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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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日本初の国産ワイン作りスタート

戦国時代で出来るワイン作り、という事で書いております。ワイン作りをしている人から見たら、色々違うと思うかもしれませんが、フィクションという事でご了承ください。

天正十七年(1589年)十月九日

甲斐国 躑躅ヶ崎館


「何と無礼な!」


「虎次郎様が自ら交渉に赴いたと言うのに!」


「その様な酒蔵、叩き壊しましょう!」


皆さんおはようございます。朝から殺気立っている武田家臣団に若干、引いている柴田六三郎です。まあ、殺気立っている理由は、最初の挨拶で虎次郎くんが


「躑躅ヶ崎館の周囲にある十ヶ所全ての酒蔵に、新しい酒作りの交渉をしたが、全て断られてしまった。済まぬ」と、言った事がきっかけてす。ですが虎次郎くんは


「皆が儂の為に怒り心頭な事、誠にありがたい。だが、甲斐国の復興と泥かぶれの殲滅という目標に向けて一致団結しているのじゃ!ここは拳を下げてくれ」


と言った事で、何とか落ち着いてくれました。そして、家臣の皆さんが落ち着いた事を確認した虎次郎くんは、


「そこでじゃ!そこに居られる柴田六三郎殿から、素晴らしい言葉をいただいた!その言葉は、「杜氏達が新しい酒を作らないなら、武田家が新しい酒を作れば良い!」じゃ!」


俺が前日に言った言葉を少し盛って家臣の皆さんへ伝える。その言葉を聞いた家臣の皆さんは


「おお!何と剛毅な!」


「六三郎殿の言う通りじゃ!武田家で作ってしまおう!」


「杜氏達が作れるのじゃ!儂達が作れない道理は無い!」


「甲斐国の中央の盆地を埋め立てる事に比べたら、酒作りなど大した事ではない!」


という感じで、とてもテンションが上がっております。うん、やっぱり甲斐国の男は基本的に脳筋な人が多めなんだな


そんな事を考えていたら、虎次郎くんから


「それでは六三郎殿!以前、仰っていた南蛮人が好むワインと言う酒の作り方を、皆に教えていただきたく」


「ワインの作り方皆に教えてくれ」と言われて、家臣の皆さんからも


「「「「よろしくお願いします」」」」


と、言われましたので、それじゃあ日本の歴史上初めてのワイン作りのスタートです


「それでは皆様!中庭に移動しましょう!そこで、聞いた範囲内ですが作り方をお見せします」


そう言うと、全員で中庭に移動しまして


「それでは、先ず、ワインの原材料ですがこれだけです!」


葡萄を見せると、


「おお!盆地を埋め立てて作った畑に大量に植えられておる紫色の葡萄と言う名の果物ではないか!」


「あの、とても甘くて美味い果物が酒になるのか?」


「そのまま食べた方が銭になるのでは?」


と、様々な声が聞こえてきます。まあ、最初はそう思いますよね。でも、だからこそ違いが出てくると、面白いんですよ?


「さて、それでは作り方をお見せします。先ず、葡萄の実を水で洗い、葡萄の中で1番硬い軸の様な部分を取り、そして、


種を取り、残った皮と実を、樽の中にどんどん入れて行きながら、潰していきます。そして、溢れない量まで潰した葡萄の水分が溜まりましたら、


四日程、涼しい場所に置いておきます。そして、五日目からは、中の水分を一日に一度かき混ぜます。それを十日繰り返していけば、このワインと言う酒は、


南蛮では、日の本の酒樽より大きな樽に入れて、1年以上も熟成させてから飲むそうです!ですが、現在の日の本では、甲斐国でしか作っておりませぬ!


それでは、味の違いが分からぬでしょうから、此度は、この樽に入れたワインを二十日後に呑む途中に、同じ日に飲む十日後に呑むワインも作ります


なので、この樽には「二十日熟成」、そして、十日熟成用の樽には「十日熟成」と書いておきます


このワインの樽の中を家臣の皆様、全員が交代して、しっかりと管理していく事で、ワイン作りの第一歩としましょう。中の水分が出ない様、樽を持った状態でも、


中の水分を攪拌出来るでしょうが、無理はしないでくだされ。それでは、虎次郎様」


「六三郎殿!覚えている範囲内とは言え、そこまで教えていただき、忝い!それでは皆、十日熟成のワインも六三郎殿に作ってもらい、我々はワインの管理をしっかりと、気をつけてやっていこう!」


「「「「ははっ!」」」」


こうして、試験的ではあるが、日本初のワイン作りがスタートした。


天正十七年(1589年)十月十三日

甲斐国 躑躅ヶ崎館


皆さんおはようございます。今日は朝から十日熟成のワインを作る為、葡萄を潰す作業をやっております、柴田六三郎です。


既に樽の中は潰された葡萄の水分で満たされております。これを二十日熟成のワインと飲み比べるので、あとは、武田家家臣の皆さんに頑張ってもらいましょう


天正十七年(1589年)十月二十七日

甲斐国 躑躅ヶ崎館


「さて、皆も待ちに待ったワインの飲み比べじゃ!此度は特別に、杜氏の皆にも来てもらった!忙しい中、済まぬな!」


皆さんおはようございます。本日、日本初となるワインの試飲と、飲み比べに参加します柴田六三郎です。


いや、大広間に来て驚きました。武田家家臣の皆さんと俺だけだと思っていたら、杜氏の皆さんも居るんですから!


どれだけ、虎次郎くんがワインを甲斐国の復興において、重要と見ているか。と、実感しております


そして、俺が到着したのを確認した虎次郎くんは


「それでは六三郎殿も到着した事で、ワインの飲み比べをしてもらいたい!儂は元服前なので、飲めぬ!なので、皆の舌と言葉を聞いた上で、判断したい!」


「家臣の皆の舌と言葉を信じる」と宣言しました。まったく、本当に虎次郎くんは格好いいな!


それじゃあ、日本初の国産ワインを飲んで、更に飲み比べてもらいましょう!

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― 新着の感想 ―
おや?処女の女性に足ふみさせないんですね。元々日本でも処女の女性に米を煮たものを口の中で嚙ませ吐き出させたものを醸して酒にするという伝統が有ったので受け入れられやすいとは思いますが……その辺は、これか…
0から1を生み出して見せてみれば、そこから発展させようって気にもなりやすいし、ダメなら武田家で独自に作り手を育てて利益を得ても良いですな。 ワインと言うと、足で踏んで作るイメージが大きいんですよねぇ。
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