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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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貴人を迎えるのも楽じゃない

同日 美濃国 某所


「石川よ。誠にここは大丈夫な場所なのか?岡崎のほうが城も含めて守りも固いと思うのじゃが」


声の主は松平三郎信康。徳川家康の嫡男であり、今回の避難では最重要人物の位置付けである。そして


「若様。殿は織田様とのやりとりで東海道から上洛する武田の反対に、中山道から美濃へ行く事に武田が気づいても、上洛が最優先だから追いかけてこない。と判断したとの事。その中でも信濃国との国境に領地を持つ織田家の重臣の柴田殿の元なら大丈夫だろう。との判断なのです」


そう説明したのは、石川伯耆守数正。徳川家が松平を名乗っている頃から仕えている古参の家臣の1人で、今回の避難のまとめ役でもある


「父上の考えは分かるが、それならばこの人数は相手方に迷惑がかかると思うのじゃが」


そう言って信康は後ろを振り返る。そこには身分の高い女性を乗せる為の籠が2つと、その籠に乗っている女性のお世話をする侍女がそれぞれ10人ずつ付いている


勿論、信康の身の回りの世話をする為の家臣も居る。更に万が一、戦う事になった場合も考えて連れてきた者達も合わせると、総勢200名にもなる御一行だった


そんな事を知らない吉六郎達は


「何人くらいかのう?まさか100名超えの大所帯では無いよなあ。源太郎、お主の予想は何人程で来ると思う?」


「書状でも見た岡崎城に武田が近いのであれば百人どころか、半分の五十、いや、更に少ない人数になると思いますが」


「源次郎の予想はどうじゃ?」


「拙者は逆に早い段階で避難しており、総勢二百人程かと」


「200!?」


「源次郎、その人数の内訳はどの様な感じだから出たのじゃ?」


「ええと、先ず嫡男の松平三郎様と身の回りの世話をする家臣といざという時に戦う者達は当然として、そこから更に奥方様や御母堂、そして侍女達。を含めた一行と予想しましたが」


やべえ!信康と一部の人だけと少ない予想をしてたけど、源次郎の予想も有り得るな。


「源次郎!お主の予想を信じる。今すぐ屋敷に行って利兵衛に「全ての部屋の襖を取り外して、大人数が入れる様にしろ」と儂が言っていたと伝えてまいれ」


「は、はは」


源次郎が馬に乗って戻って行ったけど、どうなるかなあ?最悪の場合は、村の人達の家に俺達が寝泊まりさせてもらうか?利兵衛の家もまだあるし。


で、そんなこんなでそれっぽい人達が見えて来ました。俺と源太郎が代表で近づいてみたら


「もしや柴田家の皆様ですか?」


「はい。織田家家臣柴田権六の嫡男、柴田吉六郎にございます。後ろに控えるは家臣の飯富源太郎にございます。おそらくとは思いますが、皆様は岡崎の松平家の方々で間違いありませぬか?」


「はい。拙者は家臣の石川伯耆守数正にございます。此度の取次役を務めさせていただきまする」


この人が石川数正か。インテリ度が凄すぎて、徳川家臣の武闘派から徳川家から追い出されたから豊臣秀吉に仕えたとか、秀吉の人たらしにやられたから徳川家を出奔したとか、裏切者扱いされてる人なんだよな。


俺がそんな事を考えていると


「石川」


数正さんを呼び捨てにする若い武士が馬に乗って来ました。まあ、この人だよな。今回の御一行の最重要人物は


「松平三郎様でしょうか?」


「うむ。儂が徳川三河守の嫡男の松平三郎信康じゃ。しばらく世話になりますぞ!柴田吉六郎殿」


馬から降りて挨拶して来たけどやっぱり!しかも目力強めの切長の目を持つイケメンさんですよ。まあ、近くで見た父親の家康も若者の現在はイケメンだったし、まあ納得。でもこのイケメン度合いは両親共に美男美女じゃないと出来ない顔だろ


チクショー!イケメンで金持ちで所作や言葉使いもしっかりしてるとか、神様は何物も与えるんだよ!


ああすいません。少々現実逃避してました


「はい。話は伺っております。ところで此度の人数はあとどれくらい増えますでしょうか?」


俺が質問すると、石川さんが


「実を申しますと、若様や周りの者だけでなく若様の御正室の徳姫様、そして御母堂の築山様。そしてその侍女達も含めて二百人程になります」


申し訳なさそうに答えて来ました。まさかの源次郎の予想的中ですよ。さあて、しばらくは休む暇なんて無さそうだな。親父が何かしら言って来ても、「松平三郎様御一行をもてなさないといけないので無理です」と拒否出来るし、いい事も有るはずだ!


そう思わないとやってられるかー!

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