表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
546/606

道乃に会って色々教えてもらったら

茶々と喜平次殿の祝言の事は、親父とお袋が色々準備するとして、俺は道乃の所に行こう。祝言から約2年。流石に今度は連れて行こう。と言う事で、


「道乃!新三郎!入っても良いか?」


2人が居るであろう利兵衛の部屋に声をかけると


「六三郎様!!」


襖が開くと同時に道乃が飛びついて来た。そして、


「遅いです!早く私を甲斐国で働く六三郎様の元へ連れて行ってください!」


と抱きつかれながら、泣かれてしまった。これは流石に恥ずかしいが、俺以外は何も出来ないから


「道乃、済まなかった。お役目の事がきっかけとはいえ、そこから出陣する事になってしまってな」


俺がそう言うと、道乃は


「お役目が他の方より多い事は知っております!それでも、六三郎様でなければならないわけでは、ないのですよね?」


半分は理解して、半分は理解してない様な発言をしている。まあ、こればかりは仕方ない


「道乃。こればかりは巡り合わせじゃからな。儂が望んだわけではない。それは分かってくれ」


俺の言葉に道乃は


「分かりました。ですが、甲斐国周辺で戦が起きたとしても、私は六三郎の側に居たいです!!」


明確に俺の側に居ると言う。まあ、今の所、戦は無いはずだし、今回は連れて行くつもりだったし、まあ良いだろう。それに、


「道乃。とりあえず部屋の中で話そう。皆が見ておるからな」


そう。皆が何事かとチラチラ覗き見している。痴話喧嘩じゃないとはいえ、夫婦の時間を見られるのは恥ずかしいです。俺の言葉に道乃は


「申し訳ありません。それでは、入ってください」


何とか落ち着いた様で、部屋の中に入ると、


「申し訳ありません」と平伏してきた。あまりうるさく言うつもりも無いので、


「道乃、とりあえず、頭を上げてくれ。話をしたい」


道乃が頭を上げてくれたので、やっとこさスタートです


「さて、道乃。祝言を挙げてから約2年。何か変わった事はあったか?」


俺の質問に道乃が答えたのですが、その答えは予想外でした


「はい。実は茶々様の嫁入りを知った江様が、「姉上達の夫になる方は、国を二つも持っているのですから、私の夫になりたいという殿方が居たら、国を二つ持っている方か、


兄上の様に、八面六臂の働きをする方でないと、私は嫁に行きません!」と、言っておりまして」


マジか!でも、初の旦那の弥三郎は阿波国と土佐国、茶々の旦那の喜平次殿は、実質2カ国分の大きさの越後国と、能登国の四分の三が領地だからか


こんな事で、姉妹同士のマウントとかやめてくれよ!この事を親父もお袋も、大広間で言わなかったのは、茶々と喜平次殿の幸せな空気を壊したくない事と


俺に丸投げするつもりだったからに違いない。これは、一度、江に会って話を聞くか


「道乃。それで、江はどの様な状況なのじゃ?誰とも話さない様な感じか?」


「いえ、それが」


道乃が発言しようとした、その時、廊下の方から「タタタ!」と走る音が聞こえたと思ったら


「兄上!どちらに居りますか!?」


俺を探す江の声も聞こえて来た。仕方ないので、襖を開けて様子を見ると、江が虎次郎くんを連れている。虎次郎くんの後ろに五郎さんも居る。


更に、五郎さんの後ろに茶々と初と親父も居る。これは、江と虎次郎くんが追われていると見て良いのか?


俺がそんな事を考えて見ていたら、


「兄上!!」


江が俺を見つけた。そして、虎次郎くんと共にスピードを上げて、俺の元へ到着すると、


「兄上!江は、虎次郎様の元へ嫁ぎます!なので、父上達を説得する事に協力してくだませ!!」


いきなり「武田家に嫁ぎます」と宣言して来た。何で初と同じ事をするんだよ!やっぱり姉妹だからか?これは茶々も同じ行動を取ったに違いない


だから、真似をしているんだろうけど、それでもだ!直ぐに「分かった、兄上に任せろ!」とは言えない


「江、それは江だけがそう言っているのではないのか?」


とりあえず、落ち着かせる感じの質問をしたのですが、ここでまさかの虎次郎くんが


「六三郎殿!拙者の義兄上になってくだされ!」


と、平伏して頼んで来た。


「私も虎次郎様も気持ちは一緒です!兄上!お願いします!」


江も同じ様に平伏して来た。そんな中で、五郎さんや、親父達が到着すると


「六三郎殿!若君は何と言っておりましたか?」


と、聞いてくるし、親父は


「六三郎!まさかと思うが、夫婦になる事を認めておらぬよな!?」


と、凄い腱膜で聞いてくる。親父よ、血圧が上がってしまうから、落ち着いてくれ。更に茶々と初は


「江!私達と違って、貴女はまだ余裕があるのですから、慌てなくとも良いではありませぬか!」


「そうです!貴女と同い年の殿方は、まだ二十歳にもなっていないのに、何故、まだ十五歳にもなってない虎次郎様なのですか!」


と、「歳下はやめなさい!」みたいな事を言っているけど、江は


「この人と決めた殿方が、私より歳下なだけで、何故そこまで言われないといけないのですか!!」


そう言いながら、俺の側に寄る。これは、この場では、簡単に収まりそうにないな


「まあまあ、江も虎次郎殿も、父上も茶々も初も仁科様も、とりあえず、こんな狭い部屋ではなく、大広間で話し合いましょう!ほら、移動してくだされ!」


「仕方ないのう」


「「兄上は江に甘いですよ!」」


と、親父と茶々と初から小言を言われたが、仕方ないものとして諦めよう


「虎次郎殿。先ずは大広間での話し合いをしてからですぞ」


「はい」


「江。江の気持ちは尊重するが、先ずは父上達と話し合いをしてからじゃ。良いな?」


「兄上は父上や姉上達を説得してくれますか?」


「出来るかぎりの事はやろう。だから、耐えるのじゃぞ?」


「はい」


とりあえず、江も落ち着いてくれた。それじゃあ、話し合いと言う名の戦に行きますか。新年早々これだもんなあ、今年くらいは仕事少なめを期待していたけど、また例年どおり社畜になるんだろうなあ


今は、それよりも、江と虎次郎くんの幸せの為に戦う事に集中しないとな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
江に甘いんじゃなくて姉妹には甘いからなぁ…w しかしこの時代の価値観的に、結婚して子作りしないで数年放置して仕事三昧は道乃も辛かろう。そして江の結婚に対応すると道乃さんに使う時間が後ろに回るというw
流石は市さんの娘、三姉妹揃って押しが強い(;^ω^) 重ねて来年の社畜も決定してしまうお兄ちゃんの悲哀よ( ;∀;)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ