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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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800/862

相馬義胤が悩む頃、助けられた家族は

九州編に入っている予定だったのに、800話になってもまだ奥州から出られません。

義胤は大広間を出て、自室にて信長からの文に改めて目を通す。一回では終わらず何度も何度も読み返すと


「この文が、いや、この文を書いた当人が右府様だと木幡は言っておったな。しかも右府様だけでなく、二年前の関東の戦で、


とてつもない策で北条家の内乱を鎮圧したと言われておる、「柴田の鬼若子」と呼ばれておる武将まで居るとなると、戦になった場合、勝てるのか?


いや、敵の総勢も分からぬのに戦に決するのは良くない!しかし、いくら天下人が居るとは言え、何もせずに膝を屈するのは」


ああでもない、こうでもない。と、頭を悩ませていた。そんな時だった


「お前様。入りますよ」


義胤の継室の三江みつえが入って来た。義胤は三江を見るなり


「三江、何かあったか?」


何か起きたのかと質問する。義胤の質問に三江は


「何かあったか、ではありません。木幡殿から「孫次郎様がとても悩んでおられます」と教えてもらったので、どの様な事で悩んでいるのかと思えば、


伊達殿に臣従するか否かで悩んでいるそうではありませんか!しかも、伊達殿の領地に無許可で入ったそうですね?何があったから、伊達殿の領地に無許可で入ったのですか?」


木幡から全てを聞いて分かっているのに、伊達家の領地に入った理由を義胤本人の口から言う様に促すが


「そ、そ、それは、三江。良いではないか。な?」


どうやら義胤は三江の尻に敷かれている様で、どうにか誤魔化そうとしていた。そんな義胤を見て三江は


「孫次郎様。木幡殿から全て聞いております。それでも、孫次郎様の口から言って欲しかったのですが、言いませんか


ならば、私から言います。領内に南蛮の娘が居るからと言って、その娘の夫や子供達から、母親を奪おうと欲を出した結果、


領地を失うどころか、相馬家存続の危機になったのですから、諦めて伊達殿に臣従しなされ!」


「お前の浮気心が原因なんだから、諦めて臣従しろ」と、言葉で尻を叩く様に義胤に伝える。三江の言葉に義胤は


「三江!し、し、知っておったのか!?」


三江が最初から最期まで知っている事に、驚いていたが、三江は続けて


「孫次郎様、よろしいですか!此度の文を書いた右府様は、既に伊達殿の正室の実家を臣従させたのです!この展開で進めば


私の実家の長江家にも、臣従するか否かの文は届けられている可能性は高いでしょう!孫次郎様、そうなってしまっては、相馬家は東西南北の全てを敵に囲まれてしまいます!


そんな状況になった場合、勝てますか?相馬家の軍勢は総動員しても三千人ですよ?伊達家と織田家と田村家と長江家、全てを合わせたら一万を超えます!そんな軍勢に勝てるのですか?」


義胤に「戦になったら勝てるのか?」と、問う。三江の言葉に義胤は


「三江、それ程までに儂の事、更には相馬家の事を考えてくれておるのか。誠に済まぬ。じゃが、それでも簡単には決められぬ」


まだ決心がつかなかった。そんな義胤に三江は


「孫次郎様、私が臣従を推す理由として、相馬家存続は勿論ですが、孫次郎様の子を父無し子にしたくないからなのです」


義胤の子を妊娠している事を伝える。それを聞いた義胤は


「ま、誠か三江!誠にやや子を授かったのか?」


「はい。予定通りならば、文月に産まれます」


「わ、儂に、儂に!遂に子供が!」


初めての子供が産まれる可能性に興奮していた。そんな義胤を落ち着かせる様に三江は


「孫次郎様、私が臣従を推す理由が分かっていただけましたか?でしたら、臣従する事を選んでください」


義胤に臣従してくれと頼み込む。三江の言葉に義胤は


「分かった。三江の言う様に臣従する事にしよう。じゃが、最低でも領地を安堵してもらう!それだけは譲れぬ!三江、それだけでは許してくれ!」


「せめて領地安堵は求める」と三江に宣言した。三江も義胤に対して


「はい。孫次郎様、それくらいは伊達殿も右府様も認めてくれるでしょうから、頑張ってください」


優しくも背中を押す様に言葉を伝える。こうして、相馬家は内助の功と言っても良い展開の結果、伊達家に臣従する事になった


相馬家がそんな状況になっている頃、伊達家の屋敷では


「ほう。権兵衛ごんべえよ、元は漁師だったのに、嫁のアナの為に漁師道具を全て売り払い、百姓として働いておるとは!そんじょそこらの武士より根性があるのう!」


「右府様、勿体なきお言葉にございます。ですが、アナは元々は、明の北にありますロシアと呼ばれるとても広大な雪深い国の東端に家族と過ごしていたそうですが、そのロシアと言う国を治める者が突然、


「百姓が出稼ぎに行く事、親類の田畑を手伝いに行く事を含めた移動を禁止する」と言い出した様で、更にアナは見目麗しいので、


無理矢理領主の嫁にされそうな所を、出羽国の先端を治めている領主様との交易船に乗り込んで、どうにか日の本へ入って来たそうです


そこから頑張って歩いて、自分が魚を取っている川に倒れている所を見つけたのが、八年前です。そこからアナに日の本の言葉を教えながら暮らし、夫婦になり


五年前に長男の安太郎あんたろう、三年前に長女の安美波あみなが産まれました」


信長、政宗、義姫、そして六三郎が保護した家族のうち、父親と母親から話を聞いていた。母親のアナの亡命話を聞いて信長は


「アナ殿の行動力は、堕落した武士共に見習わせたい程、見事じゃ!」


褒め称え、義姫は


「何て、何て見事な覚悟」


大泣きしていた。政宗は


「まあ、これからしばらくは家族で伊達家でゆっくりしてくだされ」


ゆっくり休んでくれと伝える。最期に六三郎は


(密入国して来た話だけど、あまりに壮絶過ぎて、何も言えねー!それよりも相馬とか言う奴、アナさんを奪う為に出陣したら、どうやって迎え撃とうか?)


万が一を考えて、戦の事を考えていた。

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― 新着の感想 ―
800話到達おめでとうございます! 祖国でも日本でも権力者に言い寄られるなんて相当な美人だな。 こういう話ししてる最中でも最悪のパターンを考えるのが柴田の鬼和子よw
どうみても三百年後とかには昔話で、天女がうんたら、なってそう。勿論ハッピーエンド(笑)
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