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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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他家の恋愛に俺は無関係だったのに

元亀四年(1573年)二月十日

美濃国 柴田家屋敷内にて


「三郎様。私のお顔、此処へ来た時よりも綺麗になったと思いませんか?」


「ああ。徳はいつも綺麗だが、この数日の間に見違える程綺麗じゃ」


「もう。三郎様。三郎様も、この数日の間に体躯は逞しくなって、身の丈も三寸程高くなっておりますよ。他の女子が三郎様を見る目が変わっている事を実感しております」


「たとえ他の女子が言い寄ってきても、儂は徳が一番じゃ」


「嬉しゅうございます。三郎様」


皆さんおはようございます。朝からモデル級イケメンとアイドル級美少女のイチャイチャを見せつけられて、胃にダメージをくらっている柴田吉六郎です


信康さんに呼ばれて部屋に行ったら、徳姫様が居るのは分かるんだよ?ご夫婦だし、同じ部屋に居た方が護衛の者達からしたら、まとめて守れる利点もあるし


だけどさ、それは松平家の皆さんがメインで考える事で、俺達は屋敷内の部屋を貸して外部から敵が来た時に松平家の皆さんと一緒に撃退するだけだから


あまり俺を呼び出さないで欲しいんだけどなあ。今回は何の用事だ?


「朝から済まぬな吉六郎殿」


「いえ。それでどの様な内容でしょうか?」


「いやな、二十日程前の事なのだがな、吉六郎殿の家臣の飯富源太郎殿と弟の源次郎殿が、それぞれ美しい女子を連れながら領内を散策していた様子を徳の侍女達が見ていた様なのじゃがな」


あ〜。あれか。源太郎に一目惚れした光が初日から腕を組みながら、源次郎が花の小悪魔ムーブにやられながらしてたデート風の案内のやつ


「あれが何か?」


「三郎様。ここから先は私が。吉六郎殿!私の侍女も、義母上の侍女も、元々気になる殿方が三郎様の家臣に居たのですが、これまでは自らの美しさに自信が持てず、思いを伝える事が出来なかったのですが」


ですが?何だか嫌な予感しかしませんが


「此方でつる殿の指導と食生活の改善により、肌艶も良くなり、腰回りも細くなって、尻も上がって来た今なら!思いを伝えて、夫婦になる第一歩を踏み出せるはずじゃ!そのきっかけを何とかしてくれぬか?頼みます」


「儂の家臣の中にも、侍女の中に思い人が居ても、自らは武士としてまだまだ武功を挙げるどころか、体躯も細く身の丈も小さいから自信を持てない者がおる。しかしながら、此度の柴田家の訓練に参加して一月になり、逞しい体躯になり、身の丈も伸びた。今なら自信がついていて、後はその様な場さえあれば。頼む吉六郎殿」


そう言うと2人共、頭を下げて来たんだけど、正直言って松平家の家臣同士の恋愛事情に同盟相手の家臣の子供という遠い存在の俺が手出しするのもどうかと思うんだけどなあ


「あの〜。三郎様?そう言った事なら、拙者が何かやるよりも三郎様がやった方が家臣の皆様も喜ぶと思うのですが」


「確かにそうではあるが、儂がやると「主君の命令」の形になってしまう。それは良くない。それに此処は柴田家の領地。右も左も分からぬ土地で好き勝手をやるのは」


つまり松平家の家臣同士の恋愛成就の為に「主君の命令」じゃない形を取りたいから、俺に働けと!しかも、領内の安全なデートコースを記載したパンフレットも作れと!


「分かりました。やりましょう」


「誠か?」


「ただし!松平家の皆様の事なので、石川殿と築山様にも了承を得ないといけません!お二人からの了承が出ない場合は、諦めてくだされ」


「分かった」


よし言質は取った!石川さんは許可すると思うけど、築山様は自分が旦那の為に美貌を磨いているのに会えない現状から、許可しないと思ってる。自分もイチャイチャしたいのに出来ない現状で他所のカップルのイチャイチャなんて見たくないだろ。いや、見たくないに決まってる


と、思っていたんですよ。俺は石川さんに事の次第を話して、築山様へのアポを取ってからしっかりと話したら


「素敵な事ではないか!三郎と徳がその様な事を。自分の事だけでなく、家臣や侍女の事まで考えられる様になるとは。子と嫁の成長とは早いものですね。この事を早く殿に伝えたい」


築山様のテンションが上がってしまいました。完全に目論見が外れましたよ。しょうがない。やりますか!


戦国時代版ねる○んパーティーを開催してやるよ!


元亀四年(1573年)二月二十日

美濃国 柴田家屋敷前にて


おはようございます。松平家の若夫婦のリクエストを叶える為に、動きまくって、デートコースのパンフレットを家臣達と共に作成しまくって疲れ果てている柴田吉六郎です


昭和や平成の時代のねる○んはテレビで見た事しかしないけど、あの時代なら振られてもギャラが出るから我慢して出演するだろうけど、この時代は振られたから刺し殺します。なんて事もありえるから怖いんだよな。これに関しては、開催前にこの中で最高権力者の築山様に、そうならない様にしてもらおう


さて、男女共に目隠しで連れてこられて来ましたね。女性陣は総勢40人。対する男性陣は60人。3人に1人は振られる事になるけど、暴れないでくれよ!?


両陣営とも所定の位置につきましね。では


「それでは目隠しでこちらに来た皆様、目隠しを外してくだされ!」


俺の合図で一斉に目隠しを外したんだけど、外した瞬間、顔が真っ赤になる人が男女それぞれに居ますね。いい反応ですよー!


「さて皆様。本日お集まりしていただいた理由は、あちらにおります松平三郎様、徳姫様の御夫婦より、


三郎様の家臣の皆様は美濃国で鍛えられた事により男としての自信がつき、


徳姫様の侍女の皆様は柴田家の美の頂点であるつる殿の指導により美しくなった事で女として自信がつき、今なら思いを寄せる相手に思いを口に出して、


夫婦としての第一歩を踏み出せるはずだが、その様な場を作ってくれないか?と拙者、柴田吉六郎に頼んで来た次第であります。


いくら家臣の皆様、侍女の皆様の幸せを願う為といえど、元服もしてない、十歳にも満たない童に頼むなど簡単に出来る事ではありません。


そこで!本日は、皆様の思い人が誰か分かりませぬ故、全員参加のお見合いも兼ねた食事会と同時に、


築山様の前にあります、我々柴田家一同が作りました、領内の安全な場所を記した本を手に取り、


気になるお相手と領内の散策をするも良しとした名付けて「合同見合い」を実施いたします」


俺が宣言した後、一瞬静かになった。大スベリしたかと思ったら


「「「「うおおお!」」」」


「「「「きゃああ!」」」」


めっちゃデカい歓声が上がりました


一旦落ち着かせて、改めて築山様へ


「さて、皆。此度は息子夫婦の考えた催し物に参加してくれて感謝しかありませぬ。


この場は、家同士の政略結婚など関係なく、ただ自らが思いを寄せている人へ思いを伝える場じゃ!


家柄なぞ気にしなくて結構!皆に幸せな夫婦になって欲しい。


その願いだけで開かれたのじゃ!此度は男子が多いが、たとえ振られたとて、その者の男としての価値は下がらぬ!


だからこそ、間違っても憎しみから刀を抜くでないぞ!その事だけ、頭に入れて合同見合いの開催を宣言する」


「築山様。ありがとうございます。それでは皆様、それぞれの思い人の元へ動いてくだされ」


で、開始しました、戦国時代版ねる○んパーティー。問題なくカップル成立してくれよ!?

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― 新着の感想 ―
お見合いか! 他の歴史物だとなかなか見ないよねー まぁ、時代背景考えてらしょうがないことだけど^^:
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