赤備え全員を集めた理由と
大殿に言われて、赤備えの皆を大広間に集めましたが、うん。やっぱり、ほぼ全員、身体がゴツいから狭く感じるな。大殿も殿もそれを理解したのか、大広間の襖を外させているし、
で、やっと全員座ったのを確認した大殿から
「さて、全員集まった様じゃな!それでは、赤備え達の中で確認したいが、既に嫁が居る者は挙手せよ!」
「結婚してる者は手を上げろ!」と言われました。言われ手を上げたのは、昌幸さん、源太郎、源次郎、銀次郎、金之助の5人が手を上げる。それを見た大殿は
「ふむ。二百人以上も独り身が居るのであれば、誰か一人くらいは、見初められるじゃろうな」
何やら「見初められる」と言っておりますが、どういう事だ?
俺が考えていたら大殿は
「さて!これからが本題じゃが、典厩と六三郎は知っておるじゃろう。虎次郎の傅役で、武田家先代当主の四郎殿の弟である五郎の事じゃ!
五郎は数年前の穴山討伐の際、六三郎に対して「新たな嫁候補の女子を紹介してくれ!」と頼んでいた。だが、儂や勘九郎が六三郎を働かせ過ぎた結果、
その話は棚上げ状態になっておった。だが此度、勘九郎の正室である松の侍女として働いておった、山県家の雪が、武田家復興の手伝いで、甲斐国へ来ておる
そこで、儂は六三郎から五郎が雪と話す際、顔が真っ赤であると教えられた。なので、五郎が顔を真っ赤にする程、雪に惚れた可能性があるのであれは、
そのまま夫婦になってもらおう!と思った!だが、五郎の妹である松から、五郎と雪が夫婦になる事への懸念点を教えてもらったのじゃが、その懸念点とは、
五郎の娘達じゃ。松曰く、五郎の娘達全員、嫁入りしてない。だからこそ、雪が五郎の嫁になる事を反対するかもしれぬ!との事じゃ!そこでじゃ六三郎!
お主、赤備え達の中で独り身の者を五郎の娘と夫婦になる様にせよ!やり方はお主に任せる!五郎と雪の婚姻が成功して、男児が産まれたら、虎次郎より歳下の家臣となるのじゃ!
それはひいては、武田家の若い家臣が増える事となる!今年は無理じゃと思うから、来年から始めよ!」
俺に更なる無茶振りをしてきた。勿論、断る選択肢なんて無いから
「ははっ!」
と、返事をしたけどさ、え?俺の甲斐国での仕事って、泥かぶれ対策も兼ねた、甲斐国の復興と、これから始まる米以外の農業政策の実施だったのに、
更に赤備えの皆の嫁取りまで?しかも、それが五郎さんと雪の婚姻に繋がる可能性が高いとか!俺の仕事量、多すぎると思うのですが?
※五郎の娘は4人なので、嫁探しは4人で良いのに、パニックで赤備え全員の嫁探しと六三郎は思っております
これは、武田家の皆さんと領民の皆さん、更には手伝いで参加している徳川家と上杉家にも、仕事を振り分けよう!俺や赤備えの皆だけでは、無理だ!!
そうだ!俺にだけ仕事が来るなんておかしい!こうなったら、美濃国の領地でやった事を、甲斐国全体でやろう!虎次郎くんの一声を使ってやる!!
六三郎が多少ヤケクソになっていると、虎次郎が信長へ、
「内府様。甲斐国の復興について、お願いしたき事があります!」
「ほう。どの様な事じゃ?」
「はい!甲斐国の復興のひとつとして、米以外の農作物を育てて行く際、麦を中心に考えておりますが、麦だけでは心許ないので、麦以外の物、それこそ、
少ない水でも育てられる物を手に入れたく!そして、米以外の農作物を年貢にする事をお許しいただきたく!」
米以外も年貢とする事と、麦を以外の農作物を育てたい旨を伝える。それを聞いた信長は
「ほう。麦以外も育てて行き、米と麦とその他を年貢とするか。それでは、お主達の食べる米と税収が減るぞ?良いのか?」
武田家の食糧と税収が減ると伝える。しかし、虎次郎は
「最初の数年は辛いでしょう!ですが、領民達が飢える事なく、奪われる事なく暮らせる甲斐国を作る事は、亡き父上、祖父様、そして歴代のご先祖様の悲願です!
拙者ひとりでは無理でしょうが、叔父上達、家臣達は勿論、六三郎殿も手伝ってくれるのですか、きっと成し遂げられると思っております!」
信長を見据えて、そう言い切る。虎次郎の覚悟を聞いた信長は
「自身だけでなく、父と祖父、更には先祖の悲願として受け持つか。ならば、これ以上聞くのは野暮というものじゃな。良かろう!
勘九郎よ、儂もお主も、農作物に関しては詳しくない!そこでじゃ、虎次郎と典厩と六三郎を儂が堺へ連れて行き、商人達から色々と買い付けてくる!だから、銭を準備しておけ!」
虎次郎の言葉を聞いて、麦以外を買い付ける為に、堺に同行すると宣言する。信長の言葉に信忠は
「やはり、父上が動きますか。分かりました、銭を多めに準備しておきましょう。ですが父上、虎次郎が居るからと言って、無茶な行動は取らないでくだされ」
無茶な行動を取らないでくれと、釘を刺すが、
「はっはっは!勘九郎よ、儂はただ同行するだけじゃ!だから、どちらかと言えば、儂よりも六三郎の方が、無茶な行動を取ったり、面倒な事に巻き込まれるかもしれぬぞ?」
と、「自分より六三郎がやらかす」とフラグを立ててしまう。それを聞いた六三郎は
(ちょっと大殿!俺が何かやる事を期待しないでください!俺は静かに過ごしたいんです!絶対に何もやらないですがらね!)
絶対に何もやらない!と、自らフラグを立てていた。
少しでも面白いと思えましたら、ブックマーク登録お願いします。