誕生の宴会と名付けと仮本拠地の発表
天正十五年(1587年)一月七日
越前国 柴田家屋敷
「それでは、勘十郎と雪乃の二男の誕生を祝って乾杯!」
「「「乾杯!」」」
皆さんこんにちは。前日に浅尾家の二男が産まれたので、そのお祝いの宴会を開いております柴田六三郎です
いやあ、秀吉の正室の寧々さんの出産の時は、およそ16時間かかりましたが、今回の雪乃の出産も少し長いですが、それでも6時間くらいなので、改めて高齢出産は大変だなと、思います
そんな事を考えながら、浅尾家の家族か増えた事への宴会を開いております。久々に親子丼を作って、皆に振る舞うと、
「やはり、殿の料理は美味い!」
「これ程の飯、京でもそうそう食えぬ!」
テンションが上がって、大量に書き込んでおります
主役の勘十郎は
「殿に仕えて、十年も過ぎていない拙者に、これ程の宴を開いてくださった事、感無量にございます」
泣きながら親子丼を食べております。それを見た虎夜叉丸くんは
「父上。弟が産まれた事は、大変喜ばしい事ですが、拙者の子、つまり父上と母上の孫が産まれた時、更に泣いてしまいますぞ?」
と、ツッコミを入れる。それを聞いた勘十郎は
「その時はその時じゃ!今は、弟が産まれた幸せを噛み締めながら、殿の料理を食べよ!」
と、返す。そして、宴会も終わり頃になると、勘十郎は俺と親父に
「殿!そして大殿!恐れながら、二男の幼名を名付けていただきたく!」
産まれた二男の幼名を名付けてくれ。とリクエストして来た。このリクエストに、先ず親父が
「そうか。ならば、儂の提案としては、二男の幼名は、勘十郎の二男じゃから、「勘次郎」と言うのは、どうじゃ?」
親父はベタだけど分かりやすい幼名を提案した。それを聞いた勘十郎は
「「浅尾勘次郎」ですか。良い名ですな。殿。殿の幼名の提案を、お願いします」
俺の提案をせがむ。俺の頭の中で出たものだと、
「そうじゃな、浅尾家の3番目の子供なのじゃから、「夜叉三郎など、どうじゃ?兄の虎夜叉丸と同じ名も使っておるから、良いと思うが」
長めの幼名を提案した。勘十郎は、悩みに悩んで、
「殿の提案した、「夜叉三郎」を二男の幼名につけたいと思います。大殿、申し訳ありませぬ」
俺の提案した幼名を選んで、親父に頭を下げて詫びる。でも、親父は
「気にせずとも良い。幼名は変わる時が必ず来るのじゃからな」
勘十郎を攻めなかった。まあ、そりゃそうだ。親父がこんな事でキレる様な人なら、織田家で出世するなんて不可能だよ
で、宴もたけなわになりましたので、
「それでは、最期に!勘十郎の二男の夜叉三郎の誕生と、皆の健康と発展を祈り、乾杯!」
「「「乾杯!」」」
こうして、勘十郎の二男の夜叉三郎の誕生祝いの宴会は終わりまして、翌日
天正十五年(1587年)一月八日
越前国 柴田家屋敷
「六三郎!朝から重大な事を伝えると言う事で、主だった面々が集まったが、どの様な事を伝えるのじゃ?」
皆さんおはようございます。前日の宴会がら1夜明けて、重大発表を今からやる予定の柴田六三郎です
あまり時間を取るのもよくないので、
「父上!母上!そして皆!今日集まってもらったのは、他でもない、新たな領地の中で、仮の本拠地を伝える為じゃ!」
俺の言葉に、皆がざわつく。でも、
「何処の国に決めたのじゃ?」
親父の声で皆は静かになる。ここら辺の威厳は流石です。で、静かになったので
「父上、忝い。それでは、仮の本拠地じゃが、因幡国に決めた!理由は単純じゃが、播磨国の情勢が分からぬからじゃ!
もしも、播磨国の殆どの領主達が織田家に臣従しているのであれば、播磨国を本拠地とするが、万が一にも、黒田家以外の領主が織田家に反抗的な場合は、
戦で叩きのめしながら征圧地域を広げていくしかない!こればかりは、佐久間摂津守様の調略次第じゃから、何とも言えぬ。なので、当面は因幡国を仮の本拠地とする」
俺の発表に、最初に反応したのは親父だった
「分かった。明智家と移動の話し合いをしておこう。移動の指揮は儂が取るから、六三郎!お主は赤備え達と共に、甲斐国の復興という重要なお役目を一日も早く、終わらせて来い」
一気にまとめてくれました
「ははっ!ですが今は、銀次郎の祝言があるので、近江国へ向かう準備に取り掛かりたいと思います」
「分かった」
そう言う事で、仮の本拠地の発表は意外とすんなり終わりました。まあ、赤備えの皆か抜けたとしても、なんだかんだで柴田家の軍勢は、
一万から一万五千は居るし、戦にならない事を祈ろう。万が一にも、戦になったら官兵衛さんに指揮を取ってもらうのもアリかもしれない
「これで、全て伝え終わりじゃ!皆、元の持ち場に戻って良い。そして赤備えの皆、お主達も銀次郎の祝言に行くのだから、しっかり準備しておけ!」
俺の言葉に、源太郎が
「と、殿!誠に銀次郎の祝言に我々が参加して良いのですか?我々は立場的に」
と、言って来たけど、
「勿論、祝言が行なわれる場所には入れぬ!だが、お主達の声を聞き、何処かしらの場所で姿を見せてやれば、銀次郎も喜ぶじゃろう!」
「殿」
「ちなみにこの事は銀次郎には伝えておらぬ!なので、銀次郎を驚かせ、喜ばせ、泣かせる策じゃ!皆、気合いを入れて、銀次郎の祝言を盛り上げるぞ!」
「「「おおお!」」」
こうして、信長に続き、六三郎も銀次郎へのサプライズをスタートした。
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