売り上げ増加の為に子供を働かせたら
天正二十三年(1595年)一月六日
陸奥国 伊達家屋敷
「右府様!殿!髪飾り製作を依頼した竹助殿が試作品か完成したとの事で、完成形を見ていただき本人に来てもらいました!」
「うむ。儂もどの様に完成した物がどの様になるのか分からぬ!それでも竹助殿!よくぞ六三郎の無理難題を聞いてくれた!この織田右府、誠に感謝する!」
「は、はい。若造ながらに、出来るかぎり柴田様の教えてくださいました形に近づけたと思っております」
皆さんおはようございます。竹細工のケモ耳カチューシャの土台部分製作を若き竹細工職人の竹助さんに依頼しました柴田六三郎です
やっぱり竹助さんは腕の良い職人だった様で、わずか3日で試作品を作ってくれました。ウサ耳用の長いタイプとクマ耳用の短いタイプの両方ですが
これが俺の予想以上に綺麗な骨組なんです。しかも、1番サイズの小さい子供用の三寸のカチューシャの試作品を持って来てくれました
それを見た義姫さんは
「竹助殿、よくぞ働いてくれました。それで柴田殿。この竹細工がどの様な髪飾りに変わるのですか?」
俺に質問して来た。まあ、そりゃ気になりますよね。では、最期の仕上げと行きますか
「大殿、藤次郎殿、そして義姫殿。どの様な形になるのか気になる所でしょうか、最期の仕上げの為に手先の器用な、侍女や女中の方を大広間に針と糸を持って来る様、呼んでいただきたく」
俺のリクエストを聞いた伊達政宗は
「分かりました。小十郎。連れて来てくれ」
「ははっ!」
片倉さんを動かして、その片倉さんが連れて来たのが
「殿!義姫様!私はこれから、何をするのですか?」
とても元気な少女だった。推定で7歳から9歳くらいに見えるけど、本当にこの子は手作が器用なのか?
俺がそう思っていると、
「柴田殿、この睦子ですが、幼いながらに働き者なだけでなく、手先も器用なのです。愛や私の着物に出来たほつれを見事に縫い合わせる等の事をして、
以前よりも華やかな着物に仕立ててくれるなど、幼いながらに腕は確かです。睦子に任せてみませんか?」
義姫さんは睦子ちゃんの腕が確かだと言って、プッシュしてくる。まあ、俺としては腕が確かなら誰でも良いし、やらせてみよう
六三郎はそう決めると、持っていた風呂敷を広げて
「義姫殿、分かりました。それでは睦子殿。風呂敷の中にあるのは、毛皮を作る際、余ってしまった熊を始めとした獣の毛なのじゃが、この熊の毛を竹細工で作られた髪飾りのうち
縦に丸く出ている物に縫い合わせてもらいたい。出来るかぎり本物の熊の耳の様になる様に、出来るか?」
睦子に説明しながら、完成させる事が出来るか?と確認する。説明を聞いた睦子は
「はい。着物より小さいので簡単です。それでは今から始めてもよろしいでしょうか?片倉様に言われた様に、針と糸は持って来ておりますので」
「今から始めても良いか?」と、ビビる事なく確認する。その自信たっぷりな睦子に六三郎は
「あ、ああ。始めてくれか
少しばかり押されていたが、睦子はそんな六三郎を無視して、
「ありがとうございます。それでは始めます」
そう言って、クマ耳部分に熊の毛を刺繍のやり方も交えて、縫い合わせていく。スタートしておよそ5分後
「完成しました!」
睦子はそう言って、六三郎の前にカチューシャを置く。それを見た六三郎は
(これ、マジか?某鼠の国のカチューシャみたいな完成形になったぞ!この子、何者だよ!いや待て、竹助さんの作った骨組が良いから、こうなったに違いない!そうだ、そう言う事にしておこう!)
内心、「デ」から始まる世界的テーマパークの商品の様だと驚いていた。六三郎が驚いた事を分かったのか義姫は
「柴田殿。睦子の腕が確かだと、分かっていただけた様ですね」
ドヤ顔で六三郎に確認していた。義姫の言葉に六三郎は
「ええ、驚きました。見事な腕です。その見事な腕を見込んで睦子殿、もう一つお頼みしたいのじゃが」
「はい。何でしょうか?」
「この熊の毛を縫い合わせた竹細工の、曲線部分にこの鹿の毛を縫い合わせてくれぬか?」
カチューシャのアーチ部分に鹿の毛を縫い合わせて欲しいとリクエストすると睦子は
「分かりました。では始めます」
すぐに作業をスタートした。アーチ部分は耳の部分だけよりも簡単だったのか、およそ3分後
「完成しました!」
アーチ部分に鹿の毛を縫い合わせ終えると、耳は黒でアーチ部分は茶色と言う統一感は無いが、クマ耳のカチューシャだと分かる物が完成した
それを見た義姫が
「まあ!なんと可愛いらしい!これは、五郎八に着けさせてみましょう!誰ぞ、急いで五郎八を連れて来なさい!」
孫娘の五郎八姫を連れて来る様に命令する。命令を受けた侍女が五郎八姫を連れて来ると
「祖母様!何かありまし、あの可愛らしい髪飾りはなんですか!?」
すぐにカチューシャに気づいた。そして
「父上!祖母様!着けてもよろしいですか?」
着けたいとリクエストする。娘のリクエストに政宗は
「着けてみなさい」と了承すると、五郎八姫は
「この髪飾りは、もしかしてこう着けるのですか?」
カチューシャを櫛の様に額から髪に向けて着けて、そこから前後に微調整する。そしてフィットするポジションが見つかると
「はああっ!五郎八、なんと可愛らしい!」
義姫が昇天しかけていた。その様子を見て政宗は
「柴田殿、これを畿内の女子供に向けて売るのじゃな。母上の様子を見るに、母親と娘には間違いなく売れるじゃろうな!
あとは、この髪飾りに毛を縫い合わせる事の出来る者を増やして行かねばな!」
売れる事を確信していた。そんな時、睦子から
「あの、すいません。この長い耳が付いているのは、もしかして兎の毛を縫い合わせる物ではありませんか?だとしたら、兎の毛が必要だと思うのですが」
「ウサギの毛はどうするんだ?」と質問が出る。それを聞いた信長から
「藤次郎と六三郎!兎の方も必要との事じゃ!早く捕獲して参れ!」
政宗と六三郎に「ウサギの毛を取って来い!」と命令される。命令された2人は
「「ははっ!」」
返事をして、急いでウサギの捕獲に向けて準備に取り掛かった。




