早い到着は無茶があるからこそ
「それでは出立じゃ!義弟よ、愛の事を任せたぞ!そして黒羽!柴田殿を含めた三人を一日も早く、相馬家へ届けよ!」
「ははっ!」
「最上のの目的地は針生家じゃ!行くぞおお!!」
「「「「おおお!」」」」
軍議を午前中で終わらせた政宗と六三郎は、午後に入ると昼食も取らずに出発の準備に取り掛かった。その準備を終えると、それぞれの方向へ出発した
皆さんこんにちは。今日から相馬家の屋敷を目指す長距離走をスタートします柴田六三郎です。読者の皆さんの中には、
「またお前走るのか?いい加減、馬を使え!」と思う人も居るでしょう。ですが、戦において機動力は必須なので、田村家に馬は一頭でも多く残しておこう!となりました
まあ、伊達家の領地から相馬家の領地まではおよそ、10日かかりますが、田村家からはその半分くらいと言われたので、それじゃあ走るか!と、決まった次第です
今回、俺と一緒に移動するメンバーは真田兄弟です。脳筋度合いは他の赤備え達より低いですから、特に問題なく進めるでしょう。それじゃあ、出発しますか!
「それでは黒羽殿!案内をよろしくお願い致ししますぞ!」
「ははっ!」
こうして、六三郎と真田兄弟は相馬家を目指して出発した
天正二十三年(1595年)十月十九日
陸奥国 相馬家屋敷
「黒羽殿!2日で到着した事、誠に感謝致す!」
「い、いえ。我々もかなり無茶をしましたが、柴田様達のお身体は大丈夫でしょうか?」
皆さんおはようございます。田村家屋敷から相馬家屋敷に2日、実際には1日半で到着した柴田六三郎です。いや〜、中国超大返しの時の山陰道と比べたら
距離も短いし、平坦な道が長めだったので、あっという間に到着出来ました。そして、真田兄弟も疲れている様子が無いので、改めて赤備えの皆が脳筋を超えた超人だと思っております
それじゃあ、相馬殿との交渉と行きますか!
この時、全く疲れていない六三郎と真田兄弟を見た頭は
(この方々は人間か?我々、黒脛巾組の者達でも苦労する道を事もなげに走り切って、疲れたそぶり一つ見せぬ!これが、天下統一を目指す織田家の中でも信頼の厚い柴田家の土台という事か!)
体力が有り余っている事に対して、とんでもない過大評価をしていた。頭がそんな気持ちを持っている事を知らない六三郎は、門番に相馬義胤との面会を要求した
程なくして、面会可能になり六三郎達は大広間へ到着すると、義胤は既に下座に居て
「柴田様!上座へお座りくだされ」と六三郎へ上座を譲るが、六三郎は
「相馬殿!そのままで良いから、伊達殿からの文を読んでくれ!」
義胤の言葉を無視して、政宗からの文を渡す。受け取った義胤は不思議に思いながらも、読み出す
「は、はあ。では。「相馬小次郎!いきなりの文で驚かせて済まぬ!伊達藤次郎じゃが、前置き無しで本題に入るが、実は会津の南部で問題が起きた
その問題とは、蘆名家当主の平四郎殿が蘆名の一族である針生の者達に殺されたのじゃ!これが蘆名家の内紛で済むのであれば、この様な文は書かぬ!
だがしかし、この問題をややこしくしている理由として、殺された平四郎殿が陸奥国の南に位置しておる佐竹家からの養子である事じゃ!
相馬家全体でも知っておるかと思うが、佐竹家は常陸国の大部分を治めておる大大名じゃ!その佐竹家が一族の者を殺された仇討ちとして、陸奥国に攻め込む事は容易に想像出来る
だが、目の前に居る柴田殿曰く
「針生達が平四郎殿を殺した罪を伊達家になすり付ける可能性がある!そうなっては、伊達家の人間が何を言っても佐竹家は聞く耳を持たぬだろう!
そうなっては、陸奥国が終わらぬ騒乱の舞台になってしまう!だからこそ、平四郎殿が殺された事を佐竹家に伝えて、味方に組み込み針生達を討ち取る!」との提案をしてくれた!
その佐竹家へ行く大役を柴田殿が自ら進んで行なってくれるとの事で、相馬よ!済まぬが、相馬家の領地にある湊から常陸国の佐竹家の湊まで船を出してくれ
一日、いや、一刻も早く柴田殿を佐竹家へ連れて行かないと、針生達に先を越されてしまう!これは、陸奥国を守る為、引いては陸奥国の統一する戦の狼煙でもある!
だからこそ、そこに居る柴田殿に協力してれ!」との事ですが、柴田様!殿からの文の内容、誠ですが?」
読み終えた義胤は、驚きながらも六三郎に質問する。六三郎は質問に対して
「相馬殿、誠の内容です。此度、拙者達は田村家に駐留しておりました。そこで、此度の話を聞いた次第になります。
しかも針生家が此度の件が、家中全体の暴挙なのか、それとも一部の愚か者の暴挙なのか、まだ分からない!
だからこそ、佐竹家への説明の使者として摂津が行くと決めたのです!なので相馬殿!船を出していただきたく!」
分かっている事を答えて、最期に頭を下げて頼み込む。その様子を見て義胤は
「わ、分かりました!船を出しますので、頭を上げてくだされ!」
「忝い!!」
船を出す事を了承する。こうして、六三郎達の佐竹家行きは、早い段階で確定した。




