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石鹸ちゃん

作者: pLan+

【一日目】


石鹸は、人肌を伝えると感情を持ちますよね。


これはあるお家の話。




おっと、さっそく固形石鹸が箱から取り出されました。




「ぷふぅー?」




まだ生まれたばかりなので世界を確認しようとしています。


これから石鹸の成長が楽しみですね。






【二日目】


男の子が石鹸で体を洗っています。




「ほぽ、いもち、ほぽ...。」




石鹸は男の子の体温に反応しているようですね。


とても気持ちよさそうです






【三日目】




「おぽぽぽぽぽぽ。あ...た...あた。」




今日も男の子の体を洗っています。


楽しそうですよ。


そろそろ慣れてきたのかもしれません。






【四日目】


今日も男の子の体を洗っています。




「...きもち...たのし、......?」




石鹸が言葉を発しました。


男の子に興味を持ち始めたようです。






【七日目】


今日も男の子の体を洗っています。




「ぁぽ、あたた...だめ......。」




おや、石鹸に変化がありました。


どうやら男の子が擦り傷をしているようです。


擦り傷に反応して痛がっているようですね。






【十日目】


今日も男の子の体を洗っています。




「ぁぱあ...じゅあぁ......。」




泡立った石鹸が弾けているのが楽しそうです。


石鹸は趣味を見つけたようですね。






【十一日目】


今日は石鹸は誰も洗っていません。




「.........?」






【十三日目】


今日は男の子を洗っています。




「いい...にぉい...いぃ......。」




石鹸は新しい匂いが好きなようですね。


男の子は家族旅行に行っていたようです。


汚れた皮膚を石鹸が洗い流しています。






【十四日目】


今日も男の子を洗っています。




「くぁ...?どしぃ....?」




石鹸が男の子を心配しているようです。


男の子が落ち込んでいますね。


まだまだ観察していきましょう。






【十五日目】


今日も男の子を洗っています。




「ふぁぁ...よ...、かたぁ...。」




石鹸が嬉しそうですね。


男の子が元気に戻ったようです。


良かったです。






【十七日目】


今日も男の子を洗っています。




「ふぅ...ぁぁぁ...ふぁぁぁぁ......。」




石鹸が男の子の手の中にいます。


安心して落ち着いたのでしょうか。


とても眠そうです。






【-二十四日目-】


今日も男の子の体を洗っています。




「......」




--いえすみません間違えてしまいました。




【十八日目】


今日も男の子を洗っています。




「あぁ、やだぁ...。」




爪に入っている泥を触るのが嫌なようです。


言葉もよく覚えてきていますね。


石鹸が成長しています...。






【十九日目】


今日も男の子を洗っています




「...なー...ななー......?」




石鹸が男の子に話しかけいます。


男の子は気づいていないようです。


自分からコミュニケーションを取ろうとしたのは初めてですね。


次の日も観察しましょう。






【二十日目】


今日も男の子を洗っています。




「えへ、えへへへ......ふぅあ!」




石鹸に落ち着きがないですね。


どうやら丁寧に触られてくすぐったいようです。


すっかり男の子を好きになってしまったようです。


...石鹸は婚約などを考えるのでしょうか。






【二十一日目】


今日も男の子を洗っています.




「きもち...いぃ、ふぁぁ......くぁ!!いてッ!!!!」




石鹸が指の隙間から落ちてしまったようです。


このまま水に流されてしまいそうです。




「あぁ、やっ...や......、あ、よか...たぁ......。」




あ、どうやら排水溝の蓋に引っかかっただけのようです。


あともう少し小さかったら間を抜けていたかもしれません。


とりあえず石鹸が無事で良かったです。


これからも観察を続けていこうと思います。






......まだ【二十一日目】


今日は排水口の蓋に引っかかっています。




「たす、たすけ......て...て......。」




おや男の子はドアの向こうに行ってしまいました。


石鹸に気づいていないのでしょうか。


石鹸は今にも流されそうです。




---------男の子が戻ってきてくれました。


手になにかを握っています。


まずお湯を止めてあげないと、拾う前に溶けてしまいそうですね。




「...はやぁ......、くいぁ......。」




石鹸は泣いているのでしょうか。


しかし何故か大量に謎の泡が押し寄せてきます。


石鹸が必死に自分の存在を知らせようとしています。




「あぁ...あぁぁ..............。」




石鹸はどこか乾いたような言葉で、虚ろに、排水口に流れ落ちてしまいました。


...もう戻ることはないでしょう。


私も残念に思います...。










【二十二日目】


今日も石鹸は男の子を洗っています。




「...こ...わい...。」




石鹸は怖がっているようです。


とてもきれいに言葉を発しますね。


観察していきましょう。

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