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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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祖母対孫娘の言い争い

「柴田播磨守六三郎と申します。ご丁寧な挨拶、忝い」


一応、俺も挨拶を返しておきます。督姫様は、俺の挨拶に


「この度は、誠にご迷惑をおかけしました。そして、話は変わりますが、於義伊、祖母様から聞きましたが、


あなたと妹の於古都が柴田様のお屋敷で世話になっている頃に私が嫁いだから、初対面になりますね。あなたと於古都の姉の督です」


軽いお返しをしたあと、於義伊くんに挨拶をする。於義伊くんも


「初めまして姉上。挨拶が遅くなり、申し訳ありませぬ」


挨拶を返す。その様子を見て、於大様は


「督、六三郎殿と於義伊、お二人との挨拶も終わりましたね?それでは、何故、婿殿が新次郎のやった事に対して、武田家に来て、


督と共に頭を下げないのか。その理由を答えなさい!あなた一人だけ来て、頭を下げても、何の意味もありませんよ?」


「なんで、旦那は来ないのか?」と、督姫様に聞いておりますが、その声がとても低いので、中々の迫力があります


ですが、そんな於大様に督姫様も負けていません


「ですから祖母様。先程も言いましたが、左京様は、父上と共に安土城へ行って、織田様に頭を下げてから、此度の事の落とし所を決める話し合いを行なうのです!


そこで私は父上から、「新次郎の側に居てやれ」と言われたので、こうして、武田家に来たのです!そもそも、祖母様も何故、今だに武田家の世話になっているのですか?」


「旦那が来ないのは、話し合いをしているからだ、そもそも、なんで婆ちゃんは今でも世話になっているんだ」と、


若干、論点ずらし的な反論をするけど、於大様は


「あら、私はあなた達夫婦は勿論、あなたの舅である相模守殿や、新次郎の兄、更には北条家一門が、誰も武田家に頭を下げに来ない中、


新次郎の元に来たのですよ?褒められはすれど、文句を言われる筋合は無いと思いますが?」


督姫様どころか、北条家にとって痛いところを突く。督姫様は


「だったら、これからは左京様が来るまで、私が新次郎の元に居ます!なので、祖母様は浜松城へお帰りください」


「自分が新次郎の側に居るから、婆ちゃんは実家に帰ってくれ!」


と、トンデモ発言を言い放つ。でも、こういう言い争いだと、やっぱり於大様の経験値が違いすぎて


「何を言うかと思ったら、此処は北条家の領地ではありません。武田家の領地です。私に言うのではなく、武田家当主の虎次郎殿にお頼みして、了承してもらうのが、筋と言うものでしょう?違いますか?」


督姫様に対して、「此処は武田家の領地なんだから、新次郎の側に居たいのであれば、武田家当主にお頼みして、了承されてからだろ!」と嗜める


嗜められた督姫様は、


「武田虎次郎様。私を新次郎の側に置いてもらえないでしょうか?お願いします!」


虎次郎くんに頭を下げて、お願いする。虎次郎くんは


「奥方殿、新次郎殿を思う気持ちは理解出来るが、この躑躅ヶ崎館は、現在、人が寝泊まり出来る場所が、ほぼほぼ無いのです


それこそ、奥方殿と侍女二人くらいなら、どうにかなりますが、護衛の方々が寝泊まりする場所が」


やんわり断ろうとした。そんな虎次郎くんに続いて、於大様が


「良いですか督、寝泊まりする場所が足りないだけでなく、こちらの武田家は、六三郎殿の柴田家と同様に、「働かざる者、食うべからず」の精神を持っております。それは、私も例外ではありません


私は、武田家中の幼い女子や、諸事情で武田家の世話になっている他家の女子に、武家の女子としての心得を含めた色々な事を教える等で働いております


改めて聞きますが、督。あなたは、どの様な働きが出来るのですか?」


これでもかと、督姫様に圧をかけて、追い詰める。追い詰められた督姫様は


「わ、私は、琴を教えたり出来ます」


何とか自分の得意分野をアピールするが、於大様は


「琴を教える事が出来ても、琴が人数分無ければ、何の意味もありません!今この場に、人数分の琴があるのであれば、話は別ですが、無いのであれば無意味です!」


と、バッサリ切り捨てた。アピールする武器か無くなったらしい督姫様は


「私は、我が子の、新次郎の側に居たいだけなのです!それは、そんなにいけない事なのですか?」


と、大泣きしだした。これに於大様は、


「情けない姿を見せるんじゃありません!」


と、一喝するが、状況は変わらない。ここで虎次郎くんが、助け舟を出す。その内容が


「於大様。あまり厳しくなされても、話が進みませぬ。なので、こうしましょう。奥方殿の護衛の方々が、


自ら寝泊まり出来る簡易的な寝所を作り、現在、武田家が行なっている甲斐国の復興を手伝ってくれるのであれば、奥方殿が躑躅ヶ崎館に侍女数人と寝泊まりする事を了承しますが、如何なさいますか?」


と言う、「自分達で寝所を作って、護衛の奴らが甲斐国の復興を手伝ってくれるのであれば、督姫様と侍女数人は寝泊まりしても良いよ」


内容だった。それを聞いた督姫様は


「はい!その条件に従います!ありがとうございます!」


と、平伏して、感謝していた。そんな督姫様を見て虎次郎くんは


「於大様。そう言う事で決まりましたので」


と於大様に話を振ると、於大様は


「虎次郎殿が、そう決めたのであれば、私は従います」


虎次郎くんの決断に従う旨の発言をする。そんなこんなで、とりあえず、話はまとまりました


あれ?今回の祖母と孫娘の戦い、俺って必要なかったよな?どう考えても、戦いの後でも挨拶は出来たと思うのだか?だったら酒作りをしておけば良かった


六三郎は、自分はこの場に要らなかっただろ。と、思ったが、そんな空気ではなかったので、早く酒作りに行きたいと思っていた。

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― 新着の感想 ―
確かに虎次郎君さえ居れば済む話でしたが、まぁ織田家中で武田家は六三郎一門の門下生扱いで実質六三郎が後見人だから仕方ないよね。すでにほとんどの若い当主や子息で六三郎の門下生でない人はごくわずかとはいえ……
まぁ実質徳川さんちの家族ゲンカみたいな所あるし、徹頭徹尾六三郎には関係ない案件だもんなぁ…。 虎次郎くんが若く義弟候補だから居ただろうけど、大人だったら仕事優先しただろうなw
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