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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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実家からの文が六三郎に届くと鉢形城では慶事が

天正二十年(1592年)九月十日

武蔵国 鉢形城


「柴田殿!お父上からの文が届いております。こちらです」


皆さんおはようございます。朝から鉢形城の城主、新太郎殿より、「実家から文が届いたよ」と呼ばれて、大広間に来ております柴田六三郎です


この時期に親父からの文が届くという事は、本命は播磨国の切り取りが終わった事だと思いますが、まさか京六郎の許婚か決まったとか、そう言う事なのか?


とりあえず、読んでみるか、と、思っていたら、新太郎殿から


「柴田殿。儂達が聞いても問題無い内容ならば、聞かせてもらえぬか?関東より遠い場所では、どの様な事が起きているのかを知りたいのじゃが」


「人に聞かせても問題無い内容なら、聞かせてくれ」と言われましたので、とりあえず目を通しましたら


「えっ!?」


と、思わず大声が出てしまいましたが、問題無いと判断出来ましたので、聞いてもらいましょう


「新太郎殿、源三殿。問題無い内容ですので、読みます。では、「六三郎へ。しっかり北条家の方々に迷惑をかけずに役目に励んでおるか?


いつもの様に、常識外れな行動を取って、迷惑をかけるでないぞ!それでは、本題に入る。お主が気にかけていた、播磨国切り取りの件についてじゃが、


水無月の上旬に終えたぞ!これから、播磨国に本拠地を移す事になる。まあ、それに関しては儂達でやっておくから、役目に励んでおけ!


そして、ここからは播磨国に本拠地を移動してからの話になるが、柴田家の屋敷以外に、男子が学ぶ為の建物と、女子が学ぶ為の建物を作る事になった


そこに、現時点で学んでいる各家の子達は勿論、これから徳川様の三男と孫二人が来ると、大殿から教えていただいた


そう言う事になったので、お主も役目を終えて戻って来る時には、学んでいる子達に恥ない振る舞いをする様に!そして、最期に柴田家の身内の話になるが、


先ず、文が、黒田家嫡男の吉兵衛へ茶々や初の様に、「私を嫁に貰いませんか」と申し出た。勿論、儂も吉兵衛の父の官兵衛殿も、良いと思ったが、市から


「六三郎と共に出陣した戦で武功を挙げてから」と、喜平次や弥三郎と同じ条件を出して来た。まあ、それに関しては、此度の播磨国切り取りで武功を挙げたから


それで市には納得してもらおうと思う。だから、お主は、何も気にせず、役目に励め!」と、父からの文は以上です」


俺が文を読み終えると、新太郎殿は


「いやはや、播磨国と言えば、この関東でも「播州武士」と呼ばれる程の荒々しい武士が多い国と聞いておりますが、


その播磨国を征圧したとは、柴田家は織田家中随一の武断の家なのですな」


そう感想を言って、源三殿は


「柴田殿。「私を嫁に貰いませんか?」と申し出た女子はもしや、妹君なのですか?確か、他の女子の様に、とありましたが」


文の破天荒な行動に食いつきました。まあ、説明するしかないよな


「源三殿、その通りです。文とは、拙者の4番目の妹で、他に出ていた名前の茶々は1番目の妹て、現在は上杉越後守殿の正室になっており、


初は2番目の妹で、現在は長宗我部土佐守殿の嫡男の正室になっております。そして、何故かは分かりませぬが、妹達は、「この殿方!」と決めたら、


自身を猛烈な勢いで、売り込むのです。その様な行動は教えていなかったのですが、いつの間にか」


そう説明したら、源三殿は


「話を聞くに、柴田家の姫君は、全員男子であれば一廉の武将になれたかもしれないですな。それ程に強い女子に思いますぞ」


「柴田家の姫君は、男だったら全員凄い武将になったかもしれませんね」


と、中々に的確な事を言って来ます。否定出来ないのは親父とお袋の教育のせいにしよう


「はっはっは。まあ、お転婆ではありますが、我儘でさありませぬので、嫁ぎ先でも仲睦まじく過ごしておりますので」


俺がそう言って、会話が一旦途切れると


「新太郎様!義兄上!」


福さんの慌てている様な声が聞こえて来た。大広間に到着すると


「福!何事じゃ!」


新太郎殿が、福さんに問いかける。福さんは息を切らせながら


「か、か、かな、子、殿が、産気、づき、ました!今は産婆達と高代殿が側についております!急ぎ、神棚の部屋へ行ってください!私もかな子殿の側に向かいますから!」


かな子さんが産気づいた事を知らせてくれた。この知らせに新太郎殿は


「分かった!福、急いで戻れ!兄上!そして柴田殿!安産祈願に行きましょう!」


すぐに動く決断をくだす。そして、神棚のある部屋に移動して、


俺含め3人で安産祈願を始めると、いつの間にか、中庭の方でも家臣の皆さんが安産祈願をやっている。その中に赤備えの皆も居る


そして、福さんが知らせに来てから、およそ3時間後


オギャー!オギャー!オギャー!


産声が聞こえた。その声に源三殿は


「産ま、産まれ、た。儂の、子が」


声が震える程、喜んでいた。そんな源三殿に、新太郎殿が


「兄上。かな子殿の側に行って、労いの言葉をかけて、お子を抱いてくだされ」


源三殿にかな子さんと赤ちゃんの元に行く様、促す。促された源三殿は


「行ってくる」と一言だけ言って、部屋を出て行った。


神棚の部屋を出た源三は、急いでかな子と子供に会う為、急ぎ足になる。そして


「かな子。入るぞ」


そう言って、部屋に入る。そして、産婆から


「源三様!姫君でございます!」


と、赤ちゃんを見せてもらうと、源三は


「儂にとって、初めての実子じゃ。男子や女子などは、どうでも良い。とにかく、かな子よ、誠に、誠に儂の子を産んでくれてありがとう!誠に!誠に!」


涙を流しながら、かな子の手を握り、感謝を述べる。かな子から源三へ


「源三様。男子ではなくとも、その様に喜んでいただき、嬉しゅうございます。あとはきく乃殿、くる実殿、そして比左様の出産の無事を祈りましょう」


残る3人の出産の無事を祈ってくれと頼むと、源三は


「勿論じゃ!かな子、改めてありがとう!今はゆっくり休んでくれ」


「はい」


かな子を休ませて、部屋を出た。その日は源三の長女の誕生で、鉢形城全体がお祝いムードになっていた。


その3日後に、きく乃も女児を出産した。これで、源三の嫁で出産待ちは、3人目の側室のくる実と、正室の比左になるが


2人の出産までは、少しだけ余裕がある為、鉢形城は、これまでの平穏に戻っていた様に見えたが


同日夜

北条幻庵私室


この日、幻庵は氏政に文を書く為の準備をしていた。そこに


「小太郎か。何かあったか?」


いつの間にか、幻庵の後ろに風魔衆の頭領、風魔小太郎が片膝をついた状態になっていた。その状態の小太郎は幻庵に


「はい。松田左衛門佐、軍備を増強しており、謀反の兆候ありと、潜入させている者より報告が入りました」


松田の動きを報告する。報告を受けた幻庵は、


「ふむ。松田の領地は、この鉢形城からは遠いから、あまり、気にせずとも良い。だが、もしも、この鉢形城や小田原城へ進軍したのであれば


そうじゃな、北条家は勿論、柴田殿にも少しは働いてもらうとするかのう。小太郎よ、とりあえず松田は今のところは泳がせておけ」


松田を泳がす命令を出す。そして


「お主は引き続き、「風間殿」として、柴田殿を見張っておけ」


「ははっ!」


六三郎が足音が無くてビビる「風間殿」を続ける様に命令して、幻庵と小太郎のやり取りは終了した。

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― 新着の感想 ―
妊活に加えて戦働きとなると、追加見積もりさせていただきますね(社畜感 まぁ六三郎なら出産祝いとして手伝いそうな節もあるw
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