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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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愚か者が消えて土木作業終了と新たな始まりの前に

天正十七年(1589年)六月二十日

甲斐国 某所


「殿!遂に!遂に!!」


「うむ!皆が力を合わせて、埋め立て作業を頑張った結果じゃ!」


皆さんこんにちは。本日午後の作業で、とうとう甲府盆地の全てを埋め立てました柴田六三郎です。前年の弥生に工事を開始して、梅雨入りのせいで中断して


色々ありながらも、なんとか埋め立て作業を終了出来ました。いや、本当に終わってホッとしております


昌幸さんの弟の信尹さんから、新発田左源太とやらが八つ当たりみたいな感じで攻めてくる。みたいな情報を聞いていたのが、およそ40日前でしたが、


上杉殿へその事を伝えて、それ以降の音沙汰が無い事を考えると、何とか越後国内で始末してくれたのかもしれませんね。まあ、すこ〜しだけ脅迫めいた文を書きましたのですが、始末してくれたという事にしましょう


それじゃあ、埋め立て終了の報告に行きましょうか


まだ日の高いうちに大広間に俺が現れると、虎次郎くん、五郎さん、典厩様は不思議そうな顔をしている。でも、俺の報告を聞いて顔が変わる


「虎次郎様、仁科様、典厩様!本日の午後の作業にて、埋め立て終了となりました!」


俺の報告を聞いて、


「ま、誠ですか六三郎殿!!遂に!遂に!」


虎次郎くんが喜びのあまり大声になっております。更には五郎さんも典厩様も


「六三郎殿。陣頭指揮を取っていただき、誠にありがとうございます」


「他家の方々のまとめ役も担いながらの、陣頭指揮、誠に、どれ程の感謝の言葉を述べたら良いか」


軽く泣いております。でも、3人共、これで終わりではありませんよ?これはスタートですから


「虎次郎様、仁科様、典厩様。お言葉はありがたいのですが、埋め立ては確かに終わりましたが、今から、農作物を植えて始まるのです


武田家の銭になる物を育てて回収する為の戦。とでも言えば良いでしょうか」


俺の言葉に浮かれ気分だった3人は


「そうであった!六三郎殿、これからが始まりでしたな」


「年甲斐もなく浮かれてしまいました」


「まだまだ先は長いというのに、恥ずかしい」


現実に戻りました。まあ、気持ちも引き締まったという事で、


「いえ、喜ぶ気持ちも仕方ない事ですから。今日は皆様以外にも、埋め立て終了を伝えないといけない場所がありますので、拙者はこれで」


そう伝えたら、五郎さんが


「六三郎殿、もしや二郎兄上の元へ?」


俺の行き先を当てました。まあ、隠す方でもないので


「ええ。流石に盲目の竜芳殿を此方まで案内するのは酷ですから、それに竜芳殿の嫡男の竜二郎殿の働きも報告しないといけませぬから」


そこまで伝えると、


「六三郎殿!拙者も共に行きます!」


虎次郎くんが宣言して、更に、


「六三郎殿。拙者も行きます」


「拙者も同じく」


五郎さんと典厩様も同行すると宣言します。大人数じゃないから、まあ良いか


「では、今から行きましょう」


そう言って、護衛含めて40人くらいで恵林寺に行きましたら


「紹喜和尚!今日は喜ばしい報告を、二郎伯父上にしたいと思い、参りました!案内をお願い出来ますでしょうか?」


虎次郎くんが先陣を切りました。でも、紹喜殿の顔が笑顔なので、恐らく知っているだろうなと思ったら


「虎次郎様、そして皆様。埋め立ての件ですな。竜芳の息子の竜二郎から聞いておると思いますが、皆様からの報告を聞いたら、竜芳もより信頼するでしょうから


案内しましょう。それから皆様、なにやら竜芳が皆様にお頼みしたい事があると、以前言っておりましたので、聞いていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」


竜芳さんから、何かしらのリクエストがある様です。まあ、武田家中の話の可能性が高いと思うし、俺は大人しくしておくか


そうこうしているうちに、竜芳殿の元へ案内されましたら


「竜芳!久しぶりに親族が来たぞ」


と、伝えたら


「紹喜様。五郎が来たのですか?」


そんな反応をしましたが、待てなかったのか


「二郎伯父上!虎次郎にございます!今日は五郎叔父上と典厩叔父上、そして六三郎殿と参りました!!」


虎次郎くんが声を出しました。その声が余程嬉しかったのか


「虎次郎殿。五郎と典厩殿、更に六三郎殿までも!何やら声が嬉しそうですが、何があったのか教えていただけますかな?」


早く教えてくれと催促するので、


「伯父上の側にて話します」


虎次郎くんと一緒に、竜芳殿の側に行きまして


「二郎伯父上!今から伝える事は、この甲斐国が変わる第一歩です。よく聞いてくだされ!実は、今日の午後で、甲斐国の中央を全て埋め立てました!!」


虎次郎くんが話すと、竜芳殿は


「ま、ま、誠か?虎次郎殿!五郎!典厩殿!六三郎殿!」


とても興奮しております。そんな竜芳殿を


「兄上。誠です!本来なら武田家が頑張らないといけない事ですが、織田家、徳川家、上杉家、長宗我部家、そして畿内や海道で募集した方々、


合わせて一万もの大人数で埋め立て作業を実施したのですが、前年の弥生から始まり、今日、遂に終わったのですかっ」


五郎さんが宥めながら説明すると、竜芳殿は


「五郎。儂の倅の竜二郎は何も言わずに寝ておるが、誠に、埋め立ては終わったのか?」


竜二郎くんから聞いてない様です。しかも寝ている。と言っております。それも仕方ないですね


だって、何も言わずに黙々と働いていましたから、疲れ果てて寝てるのも納得です。でも、竜芳殿は


「あのたわけ!!五郎!済まぬが、竜二郎を連れて来てくれぬか?動かぬ様であれば、首根っこを引きずってでも連れて来てくれ!」


「は、ははっ!」


怒り心頭で、元服間もない武士なんてビビりそうな程の覇気で、五郎さんに竜二郎くんを連れてくる様に頼む。そして、五郎さんが部屋の外に出て程なく


「兄上!連れて参りましたぞ」


五郎さんが戻って来たのですが。うん。予想通り、竜二郎くんは寝ています。五郎さんの背中で爆睡中です


そんな竜二郎くんを見た竜芳殿は


「竜二郎!起きんか!!」


さっきよりも更に大きな声で、竜二郎くんを起こす。うん、改めて竜芳殿も武田信玄の息子と納得する程の覇気ですよ。で、慌てて起きた竜二郎くんに対して


「竜二郎!今日は御本家の方々が来ておると同時に、埋め立ての陣頭指揮を取ってくださった柴田六三郎様も来ておる!丁度良い機会じゃ!


お主の事で、話しておきたい事がある!だから、早く目を覚まさんか!」


「は、はい!申し訳ありませぬ父上!」


そんな意味深な事を言って来た。これは、武田家中の話になると思うのですが、俺も居ないとダメですか?

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― 新着の感想 ―
虎の子は虎ですなぁ。 これで土壌問題は一段落したけど、この様子だと六三郎のお仕事が減ることはなさそうだw
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