当主に自信を持たせる方法
「それでは改めて、次郎様が自信無さげな理由をお話させていただきます。柴田様も知っておられるとは思いますが、次郎様は本来、田村家の家督を継ぐ立場ではなかったのです
それが、父親である先先代様と、兄である先代様がそれぞれ戦場で亡くなり、家督を継ぐ形になりました。
ですが、先先代様も先代様も戦場では勇猛果敢な方だった事もあり、次郎様は身体の弱い自分がお二人の跡を継いで良いのか?と、今でも自信を持てないのです
それでも先先代様も先代様も、次郎様に対して、粗野に扱う事無く、接して来たのです。更に伊達家に嫁いだ愛姫様は、そんな次郎様の事を心配していたので、
伊達様を通じて、清姫様を次郎様に嫁がせてくれましたのが、八年前なのですが」
郡司がそこまで言って、口籠ると六三郎は
「「身体が弱いから、自らに自信が無いから、清姫殿と子作りをせずに無駄に時が流れていった」郡司殿、そう言う事ですな?」
郡司に自分なりのまとめた答えをぶつける。しかし、郡司が答える前に清姫が
「柴田様。私が至らないばかりに、女子としての魅力が足りないばかりに、次郎様は私と子作りを頑張ろうと思ってくださる事も少ないのです
身体が少しばかり弱い事、自信を持てない事も理由に入りますが、私が、私が」
涙を流しながら、「自分に魅力が無い事も理由だ」と六三郎に話す。清姫の言葉を聞いた六三郎は
(重い重い重い!女としての魅力がどうたらは言わないけど、要は次郎殿が身体が弱いから自信が無い、そんな状態だから、内政をやる最低限の気力しかない!
そう言う事だな!頭の中にプランは出て来たけど、自信を付けさせるとなると、筋トレさせる前の所からのスタートした方が良いかも
こうなったら今年年内は次郎殿に自信を持たせる事を頑張って、早くて来年に子供が産まれる事を祈ろう!
早く帰って領地経営したいが、焦りは禁物だ!恐らくだけど、この田村家の領地と近場の相馬家の領地のある陸奥国南部は、戦場にならないだろうから
じっくりと次郎殿に自信を付けさせるプランで進めよう!いざとなったら、伊達政宗と愛姫さんにも動いてもらおうじゃないか!よし、そうと決まれば〕
例の癖が出た状態で、これからのプランを考えていたのだが、清姫や郡司達には当然分かる筈も無いので、
今回、六三郎の側に控える役目を勝ち取った庄左衛門か清姫達に
「皆様。殿は、重要な考え事をする際、あの姿勢で考えてしまうのです。少しばかり不思議な光景ですが、お気になさらずに」
「「「は、はあ」」」
かなりアバウトな説明をして、無理矢理納得させた。そんな説明が終わると六三郎は
「各々方。次郎殿について教えてくだされ!次郎殿は、幼い頃からこれまで大病を患った事はありますか?郡司殿でも、他の方でも構いませぬ!」
氏顕が大きな病気にかかった事があるのか?と質問をする。六三郎の質問に答えたのは
「柴田様。拙者は、次郎様が家督を継ぐ前から田村家に仕えておりますが、次郎様は体調を崩しやすいですが、長期間寝込む事はこれまで有りませぬ」
郡司だった。郡司からそう教えてもらった六三郎は
(やっぱり。俺の予想通り、次郎殿は単なる体力不足と見て良いな。これで食も細かったらビンゴだな〕
氏顕の食事量次第で、方針が決まりそうだったので
「郡司殿!次郎殿は、食が細くありませぬか?」
直球な質問を郡司にする。六三郎の質問に郡司は
「柴田様の推察どおりです。次郎様は、食が細く、最低限の食事しか取らず、酷い時は一日で一食しか取りませぬ」
包み隠さずに、その通りだと答える。それを聞いた六三郎は
(やっぱり!史実の徳川家光とほぼ同じじゃないか!それだと、家光の場合は春日局が、食事を楽しい物だと思わせたから、家光が食べる様になった!
と言う理由もあったけど、あれは家光が子供だから出来た事だからなあ。次郎殿は自信無さげとはいえ、大人の男なんだし、子供と同じ改善方法は失礼だ!
ん?大人?そうだよ!次郎殿は大人の男なんだよ!!じゃあ、大人だから出来る事で自信を付けさせる方法で、進めよう!
子作り指導、いや筋トレ指導はそこからだ!よし!方針は決まったぞ!俺のやり方は非常識で、荒療治ではあるが、家臣の皆さんにも協力させよう!〕
史実の徳川家光の偏食で少食の話を元に、氏顕に自信を付けさせる方法を思いついた。そこで六三郎は、郡司達と清姫に対して
「各々方!次郎殿に自信を付けさせる方法が出ましたぞ!」
そう宣言すると
「「「柴田様!誠ですか!?」」」
「どの様な方法なのですか?」
全員が食いついた。それを見た六三郎は
「それでは発表します。その方法は、、、次郎殿に各々方の飯を作らせて、皆と共に食べる機会を作る事です」
内容を具体的に説明した。それを聞いた郡司は
「し、柴田様?殿に料理をさせるのですか?それはあまりにも失礼ではありませぬか?」
至極当然な質問を六三郎にするが、六三郎は
「郡司殿、確かに普通の武家の当主にその様な事をさせては失礼でしょう!ですが、次郎殿は戦場に立つ事が無いのですから
武功以外の何かで自信を付けてもらうしかありませぬ!更に申すのであれば、自信を付けてから、身体を強くして子作りを頑張ってもらう為にも、
自らの作った飯を食べて、そこから先に進める様にしないと、田村家存続の危機を先延ばしにするだけですぞ!各々方も覚悟を持って、次郎殿を支えていただきたい!この通り!」
細かい内容を伝えると、頭を下げて頼み込む。真剣な六三郎を見た郡司達と清姫は
「「分かりました!柴田様の策、我々も協力させていただきます!」」
「私も、協力します!」
六三郎のやり方に従う旨を伝える。こうして、六三郎ですら未経験の「武家の当主に料理をさせる」事からスタートする子作り指導が始まった。




