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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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子供の成長の為に大人を動かす

天正十四年(1586年)七月二十七日

安芸国 吉田郡山城


「えい!やあ!やあ!」


「若様!もっと全身を使うのです!」


「分かりました!えい!やあ!」


皆さんおはようございます。毛利家の居城、吉田郡山城で働き始めて2日目の柴田六三郎です


数日前に毛利家の長老、吉川元春さんから「毛利家の嫡男の健やかな成長の為の料理を作ってくれ!ついでに若武者達を赤備え達みたいに鍛えてくれ!」


と頼まれて、霜月いっぱいまで、毛利家で働く流れになりましたが、前日に料理を食べてもらって、俺が毒殺しない事を分かってもらったのですが、


ふと、思ったのです。「大名の嫡男が食べるだけで元気な身体を手に入れられるのか?」と。そこで、俺及び赤備えの皆の実体験として、朝から身体を動かしてから


飯を沢山食べさせて、昼間も少しばかり身体を動かして、朝と同じく飯を食べさせて。と、身体を動かして、しっかり食べて、その後に長く眠ってもらう。


と言う事を、吉川さんや、吉川さんの息子さん達に協力してもらっているという状況です


で、そろそろ毛利家嫡男の幸鶴丸くんが疲れて来たみたいなので、急いで台所に戻って、料理の最終段階です。台所では準備万端になっておりますので、


最終工程は焼くだけです。今日の朝食は、猪肉の生姜焼きです。勿論、ただ朝食を食べるだけでなく、少しばかり手を加えました


それは


「柴田殿。誠に、柴田家ではこの様な形で飯を食べておるのな?」


「はい。父上が出陣している時は、大広間に集まれる者達で集まって、皆で騒がしく食べておりました。


更に申しあげると、織田家の同盟相手である徳川家でも、時々てすが、この様に食べておられるそうです」


集まれるだけ集まって、騒がしく食べる。という、静かな食事をさせない、子供に食事を楽しんでもらう食事風景です。まあ、平均年齢高めの毛利家ですが、


それでも、何人かは年齢の若い人も混ざっていますし、色々と変えていけば、食事もしっかり食べるでしょう。と、思っていたら幸鶴丸くん、


かなり疲れたのか、ウトウトしてます。なので、


「安芸守様。幸鶴殿が食べるのもやっとな状態なので、食べさせる方が居ないのであれば、拙者が食べさせてもよろしいでしょうか?」


手伝う事を伝えたら、


「その様な事は結構です。弟には私が食べさせます!ほら、幸鶴丸!口を開けなさい。しっかり食べるのです」


幸鶴丸くんの姉の安芸乃さんに、キツめな対応されました。まあ、俺がやらないで良いのであれば良いんだけどさ。で、そんな安芸乃さんが食べさせて、何とか幸鶴丸くんも完食しました


そんな朝食の次にやる事は赤備えの皆と共に、藤四郎くん達、毛利家の若武者達を鍛える事なんですが、この時の幸鶴丸くんは、小早川さんに軍略と理財を教えてもらっております


そして、赤備えの皆が走っている、いつもの坂道を作る許可を輝元さんから貰って、赤備えの皆は勿論、藤四郎くん達も働かせて、あっという間に坂道を作り上げたのですが、その坂道を見て、藤四郎くんが


「柴田殿。誠に、この坂を走るのですか?」


と、ドン引きしております。ですが、お目付役として来ていたのが、


「藤四郎!やる前から弱音を吐くでない!」


吉川さんなのです。そんな吉川さんの居る中で、やり方の説明をするのは緊張しますが、やりましょう


「それでは、毛利家の皆様。この坂を使った訓練を説明しますが、先ず上り坂を出来るかぎり全力で走ってくだされ。そして、坂の頂上を折り返し、下り坂はゆっくり走ってくだされ


ただし、下り坂では絶対に歩いてはいけませぬ。皆様は慣れてないので、最初は一往復で構いませぬ


先ずは、赤備え達がやり方を見せますので、赤備え達が3往復した後に開始してくだされ」


「は、はあ」


「それでは皆!始めるぞ」


「「「ははっ!」」」


「よし!それでは、始め!」


「うおお!」


「次!」


「うおお!」


「次!」


赤備えの皆がどんどんスタートして行くと、その速さに藤四郎くん達の顔が引いているのが分かる。で、赤備えの皆が走り終えると、


「藤四郎!お主達は一往復だけなのじゃ!しっかり走れ!良いな!」


「は、はい」


吉川さんが檄を飛ばすのですが、


「それで全力とはふざけておるのか」


や、


「下り坂では歩くなと言ったではないか!」


等、緊張感溢れる訓練をしておりましたら、何とか一往復を終えたのですが


「ちゃんと両足で立たんか!これで終わりではないのだぞ!」


と、吉川さんは次のやる事を覚えていた様ですので、


「吉川殿。次は長門国でやりました4種の動きですので、赤備えの皆は60回やりますので、藤四郎殿達は以前と同じ回数でよろしいですか?」


回数の確認をしたら


「いや、柴田殿。走る距離は三分の一しか走ってないのだから、身体を鍛える動きはせめて半分くらいはやらせてくだされ」


半分の回数、つまり30回の筋トレをやらせてくれとの事です。とりあえず赤備えの皆の筋トレをやる時間で休んでもらおう


「吉川殿。分かりました。それでは赤備えの皆から始めますので、しばらくの間、藤四郎殿達は休ませてくだされ」


「そうさせていただこう」


吉川さんの言葉に藤四郎くん達は、少しだけ安堵の表情を見せたけど、かなり早くに表情がくもります


その理由は、


「殿!四種の動き、全て終わりました!」


赤備えの皆が、全部合わせて240回の筋トレを、まさかの15分で終わらせてしまったのです


この事で吉川さんが


「お主達。赤備え達の半分しかやらないのだから、同じくらいの時間で当然、終われるよな?」


かなりの圧をかけました。ですが、


「倍以上の時間がかかっておるではないか!」


と、全部合わせて120回の筋トレを、1時間かけて終わったら、吉川さんから怒られておりました


美味い物を作りますので、気分と身体を回復させてください。


これを3ヶ月か、安土城からの沙汰が来たら帰る事になる事を祈ろう

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― 新着の感想 ―
赤備えの皆も最初はそこまで多くなかったけど、今では各60回まで到達したし、毛利の皆さんもこれからこれから!
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