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この作品は別サイトで初めて完結させた思い出深い作品です。読む人によっては王道な展開だと思われるかもしれません。
また、R15は保険です。
※この二人の話が合わないと感じたら、そっとブラウザを閉じてUターンしてください。
僕が目を開けると、そこには最愛の京香の姿は見当たらなかった。
*
どこに京香がいるのだろうか、と僕は手当り次第に京香がいそうな場所を探しに行く。京香と一緒に行こうと約束したショッピングモール、高校の頃によく寄り道したコンビニ、初めてキスをした思い出の公園。
京香と過ごした時間の場所は鮮明に全て覚えている。僕にとって大切な人と過ごした場所なんだから忘れるわけがない。脳裏に無邪気であどけなさが残る笑顔と、気恥ずかしそうに、けれどよく通る声音で僕を呼ぶ愛おしい顔を思い浮かべながら、ただ必死に京香の名を叫びどこにいるのかと探し回る。
けれどいくら探し回っても、京香は見つからない。
彼女はいつだって僕の右横にいた。離れず寄り添うようにして、僕の右肩にくっついていた。ずっと彼女と一緒だったから、もう僕の半身のような存在だったのに。その感触が全くない今の僕の右肩は、どこか寂しそうで泣いているように思える。
京香、お前は今どこにいる?
彼女を探し始めて漸く上を向くと、空はすっかり茜色に染まっていて日が暮れてきていた。
確か探し始めたのは昼くらいだったから、4時間近く探していたのか。京香が行きそうなところは、全部探したし……どうしてどこにもいないんだ。このまま京香が見つからなかったら……。
そう考えて、ゾッとした。慌てて変な考えを振り払い、京香が見つからない焦りと恐怖を抑えようと、一度家に帰ろうと後ろを振り返る。
───そこで僕は驚く光景を目撃した。
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