表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
536/606

捕獲の連絡を聞いたからゆっくり移動しますと

天正十四年(1586年)十月三日

備後国 某所


「もう捕獲したのか?」


「はい。毛利安芸守様の手の者より、「公方の他に幕臣五十名も捕獲し、現在、安土城に向かい進んでいるとの事です」


「そうか。分かった。護衛の任務に戻ってくれ」


「ははっ」


皆さんこんにちは。雷花の部下から「阿呆公方と幕臣達を捕獲した」との報告を受けて、予想以上の速さに驚いております柴田六三郎です


正直言って、あと3日くらいかかると思っていたのですが、あれかな?毛利家の皆さんが、公方の阿呆度合いに嫌気がさして、酒を呑ませて、寝てる間に秀吉に引き渡したとか?


その可能性も無くは無いか、まあ、どっちにしろ、あとは殿と大殿がどんな沙汰をくだすか次第だしな


とりあえず、安土城へ向けて進みますか


六三郎が呑気に考えながら進む事、3日


天正十四年(1586年)十月六日

備後国 某所


「殿。備後国の海は、越前国の海と違い、波が穏やかですな」


「確かにのう。官兵衛殿。播磨国の海も、同じ様に穏やかなのですかな?」


「六三郎殿。播磨国の海なのですが、淡路国に近い所は荒れ気味ですが、遠い所は穏やかという、不思議な海なのです」


皆さんおはようございます。銀次郎から瀬戸内海の波は、日本海の波と違い穏やかだと言われたので、播磨国の波も同じなのかと質問した柴田六三郎です


前世の記憶だと、瀬戸内海は全体的に波が穏やかだったと思っていたのですが、淡路島周辺は荒れ気味と言っているので、恐らく渦潮周辺の事を言っているのかもしれません


「そうですか。しかし、その様な穏やかな海と荒れ気味な海の両面があるとなると、此度の戦で1番の武功を挙げた羽柴様は、恐らく、


領地替えで中国地方の複数の国を持つ事になるでしょうから、海に強い者達を増やさないといけない事も含めて、色々と大変そうですな」


俺がそう言うと、官兵衛さんは


「はっはっは!六三郎殿。確かに羽柴殿は一番の武功を挙げましたが、六三郎殿はその次の武功を挙げたではないですか。それを考えたら、


毛利家の領地がどれだけ削られるかにもよりますが、六三郎殿の柴田家も、移動と同時に複数の国を持つ可能性が高いですぞ?」


笑いながら、柴田家の治める国が増える可能性を示唆してきた。その可能性は、無くは無いか


柴田家が羽柴家と共に中国地方へ移動したら、殿も大殿も間違いなく、毛利家と秀吉と俺を九州征伐の先陣として行かせるつもりだろう。と言うか確定だろうな


それを逆の視点から考えると、関東と東北には行かないで済むという事になる。良い点としてはそれぐらいだけど、まあ、とりあえず沙汰を聞いてからだな


「そうなったら、隠居した父上にも少しばかり働いてもらわないといけないですな。まあ、あまり期待せずに沙汰を待つとしましょう」


「それが良いでしょうな」


そんな話をしながら、進んでいた六三郎達だが


「殿!浜辺に人が倒れております。生きているのか、確認しますか?」


(ええ〜。土左衛門、とは違うか。まあ、死んでない可能性もあるし、確認くらいはしてみるか)


「そうじゃな。確認して、生きておるのであれば、少しくらい面倒を見て、


その後、話を聞いてから色々対応しよう。官兵衛殿、上杉殿、尼子殿。少しばかり、止まるが、それでよろしいですかな?」


「戦も無い状況下じゃ。黒田家はそれで構わぬ」


「上杉家も同じく。急ぐ必要も無いのであれば」


「尼子家も同じく。こんな事も偶には良いかと」


皆さんが納得してくれましたので、急遽レスキュー開始です。レスキューとは言っても、浜辺に打ちあげはれている人間2人を連れてくるだけですが


で、赤備えの10人くらいで、2人と、2人の荷物らしき物を回収して、急遽作った仮の本陣に移動させまして


火を焚いて、2人を温かい格好で寝かせていました。背格好だけで見ると、10歳前後の女の子と、8歳前後の男の子の姉弟の様です


呼吸はしているので、生きている事は間違いないのですが、無理に起こす必要も無さそうなので、今日は寝かせてやりましょう


翌日


「殿!前述に助けた姉弟が、目を覚ましました」


皆さんおはようございます。朝からレスキューした姉弟が目覚めたとの報告で起きた柴田六三郎です


朝から仕事が出来ましたが、とりあえず姉弟の前に行って、色々聞きますか


「目覚めた様じゃな。体調は大丈夫か?腹が減っておるなら、簡単な物になるが作らせるぞ?」


俺が声をかけると、弟の方が


「腹が減ってます。飯を食わせてくださいませ!」


正直に言ってくるものだから、思わず笑顔になる


「そうかそうか!腹が減っては何とやらじゃ!誰ぞ、飯を食わせてやれ」


「ははっ!」


で、準備した飯を2人に食べさせて、完食して、落ち着いたら、姉の方が


「誠にありがとうございます」


と、お礼をする。つられて弟も


「ありがとうございます」


と、お礼をする。これなら、話が出来そうだな


「うむ。それでは、色々と聞きたいのじゃが、その前に儂の自己紹介からしよう。儂は織田家家臣の柴田六三郎じゃ。お主達の名を教えてもらいたい」


「はい。私の名は一条信子いちじょうのぶこと申します。そして、この男児は」


一条万千代いちじょうまんちよと申します。此度は、叔母上と拙者を助けていただき、誠にありがとうございます!」


ん?瀬戸内海周辺で一条さん?これって、まさかのあの一条さんの一族の子供の予感がするのですが?


※六三郎の予感はフラグです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
武家はある程度コンプリートしつつあるから次は公家だね(白目 いやぁ、主上の前で料理勝負したのが懐かしいですね…w コメント書いてて思い返したら、公家方面はホント手薄でしたね六三郎。
この流れですでに回避不能なのだからフラグを通り越して規定路線だね(笑)
さすが訳有り誘引体の六三郎氏。 後、割りと行き倒れ率高いよな、訳有り子弟。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ