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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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軍議の内容が鉢形城へ伝えられると

六三郎と助五郎が出陣を決断した事は、館林城内全ての将兵に伝わる。その中でも武田家の兵達は


「遂に柴田様が出陣なさるぞおお!!」


「甲斐国を復興してくださった御恩、今こそお返しする時じゃあ!」


「武田家の領地を奪おうとした松田なんぞ、全滅させてしまえ!」


「御館様の初陣が!初陣が!」


「御館様の初陣じゃ!武田家も働かねば!」


「「「「おおお!」」」」


今すぐにでも出陣出来そうな程、気合いが漲っていた。それは武田家総大将の虎次郎も同じの様で


「遂に、遂に!初陣が!!五郎叔父上!初陣で気をつけておくべき事は、どの様な事ですか!?教えてくだされ!」


五郎に初陣においての色々な事を聞いていた。そんは虎次郎に五郎は


「御館様。初陣において気をつける事、もっとも気にかける事は、前に出過ぎない事です!分かりやすく言いますと、武功を欲して出しゃばらない事です!


此度の様な大軍での出陣でも、それは同じく!此度に関しては、六三郎殿の軍勢と上杉殿の軍勢と共に動く事を考えましょう」


「武功を欲して出しゃばらない事」、「前に出過ぎない事」、この2つを重点的に考えろ!と虎次郎に促し、虎次郎も


「分かりました。それでは、大広間に行きましょう!」


「ははっ!」


理解した様で、そこから2人は大広間での軍議に向かった。2人が到着すると、柴田家からは六三郎と源太郎と昌幸が、上杉家からは景勝と兼続が参加していた


2人の姿を見て六三郎は


「虎次郎殿!虎次郎殿の義兄になる上杉殿が、松田の軍勢を上野国北部へ撤退させたそうじゃ!」


上杉家が松田を急襲した事を虎次郎に伝える。知ってはいたが、虎次郎も


「上杉殿!いえ、義兄上!誠に忝のうございます!次は、我々武田家も出陣致します!」


景勝に感謝を述べながら腹芸をしつつ、出陣する旨を伝える。虎次郎の言葉に景勝も


「義兄上か。兄も弟も居なかった儂としては、誠に新鮮な呼ばれ方じゃな。おっと、感慨に耽ってしまった。それでは、軍議に入ってくだされ」


喜びつつ、軍議の開始を促した。景勝の言葉を受けて、今回の軍議の仕切り役の助五郎ら地図を広げながら


「さて、各々方も既にご存知とは思いますが、数日前に上杉殿が松田の軍勢と、この上野国の要衝である三国峠周辺でぶつかり、


見事勝利し、北へ撤退させたそうです。そこで、その松田の軍勢を叩く為に六三郎殿と拙者は出陣を決断しました!なので、これから出陣するにあたり、


上野国を北へ進むわけですが、その際、松田の軍勢が大人しく上野国ないに留まっているのか、それとも別の国へ移動しているのかは、分かりませぬ


なので、我々は上野国を北へ進む前に、松田の嫡男が居る上野国南部の領地へ向かいます。そこで松田の嫡男が我々を攻撃したのであれば、松田家全体での謀反と判断しましょう!


我々が松田の嫡男の領地へ向かっている頃に、鉢形城の軍勢が動いていたら、松田の軍勢も簡単には動けないでしょう。なので、我々は松田の嫡男の領地から攻めます!それで、よろしいですな?」


松田を叩く為の策を順序立てて、説明する。説明を聞いた全員、


「それで行きましょう!」


「不安は無いにかぎりますからな!」


「松田の嫡男とやらは、親父と違い骨のある男か、楽しみじゃな!」


「本格的な戦になるのか、楽しみですな!」


納得する者、楽しみにする者、感想はそれぞれだった。助五郎も全員の反応を見て


「それでは、此度の軍議の内容を鉢形城へ伝えます!そして、我々は二日後に出陣と行きましょう!」


「「「「おおおお!」」」」


軍議を終了させて、解散後、鉢形城への文を書き始めた


そして、2日後


天正二十一年(1593年)五月十二日

上野国 館林城


「それでは皆様!先ずは、松田の嫡男の領地へ向かいます!しっかりとついてきてくだされ!」


「「「「おおおお!」」」」


皆さんおはようございます。これから、松田の嫡男の領地へ向かいます柴田六三郎です。松田の嫡男の軍勢がどれだけ居るのかは、分かりませんが


上杉家一万三千、武田家二千、北条家二千、柴田家約一万の合計二万七千の大軍ですので、俺としては、やる事無いだろうなと期待しております。それでは、行って来ます


六三郎がとても楽観的に考えながら出陣した5日後、鉢形城へ助五郎からの文が届く


天正二十一年(1593年)五月十七日

武蔵国 鉢形城


「各々方!上州館林城から文が届きましたぞ!何やら動きがあった様です!」


「新太郎!早く内容を伝えよ!」


「新太郎殿、よろしく頼む」


「分かりました。では。「新太郎へ。上州館林城の助五郎じゃ!此度の文、驚いたじゃろうが、前置き無しで話すぞ!実は、卯月の中頃に上杉家が三国峠周辺で


松田の軍勢を撃退した。その知らせを上杉殿本人から伝えてもらい、軍議の結果、儂達は後ろから攻められない為に、松田の嫡男の領地に寄って、攻撃しなければ


此度の謀反は松田単独だと判断する事にした。その事を、小田原城へも伝えてくれ!そして、儂達は上野国の南部に一度行くから、鉢形城からは上野国北部へ出陣し、松田の軍勢を叩けるならば、叩いてくれ!」との事です


各々方、そう言う事ですので、出陣準備をお願いします。尾張守殿、三介殿にも当然、働いてもらいますからな」


「ははっ!」


こうして、松田を追い詰める為の出陣と、信雄の信頼回復の為の出陣が決まった。

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― 新着の感想 ―
信雄は織田家の息子だからこそ信頼回復のチャンスが与えられるけどはてさて…。 六三郎達はまだ知らないだろうけど、松田本隊が北に逃げたって事は追い風になるかな?
仁科さんが虎次郎に言った「前に出過ぎないこと。手柄を求めないこと」が三介の伏線になりそう。 三介のせいで鉢形軍が負けるないし、戦線膠着しそうだなあ。
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