

 でも、記憶の中の私も楽しそうにしているではないか。


 あれ、曖昧?

 現実を受け止め切れていないだけではっきり覚えてるわ、これ。


 その後、二人で家を探検して、スライムたちと遊び、二人で一緒に寝た。

 シリカちゃんが≪目覚まし≫を試したいと言うからシリカちゃんにもかけてあげた。

 多分明日の朝、目覚めの良さにびっくりするだろうな~。


 あー楽しかった~。


 おやすみ、私。

 おやすみ、ヒナ。

 おやすみ、シリカちゃん。



 その後、3時間。私がスキル≪睡眠≫の存在を思い出すまで寝れなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ