表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

686/714

鉢形城に援軍が到着したら、館林城にも動きが

天正二十一年(1593年)二月十日

武蔵国 鉢形城


小田原城で氏政が六三郎のやった事を褒めていた頃、鉢形城に動きがあった


「源三叔父上!此度、お子が産まれた事、誠に祝着にございます!」


「儂からも祝わせてもらおう。源三殿。おめでとう」


「殿。徳川様。誠に、忝うございます」


皆さんおはようございます。朝からちょっとした宴会に参加しております柴田六三郎です。前月に小田原城から、


「来月の初め頃か、中旬には小田原城から殿と徳川様が鉢形城へ行くから、対応よろしく!」的な文が届きましたら、色々と準備をしているうちに、新太郎殿から


「やっと御本家から援軍が来たのだから、ここで兄上の子が産まれた酒宴をやろう!」と言い出しまして、


そこで、俺が料理人の皆さんと宴会料理、まあ秀吉の時とほとんど同じメニューなんですが、それの練習と、味見を繰り返して、今日に至ったわけですが


やっぱり子供が産まれた宴会の定番メニューは親子丼と、ウナギの半身を乗せた鰻丼ですね。これも、秀吉の時と同じ様に、「長い生き物を食べて長生きを」の理由を説明しましたら


「柴田殿が来てくれたおかげで、我が子が産まれて、柴田殿の側室の高代殿が来てくれたおかげで、比左が無事に子を産めて、


どれ程の感謝を述べても足りぬのに、この様な見事な意味を込めた美味い料理を食べさせてくれるとは」


そう言いながら、先ずは鰻丼を食べて、食べ終えると次は親子丼を食べながら


「優しい味じゃ。これが「親も子もどんどん出世しろ」と洒落が効いているとは思えぬ、見事な美味さじゃ。子達が食べても大丈夫な歳になった時に、食べさせてやりたいのう」


しみじみしています。鰻丼に関しては家康も


「これは確かに、宴の時に食べるべき料理じゃな。とても美味いが、毎日食べていては家の銭が無くなってしまうのう。じゃが、月に一度くらいは食べたい!」


そう言いながら、じっくりと味わっている。家康のあとに幻庵爺さんから


「いやあ、誠に美味い!八十歳を超えて尚、長生き出来そうじゃ!」


なんて、「いや、あなたはそう簡単に逝かないでしょ?」


と、ツッコミ待ちの様な言葉を言っていますが、そんな野暮なツッコミをする人は居ません


そんな中、六三郎が源太郎達を使って、酒樽を運ばせて来た。それを見て家康は


「六三郎殿。もしや、食後のワインを呑めるのか?」


喜んでいたが、六三郎は


「徳川様。こちら、ワインの樽も有りますが、拙者が麦から作った酒の樽も有るのです。一応、短期熟成の樽には「短期」、長期熟成の樽には「長期」と書いてありますワインと共に、飲み比べてくだされ」


簡単な説明をする。それを聞いた家康は


「ほおっ!熟成期間で味に違いが出るのか!何とも楽しみじゃ!では、先ずは短期熟成の麦酒からいただこう」


エールを最初に呑む。呑み終えた家康は


「おおっ!以前、六三郎殿が作って食べさせてくれたパオンの味も感じる!麦の甘味と苦味も良い塩梅じゃ!


短期熟成でこれだけ美味いのじゃ!長期熟成の物は、どれ程の美味さじゃ?北条家の皆は、既に味を知っておる様じゃな!六三郎殿、いただこう」


次にラガーを呑むと、呑み終える前に


「お、おおっ!?喉を通り抜ける時に刺激が一瞬だけ感じられる!そこから、一気に喉を通り抜ける爽快感!何とも言えぬ美味さじゃ!


六三郎殿、この麦酒は三郎殿や勘九郎殿は既に味わっておるのか?」


喉を通り抜ける刺激と爽快感を堪能していた。そして、やっぱり信長と信忠の事が気になっている様で質問して来た。その質問に六三郎は


「徳川様。実は、前年に鉢形城で仕込んだ酒樽は安土城へ送れていないのです」


酒樽を送ってない事を伝える。それを聞いた家康は


「それは、何か重大な理由があるのか?」


送っていない理由を聞く。聞かれた六三郎は


「此度の松田との戦を鑑みて、軍勢は1人でも多い方が良いと思いまして、安土城には松田の件を書いた文を送っていますので、納得してくれるとは思いますが」


正直に答える。それを聞いた家康は


「いつ戦になるか、分からぬ以上仕方ないとも言えるのう。まあ、三郎殿も勘九郎殿も事情を分かっているのじゃ、そこまでうるさく言わぬじゃろう」


軽く六三郎をフォローしていた。こうして、鉢形城での酒宴は、お開きとなった


一方その頃、松田達と六三郎達、双方にとって重要拠点である館林城で動きがあった


天正二十一年(1593年)二月二十日

上野国 館林城


「殿!鉢形城より、文が届きました!」


「鉢形城からじゃと?まあ良い、とりあえず見てみよう」


文を読む「殿」とは、源三と新太郎の間の兄弟で、館林城城主の北条助五郎氏規。氏直と家康が鉢形城に到着する前に書いた文が届いたが、その助五郎が受け取った文の内容とは?


「どれ?「助五郎兄上へ。新太郎にございます!いきなりの文で驚いたかもしれませぬが、絶対に伝えなければならない慶事と悪事の両方が起きたので、


報告させていただきます。先ず、慶事ですが、なんと長年子宝に恵まれなかった源三兄上に子が産まれたのです!


しかも、側室だけでなく、正室の義姉上までも出産したのです!義姉上は、一日以上を費やして、三つ子を出産しました!その中に嫡男も居ましたぞ!


その時の源三兄上は、喜びのあまり立てない程でした!ですが、その幸せな状況に口出しする野暮な人間は誰も居ませぬ



助五郎兄上も、源三兄上を祝う際は、何も言わずに祝ってくだされ!ここまでが慶事ですが、これから伝える悪事は、助五郎兄上に一日も早く決断してもらいたい事なのです


簡潔に言いますと、松田左衛佐が謀反を起こしました。松田の阿呆は上野国北部に進軍し、ほぼ全域を征圧しているとの情報も入っております


そこで、我々は松田の次の狙いは上野国南部の征圧で、その為に兄上の館林城を奪いに動くと見ております!


そこで、我々としては兄上が、館林城を奪われたくないのか、それとも奪われても構わない、なんなら壊れても構わないと思っているのかを教えていただきたく存じます!


松田の軍勢は、上野国北部を征圧する前は、五千との情報でした。ですが、現在は増えている可能性が高いです。


現在拙者の鉢形城には、拙者の軍勢と源三兄上の共の者を合わせた四千程、それに源三兄上の子作り指導をしてくださった、織田家家臣の柴田播磨守殿の七千、


そして、督姫様の弟の徳川於義伊殿が連れて来た五百、更に上野国南部をこれから割譲する武田家から二千を合わせた、およそ一万三千が待機しております


なので、松田の軍勢を上野国から追い出すだけでなく、完膚なきまで叩きのめす為に館林城を壊して良いかと助五郎兄上へ確認の文とさせていただきます、早い段階でのお返事をお願いします」との事じゃが


源三兄上の子が産まれた事は、誠に祝着じゃが、松田の謀反とは、やっかいじゃのう。しかし、新太郎が言っておる、「館林城を壊して良いか?」とは、


どう言う事じゃ?分からぬのう、仕方ない。新太郎へ文を書くか!」


やっと連絡のついた助五郎は、訳が分からないので、とりあえず新太郎に文を書く事にした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
城を壊すって手札を切れる武将も多くないだろうし、そりゃ混乱しますわw そして裏でたまりつつある信長の初物逃しポイントw
まぁ意味が分からないよね どうせなら後北条の殿様からもっと便利な場所に立派な平城を建て直すと約束の文言が有れば彼も迷わずに従えるのに(^_^;)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ