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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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三村家の三乃は実は

秀吉に仕える事になった三村家は、寧々の意向もあり、備中高松城の近くの小さめな家に住む事になった


そんな三村家は、明日から出仕を命じられたので、今日は一先ず、休む事にする


翌日


「「「「弾正様!今日より、よろしくお願いします!」」」」


「うむ。先ず、立之進と三之尉は、紀之介の案内で城の中と外を見ながら、どの様な場所かを少しずつ覚えてくれ」


「「ははっ!」」


「それから三好。お主の仕事じゃが、基本的には女中として働いてもらうが」


「女中以外のお仕事があるのですか?」


「うむ。と言っても、難しい事ではない。お主と同じ嫁仲間に対して、儂の若い家臣達の嫁候補が居ないか、調べたり連れて来たりして欲しいのじゃ


念の為に言っておくが、無理矢理連れて来てはならぬぞ?そこは、分かってくれ」


「は、はい」


「それから、娘の三乃」


「はい!」


「お主は、儂の正室の寧々の元で、侍女に必要な色々な事を学ぶのじゃ。流石に、まだ四歳の三乃に、あれもこれやれ!とは言えぬ。それに、何故か寧々が、お主の事を気に入っておるからのう」


秀吉がそう言うと、寧々が


「ほっほっほ。殿、三村家は全員、見目麗しいのですから、早いうちに武家の姫としての教養を身につけておけば、きっと、良き縁談も来るでしょうから」


と、笑顔で答える。秀吉は


「まあ、三村家全員が見目麗しいは否定せんが、いきなり、あれもこれもと教えてはいかんぞ?」


寧々にやり過ぎるなと釘を刺す。そうこうしている内に、


「殿!準備が整いましたので」


紀之介が立之進と三之尉を案内する準備が出来たと伝えて、秀吉も


「うむ。それでは立之進と三之尉、あ奴が案内役の大谷紀之介じゃ。紀之介の案内に着いていってくれ」


「「ははっ!」」


こうして、先ず三村家の男2人が大広間から出て行き、次に


「それで三好、お主は女中も務めておる家臣の嫁、そうじゃな、伊右衛門の嫁の千代に頼むか、千代!三好に基本的な仕事を教えてやってくれ!」


「はい!かしこまりました!」


母の三好が、大広間から出て行く。残った三乃は、


「さて、三乃。私について来なさい」


「はい!」


寧々が部屋に連れて行く。寧々と三乃の足音が聞こえなくなると秀吉は秀長に


「小一郎!寧々も言っておったが、三村家は全員、誠に見目麗しいのう!いやあ、もしも三好が独身だったら、儂は手を出していたかもしれぬ


それ程の美貌じゃ!それに、立之進と三之尉、男二人も、それこそ、大殿や殿に勝るとも劣らない色男じゃ!小一郎よ、世の中には正しく「美男美女」と言う言葉が当てはまる夫婦が居るのじゃな!


それに、両親の美貌が子供達にも満遍なく受け継がれておる!これは、前日の夜に寧々が言っておった計画を進めても良いな!」


三村家全員の美貌を褒めると共に、ある計画を進めようと宣言した、その宣言に対して秀長は


「兄上、その計画とは「三乃を将来的に若君の正室に」ですな?」


秀吉と寧々の計画を当てる。当てられた秀吉は


「うむ。あれ程の見目麗しい娘じゃ!それこそ、無事に成長したら、そこら辺の姫なぞ淘汰してしまうかもしれぬ!その存在が知られたら、他の大名家に


「是非とも、うちの嫡男の嫁に」と争奪戦になるかもしれぬ!そうなる前に、六三郎殿と正室の様に、幼い頃から共に過ごしていけば、ゆくゆくは夫婦になるはずじゃ!


長望丸は、今のところ儂よりも寧々の血筋の方が多めに出ておるから大丈夫だと思うが、ここから成長するにつれて、


儂の様な、人に笑われる顔になってしまうかもしれぬ!そうなってから、嫁探しをしても遅い!それこそ、寧々の様な心の広い女子など、そうそう居らぬ!だからこそ、今から仲を深めてもらうとしよう!」


計画を開始する理由は、嫡男の長望丸の顔が自分に似て来たら、そこからの嫁取りは間違いなく苦労するから、六三郎と道乃の例を羽柴家でも実施する


と言う、親心からのものだった。秀吉の説明を聞いていた秀長は


「兄上。その様に考えていたのですね。ならば兄上と義姉上の計画が滞りなく進む様、他の者達に「三村家全員に手を出すべからず」と周知させておきましょう」


他の家臣達が三村家全員に手を出さない様に動くと伝える。秀吉も


「済まぬが、よろしく頼む。長望丸達が元服した時、恐らく、日の本からほぼ戦は無いじゃろう、平和な世になった時、


男が嫁を取りやすいかどうかは、武力や家格以上に顔が重要になると儂は思う。だからこそ、不安はひとつでも多く取り除きたい」


熱意のある言葉を語ると、秀長は


「兄上、先ずはひとつずつ行きましょう」


そう言って、秀吉を落ち着かせる。そんなやり取りを終えて、仕事を始める。そして、あっという間に


帰る時間になり、三乃は家に到着し、夕飯を食べて、明日の為に寝床に入る。そんな三乃は実は


(ふふふ。前世の記憶がある状態で過去の時代、それも戦国時代に転生するなんて、最初は絶望感しかなかったわ!しかも、生まれた家は三村家っていう、


私みたいな歴史の知識が浅い人間は知らない家。戦に巻き込まれる事は無かったし、お父さんもお母さんもお兄ちゃんも優しい。そこは有り難かったし、


私含めて、家族全員美形なんてミラクルだったし、そこも有り難かったけど、実家が貧乏過ぎて耐えられない!でも、数え年で四歳、実年齢三歳の私には何も出来ない!


そんな時に、羽柴家からの仕官募集案内が来た!これは、お父さんの背中を押して、お尻を叩いて正解だった!代官様の所に行って、名字を名乗ったら驚かれて


そこからお城に行ったら、まさかの秀吉!秀吉って天下人のイメージがあったけど、自己紹介では「織田家家臣」と言ってたから、そう言うって事は


秀吉の主君の信長が生きている事が確定だから、もしかしたら会えるかもしれない!それに、今日寧々様に色々と教えてもらったけど、私のお願いする姿を見て、姫として成長させたい。と言われたし、


やっぱりロリ系美少女がお願いすると、時代も性別も超えて、聞いてもらえるのね!


寧々様に色々教えてもらって、私がちゃんとしたお姫様になったら、お父さんが領地を貰って、


今よりマシな暮らしが出来る可能性は高いよね?それじゃあ、明日も頑張ろう。その為にも眠ろう)


三乃はそのま眠りについた。読者の中には分かった人も居るだろうが、三村家の三乃は朝倉家の高代、毛利家の安芸乃と同じ、逆行転生者だ


上記の2人と違う点として、まだ子供なので、自分では何も出来ない事を理解している事と、家族全員が目を奪われる美形である事、そして、本人が美貌に自身を持っている事だ


秀吉と寧々の囲い込み計画を知らないまま、三村家は明日も出仕する。

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― 新着の感想 ―
三歳なら前世の記憶も遠くないだろうし、下手なこと考えなければ大大名の正室もありうるな。 歴史知識が浅いなら、下手に介入するより安定を選びそうだw
このままあと十年くらいで天下統一なら美幼女ナイスポジションゲットかあ(笑) ただ激務やでぇ大大名の正室でまだ国造り最中やし。
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