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第1話 疲れたメイド

カクヨム掲載のものをこちらにも……。

 私はリーン。

 屋敷でメイドとして働いてる元気な18歳!

 嘘です、元気じゃないです今すぐにでも辞めたいです。


 え?なら辞めたらいいじゃないって?

 はは、そんなの無理ですよー。

 だって、ここ領主様の息子の屋敷ですもん。

 前に辞表を突き出したら領主様も出てきて辞めないでくれって頼まれたら辞められるわけがないじゃないですか。

 一応私にも良心ってものがありますからね。


 メイド1人ぐらい辞めたところでって感じがするけどね?


 なんとこの屋敷、メイドが一人しかいないんすわ、マジで。

 というか、従業員が私含めて2人しかいませんからね!


 マジでこのバカ息子、権限を振りかざしてメイドやら庭師やらコックさんにセクハラするもんだからもう従業員が辞める辞める笑

 まー笑い事じゃないんだけどね、うん。

 気づいた時には時すでに遅し。


 ある日、寝る前に同僚の子が

「リーンごめん!」

って言ってきたもんだからさ、

「えーいきなり何ー?」

って返してそのまま寝たの。

 んで、次の日の朝起きたら同室のその子はいなくて、隣の部屋にも誰一人いなくなっててさ。

 あ、昨日のことはそういうことだったのね、って。

 それに、メイドだけじゃなくてセクハラ被害にあっていた庭師、コック等々みーんな辞めてました……。

 びっくりするのレベルじゃなかったよ?

 あのバカ息子、従業員のみんなに手を出してた訳だし。

 そんなのあの頃の私は知らなかったしね。

 雇う条件に「女性」ってあった時点でおかしいって気付くべきだったよね。



 でも、他に雇ってくれる所があるわけでもなく、ここで働いているわけですよ。

 一応誰でもなれる冒険者という手もあるんだけど、私はもう諦めたからね……。

 それに、みんなが辞めた事件があってからバカもセクハラしなくなったからOKというものです。

 私のスキルはこういう屋敷なんかで働くためのスキルみたいなものだからね。



 あ、スキルっていうのは、15歳になると教会に行って1人につき1つ授かるものなんだけど、その授かったスキルによって将来就く職業が何となく決まるのね。

 私の場合、日々の生活に使える≪生活魔法≫だったから、使用人とかに向いてたの。

 そして、このスキルを活かせる仕事の中でとりわけ給料の高かったこの屋敷のメイドとして働くことにしたわけ。

 いざ働いてみるとこんなクソみたいな職場だとは思っていなかったけどね。

 幼馴染と冒険者になろうねって話してたのになぁ。

 あいつ、元気かな。


 まぁ、今は現実を見てしっかりメイドとして働くしかねーべ!!


 って、誰に話してるんだろうね、私。疲れてるのかな?

読んでいただきありがとうございます!!

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