表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
579/586

甲斐国の分布図作成を終えたら安土城へ

天正十五年(1587年)九月十日

甲斐国 躑躅ヶ崎館


「虎次郎様。甲斐国内の大まかな地域分けの図面製作ですが、この様になりました」


「六三郎殿!見事な働き、感謝します!それで、その図面を見せてもらえますか?」


皆さんおはようございます。2ヶ月前に虎次郎くんに頼まれた、甲斐国内における安全地域性と、危険地域の区分け図面製作の為の測量的な仕事を終えて、


その結果を報告しております柴田六三郎です。製作しながら思った事として、予想通りの安全地域と、予想以上の泥かぶれの感染地域の広さに驚いております


それは虎次郎くんも、俺と同じだった様で


「甲斐国の中央、ほぼ全域が泥かぶれに罹る者が多く、米作りに危険な地域とは。そして米作りに安全な地域はほとんどが、国境周辺地域という事は、


六三郎殿。甲斐国の中央では、米作りを禁止させて、麦を始めとした農作物を作ってもらい、それを年貢とするしかない!そう言う事ですな!?」


とても悔しそうな顔で板間を叩いていた。今年で11歳なのに、本当に立派だよ。俺の11歳の時なんて、戦で無茶苦茶してたからなあ、そんな俺と比べると、月とスッポンだよ


でも、そんな虎次郎くんだからこそ、この図面を持って安土城へ行けば、殿も大殿も納得してくれるはずだから、


「虎次郎様。そのお気持ちを、安土城で殿と大殿に伝えましょう。そして甲斐国内の現状を、その図面を見せながら説明して、便宜を図ってもらいましょう」


俺は虎次郎くんの背中を押す。俺の言葉に虎次郎くんは


「分かりました。それでは典厩叔父上、安土城へ出立の準備をしましょう」


「ははっ!」


典厩様に出立準備を命令した。それに対して五郎さんが


「虎次郎様、出立の供ならば拙者が」


そう言いながら、典厩様と役目を変更しようとしていたけど、俺や典厩様と同じく虎次郎くんも、雪と五郎さんをくっつけようとしているので、


「五郎叔父上。以前は五郎叔父上が安土城へ行ったのですから、此度は典厩叔父上に譲ってくだされ」


半ば強引に、五郎さんに留守番を命じた。五郎さんも別にこだわっている様子は無かったので


「分かりました。典厩殿、虎次郎様の事、よろしく頼みます」


すんなり引いてくれました。そして、典厩様も


「五郎殿、任せよ」


余計な事を言わずに、役目を引き受けた。とりあえずの問題も解決したので。それじゃあ、安土城へ行きましょう!


天正十五年(1587年)十月二十日

近江国 安土城


「虎次郎!典厩!そして六三郎!久しぶりじゃな!甲斐国の復興の進捗状況を聞かせてもらおうか!」


皆さんおはようございます。甲斐国から40日かけて、安土城へ到着した、柴田六三郎です。まあ、今回のスタートは虎次郎くんが切らないと始まらないので


「内府様、左中将様。実は、六三郎殿に協力してもらい、甲斐国内において米作りに危険な地域、米作りに安全な地域の図面を作ってまいりましたので、先ずは見ていただけますでしょうか?」


虎次郎くんは、持って来た図面を2人に差し出す。大殿はそれを受け取り、


「良かろう!それでは、地域毎に説明せい!」


と、命令して来ましたので、やっとスタートしましたら


「ふむ、米を安全に作れる地域は、各国との境周辺がほとんどで、中央の盆地に近づけば近づく程、危険な地域になるという事か。それでは六三郎!


いや、虎次郎に答えてもらおう!虎次郎!お主はどの様にしたい?この図面の様に、米の収穫出来る面積が少ない甲斐国の復興において、どの様な考えがあるのか申してみよ!」


何やら虎次郎くんに質問しております。此処は、俺が出しゃばるのは悪手だろうから、黙っておこう


俺がそう考えていると虎次郎くんは


「内府様、左中将様。拙者の考えとしては、武士の我々が食べる米を減らしてでも、領民達が飢えない様にしたく!そして、


その為の第一歩として、米作りに危険な地域を埋め立てて、そこに麦を始めとした、水が少なくとも育つ農作物を育てて行く計画です」


俺が教えた事も含めて、大殿へしっかりと伝えたら、大殿は嬉しそうな顔になり


「虎次郎、元服前の子供なれど、しっかりと甲斐国の復興について、考えておる様じゃな!遊びほうけていたら叱ってやろうかと思っていたが、そうではない様で安心したぞ!」


と、虎次郎くんを少しばかり試していた事を伝える。それを聞いた虎次郎くんは


「内府様。六三郎殿が八歳で初陣を経験した事に比べたら、拙者が甲斐国の事を考える事は大した事ではありませぬ。それに、拙者が我儘な子供のままでは、


五郎叔父上も、新たな嫁をもらえませぬ。だからこそ、少しでもしっかりしようと足掻いております」


五郎さんの為にしっかりしないといけないから、足掻いている。と、正直に話す。それを聞いた大殿は


「五郎の名が出て思い出したが、六三郎!!お主、赤備え達を全員連れて来ておるじゃろう!?全員、大広間に集めよ!五郎に関する、ある事を伝えたい!」


何か、赤備えの皆を集めろ!と命令して来ました。五郎さんに関する事で、赤備えの皆が関わる事って何だ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
六三郎の幼少期という本人以外は「立派すぎない?」と思ってる前例。 まぁ虎次郎くんには意外と時間ないし仕方なくはあるか。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ