風魔衆の仕事と出陣そして開戦
政宗が六三郎や佐竹家へ、明日の朝一番に出陣する事を宣言した、その日の夜
六三郎の周囲に潜んでいた風魔小次郎は兄で、風魔衆頭領の小太郎の元へ急いでいた。距離にして四里、およそ16キロの距離を駆け抜けて、蘆名家の領地に潜入している小太郎の元へ到着した頃、
時刻は推定午前2時。周囲の百姓達は寝静まっていた。そんな遅い時間だったが、小太郎や配下の忍達は小次郎の気配に気づいて起きていた
その小次郎が、小太郎達の寝泊まりしている仮の家に到着すると早速
「小次郎!伊達家に動きがあった様じゃな!大まかで良い!申してみよ!」
内容を伝える様、促す。促された小次郎は
「ははっ!伊達家と佐竹家、更に柴田様の軍勢は本日の朝一番に出陣する事を決断しました!早ければ本日中、遅くとも明日のうちには針生平三郎達を討つと、士気が高い状態になっております!」
全てを説明する。説明を聞いた小太郎は
「ふむ。朝一番に出陣するとなると、四里の距離にあるこの地に軍勢が到着するのは、昼になると見て良いか。しかも、おおよそで伊達家は二千五百、佐竹家は四千、柴田殿は二百五十の合計六千五百五十の軍勢、
軍勢の先頭に立つ家が柴田殿達ならば、昼前にはこの地に到着するじゃろう。我々も朝一番に百姓達を避難させておくべき、と、考えておいた方が良いな」
軍勢が到着する前に百姓達を避難させる計画を練っていた。計画を聞いた小次郎は
「兄上、そこまでせずとも良いのでは?」
思わず、「それはやらなくてよくない?」と小太郎に提案したが、小太郎は
「小次郎、よくよく考えてみよ。伊達家と佐竹家と柴田殿が針生平三郎達を討ち取る事は間違いない
だが、その際の戦で、蘆名家の領地が被害を受けて、更に百姓達が数多く死んだ場合、復興にどれだけの年月がかかるか分からぬ
そうなった場合、伊達家が柴田殿に復興の手伝いを要請する可能性が高い!それに柴田殿も了承すると儂は見ておる
だが、幻庵様も仰っていたが、柴田殿は織田家の天下統一事業は勿論、その後の日の本の安寧に必要不可欠な人物である
だからこそ、陸奥国に留めておくのではなく、織田家が次の戦場と睨んでおる九州への戦に出陣出来る様に動ける状態になってもらいたい
だからこそ、領地の復興は伊達家だけで出来る様に被害を最小限にしておくのじゃ!その為の百姓達の避難なのじゃ」
幻庵の言葉も交えて、小次郎に計画を説明した。説明を聞いた小次郎は
「兄上、そこまで考えておられたのですか。分かりました。拙者達も百姓達を避難させる事、手伝います」
避難計画を了承し、手伝うと宣言した。しかし小太郎は
「いや、小次郎よ。お主は手伝わなくとも良い」
小次郎の手伝いを拒否した。小次郎は
「何故ですが兄上!?」
当然、納得いかない。しかし小太郎から
「小次郎よ、儂がお主達に命じたのは柴田殿の護衛じゃ。百姓達を避難させる事を手伝いたいという、お主の気持ちはありがたい
じゃが、柴田都に万が一の事があれば、幻庵様は我々を見限るかもしれぬ!儂としては、それは避けたい!
今から新しい仕事なぞ、我々には出来ぬ!だからこそ小次郎!此度、お主達は柴田殿や周囲の者達の護衛に専念せよ!良いな?」
「兄上、、、ははっ!」
細かく説明された事で、改めて了承した。こうして、小太郎と小次郎のある意味、軍議とも言える報告と話し合いは終了した
そして、夜が明けて朝日が上がる。雲一つない晴天の下、伊達家屋敷では伊達政宗が
「皆!これから出陣するが、我々伊達家は陸奥国統一の第一歩として、佐竹家の方々は殺されて四郎殿と家臣殿の仇討ちの戦として、出陣する!
その我々の軍勢に、日の本随一の武将の呼び声高い、「柴田の鬼若子」こと、柴田播磨守六三郎殿と、
その柴田殿の家臣です日の本随一の軍勢の柴田の赤備えの方々が参戦してくれておる!この戦、勝利するのは我々じゃが、
柴田殿や赤備えの方々の力をお借りせずに勝利してこそ意味がある!それを忘れるでないぞ!」
「「「「応!!!!」」」」
「それでは出陣じゃあ!!」
見事な演説を行ない、軍勢の士気を高めてから出陣していた。そんな軍勢の最後尾に六三郎と赤備え達は控えていた
皆さんおはようございます。朝一番の出陣前に、伊達政宗のカリスマ性溢れる演説を聞いております柴田六三郎です
いやあ、やっぱり大きな目標がある人は男女問わず格好いいですね。俺は赤備えの皆に「暴れて来い」しか言ってない記憶があるので、
カリスマ性とやらは皆無でしょう。まあ、人には得手不得手があると言う事です。そんな事を考えながら進軍しておりますが、
伊達家の皆さんが、早く戦がしたくて堪らない佐竹家の皆さんを抑えながらの進軍を行なっております
聞いた話だと、蘆名家の領地は南に四里、およそ16キロの距離にあるとの事ですが、現在のペースは推定時速5キロの少し早歩きくらいなので、
午前中には到着して、そのまま開戦しそうです。まあ今回の俺は只の見物人ですから、静かに過ごしましょう
六三郎が気楽に考えながら進軍していると、軍勢は蘆名家の領地に到着した。そこで軍勢の先頭に居た伊達家の足軽から政宗へ
「殿!ご報告します!蘆名家の領地にて、蘆名家屋敷以外の建物が全て焼き払われております!堀も無ければ、身を隠す場所もありませぬ!無防備な状態になっております!」
風魔衆が実行した百姓達の避難が完了したであろう状況が伝えられる。それを踏まえて政宗は
「そうか!ならば、威嚇射撃をしてから反応が無ければ、全軍突撃と行こう!佐竹殿!よろしいですな?」
義重に確認する。政宗の提案に義重は
「それで行きましょうぞ!」
了承した。義重の了承を得た事で政宗は軍勢を領地のやや中央に進めると
「放てー!!」
パーン!パパーン!パーン!パパーン!
火縄銃を50発程、威嚇射撃に使用した。その音を聞いた盛春達が政宗達へ突撃して来た事で、戦が始まったのだった。
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