2人対200人の嫁争奪戦の結果は
天正十六年(1588年)三月二十一日
甲斐国 躑躅ヶ崎館
「では、早苗殿、将殿。独り身の者達を連れて来ますので、ご自身の婿に相応しいと思う者を吟味してくだされ」
「「柴田様。ご配慮ありがとうございます」」
皆さんおはようございます。これから、2VS200という、倍率100倍の超万馬券、お見立て会、いや、形式的にバ◯◯◯◯◯テな企画を進行します柴田六三郎です
本来なら、昨日やる予定だったのですが、流石に全員疲れていましたし、なんだかんだで早苗さんも将さんも、あの武田信玄の孫ですから、シャキッとした状態で会わせよう!と、なりましたので、今日に変更となりました
そんな中で、高みの見物をしている既婚者の源太郎と源次郎と銀次郎と金之助と昌幸さんが、俺の近くに居るのは分かるのですが、
「これから夫婦が最低でも二組、誕生するのですね!」
「楽しみで仕方ありません」
「きっと、姫達も悩むでしょうねえ」
「この様な方法の嫁取りもあるのですねえ」
まさかの光、花、次、義乃さんの旦那に着いてきた嫁4名が、同じく高みの見物をしておりますが、いや皆さん?そこはせめて、早苗さんと将さんに何かしらのアドバイスをしませんか?
あ、でも、この時代の女の人で消極的な人なんて、見た事無いから、ある意味でこれは正解かもしれないから、スルーしておくか
それじゃあ、2VS200の、倍率100倍の婿取り企画スタートしましょう!
「それでは、最初の6名!入って来い!」
「「「「「「ははっ!」」」」」」
最初の6名を大広間に呼び寄せて、早苗さんと将さんに顔を見せます。あ、1組6名にした理由ですが、新十郎くんと共の人を合わせた人数と、既婚者5名を引いた合計が228名なので、
そこから1組6名が、自己紹介をしたら、名前と顔を覚えやすいかもしれない、顔以外の部分も覚えられるかもしれない。という俺の独断です。早苗さんと将さんの好みが分からないので、
俺含めて既婚者以外の面々が、2人の好みである事を願いながら、進行していき、全組終わる頃には、推定で夜の8時でした。その頃には三女の鈴ちゃん、四女の仙ちゃんは寝ていました
そんな中で、早苗さんと言うさんの答えは、
「「明日、発表します」」だった。まあ、流石に全員疲れておますし、そうしましょう
翌日
「さて、早苗と将。一日じっくり考えて、お主達がそれぞれ嫁入りしたいと思う殿方は居たか?」
「「はい!居ました!」」
皆さんおはようございます。五郎さんの娘2人の婿候補の結果発表の場に立ち会っております柴田六三郎です
昨日1日で全員を見て、更に一晩考えた結果、どうなるのか、楽しみではあります。で、そんな娘達に五郎さんが
「そうか。では、早苗から発表せよ」
早苗さんから発表を促します。早苗さんの答えは
「私が嫁入りしたい殿方は、、、真田源三郎様です」
昌幸さんの嫡男の信幸さんでした。まあ、信幸さんは真面目だし、落ち着いているし、悪い組み合わせではないな
俺がそう思っていたら、虎次郎くんが、
「六三郎殿!源三郎殿を呼んでくだされ。めでたい事は、本人に伝えてこそでしょう」
「源三郎を連れて来て、伝えよう」
と言って来ましたので、大広間に昌幸さんも信繁くんもまとめて呼び出しましたら
「殿。倅か何かやりましたでしょうか?」
と、心配している昌幸さんの言葉から始まりました。ですが、昌幸さんの顔が、既に全てを理解している顔なのです。やっぱり、昌幸さんは芝居が上手いです
で、そんな昌幸さんの意図を汲みまして
「そうじゃなあ、確かに源三郎はやらかしたなあ。ですな、仁科様?」
五郎さんに振りましたら、五郎さんも分かった様で
「そうじゃなあ。源三郎殿、確かにやらかしたぞ」
信幸さんの不安を軽く煽ると、信幸さんは
「ど、どの様な事を拙者はやらかしたのですか?」
不安そうな顔になる。その状況に我慢出来なかったのか、早苗さんが
「父上!柴田様!源三郎様を不安にさせないでください!」
そう言いながら立ち上がって、信幸さんの前に行き、手を取って
「源三郎様。あなた様の嫁になると決めました。私を嫁にしてくれますよね?」
まさかの「当然、私を嫁にするよね?」と拒否する事は不可能な言葉を言って来た。その言葉に信幸さんは
「は、はい!早苗殿を嫁として迎えます」
と、答える。更に、早苗さんは
「沢山、子をもうけましょうね」と、絶対逃さない!感を出している。それに信幸さんも
「は、はい。よろしくお願いします」
と、押される一方だったが、まあ、嫁が強い家の例として、柴田家があるし、なんだかんだで上手く行くでしょう!改めて、信幸さんと早苗さん結婚おめでとう!
で、そんなめでたい空気の次に発表する将さんですが、
「父上!柴田様!私の嫁入りしたい殿方を発表してもよろしいでしょうか?」
早く発表させろ!と、気合いが入っております。そんな将さんに
「では、将よ。発表してくれ」
発表を促すと、将さんは
「はい。私の嫁入りしたい殿方は、佐久間新十郎様です」
まさかの新十郎くんに嫁入りしたいと宣言した。あのアホ兄貴からクレームが来そうだけど、いざとなれば俺が壁になってやろう
「それでは、新十郎殿を呼び出しましょう」
と言う事で新十郎くんを大広間に呼び出しましたら、将さんはダッシュで、新十郎くんの元へ行き、
「新十郎様!私、新十郎様の嫁になります!よろしいですよね?」
手を取って、早苗さんと同じく「絶対逃さない」感を出す。新十郎くんは
「将殿。拙者は元服して間もない、まだ武功を挙げても居ないのですが、そんな拙者の嫁になってもよいのですか?」
不安から、将さんに質問する。将さんは
「何を仰るのですか!父上から教えてもらいましたが、柴田様の麾下に居たら、間違いなく武功を挙げられる。と、それならばこれから、柴田様の麾下で働いてくだされば良いのです!」
俺の麾下に居たら、武功が挙げられると父上が言ってるから、それで武功を挙げたら良いじゃない。と言っておりますが、五郎さん、それは中々の無茶振りじゃないですかねえ?
まあ、幸せな空気の中で、あーだこーだ言うのも野暮だし、何も言わないでおこう。将さんと新十郎くん結婚おめでとう!
それじゃあ、この事を安土城に居る大殿と殿と佐久間様に伝える文を書きますか!
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