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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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優しい嘘と六三郎の料理から始まる色々

そんな展開になるわけないだろ!と、思う人も居ると思いますが、フィクションという事で、ご了承ください。

「殿!吉川様!獲得してまいりましたぞ!」


源太郎達の楽しんできた様な声が聞こえてくる。猪と鹿と雉が3体ずつ、運ばれているのを見るに獲物が多い場所でもあったんだなと推測する。


すると吉川さんが


「飯富殿!藤四郎達は、少しでも役に立ちましたかな?」


そんな質問をしてくる。源太郎は、


「ええ!疲れているのに、しっかり動いてくれましたぞ!」


しっかり働いたと言っているけど、多分嘘だな。その証拠に吉川さんも


「それは良かった。藤四郎、次からは毛利家だけで狩りに行く事になる!その時は頼むぞ?」


「その時は頼む」なんて、今回は働かなかった事に気づいているかの様な言い方をしてるし。まあ、触れない方が良い、優しい嘘と言う事にしておこう


「さて、それでは亀次郎殿。少しばかり、料理の手伝いをしていただきたいのですが」


「それは構いませぬが、料理番の方はどちらに?」


「ああ、拙者が料理するのです」


「「「ええ!!」」」


亀次郎さんも吉川さんも藤四郎くんも驚いております


「し、柴田殿。誠に柴田殿が料理をするのですか?」


「ええ。幼い頃から料理が好きでして、美味い物を食べたい、振る舞いたいあまり、自ら作る様になったのです」


「何とまあ。行動のひとつひとつが、我々とは比べ物にならぬ程、桁外れと言いますか」


「まあまあ、吉川殿。拙者の事よりも、料理に取り掛かりますので、毛利家の皆様も少しばかり、手伝ってくだされ」


「大した事は出来ぬと思うが、手伝いましょう」


そういう事で、猪と鹿と雉を逆さ吊りにして、捌いて、肉と内蔵と骨に分けましたら、先ずは、雉の骨から出汁を取って、生姜と塩と共に煮たら簡単なスープの完成です


村の家々から汁椀を借りて、皆に振る舞うと


「これが、雉の骨から出来たものとは思えぬ美味さじゃ。疲れた身体に沁み渡る」


少し高齢な吉川さんは気に入った様です。その間に、石臼で小麦粉を作りましたら、亀次郎さんの長女の義乃さんと、亀之助さんの嫁の沙保里さんに、


すり鉢で雉肉をミンチにしてもらって、ミンチ肉を丸型にしたら、小麦粉をつけて油に投入。なんちゃって唐揚げの完成です


この、なんちゃって唐揚げは藤四郎くん達、若者に好評で、


「この軽やかな食感、溢れ出る肉汁!何とも美味い!」


我先にと食べております。一口サイズにしたから、数はギリギリ大丈夫だと思うけど、不安になる食べっぷりです


そして、次は鹿肉ですが、シンプルに味噌漬けからの焼肉です。これは人によっては酒の肴になる様ですし、香りに釣られる人も居ますからね


これは赤備えの皆が


「久しぶりの殿の料理じゃ!やはり味噌漬けの焼いた鹿肉は美味い!」


と、いつの間にかお気に入りだった様です。そして最期に、作るのは猪肉の生姜焼きです


酒と味噌を溶いたタレに擦りおろした生姜を入れて、温めながら、猪肉を投入すると


ジュ〜。と焼ける音は勿論、暴力的な香りまで周りに広がるものだから、皆がソワソワしだす


そんな中、完成品を最初は吉川さんの前に出す。吉川さんは一口食べると、


「何と美味な。濃厚な味なのに、優しさもある。これ程に美味な料理が、この世にあったとは」


まるで、「生姜焼きがこの世で1番美味い」みたいな感想ですが、それを聞いた藤四郎くん達も一口食べると


「これは!二日に一度は食べたくなる美味さ!」や


「これ程美味い物を自ら作るとは、柴田様は何事にも挑戦するお方なのですなあ」等の


感想が出まして、いつの間にか皿が空になっておりました。食べ終えた吉川さんは


「この様な美味い物を毎日とまではいかずとも、時折食べていたら、赤備え達は屈強な軍勢になるのも納得ですな。それに、改めて見たら、赤備え達全員、


儂達より身の丈が高い。これもやはり、身体を鍛えて、獣肉を食べて、長い睡眠を取っているからですかな?」


俺達の身長についても質問して来た。まあ、隠す必要も無いし、話すけど


「そうですなあ、前線に出る者達は身体を鍛えて、獣肉を多めに食わせて、長い睡眠を取らせて、


理財で後方支援をする者達は、野菜多めにして獣肉を食わせて、長い睡眠を取らせて、あと、元服前の子供達にも同じ様に、獣肉と野菜を食べさせて、睡眠を取らせたら、


身の丈もいつの間にか、人並み以上に高くなっておりましたな。拙者の弟は勿論、拙者の実家に学びに来ております他家の子息も同様に」


俺が何の気なしに話したら、吉川さんが


「し、柴田殿!今の話は誠ですか?誠に柴田殿の弟君や、学びに来ている他家の子息も身の丈が高くなったと」


なんか食いついて来た。更に、


「柴田殿。恥を忍んで、お頼み申す!毛利家の料理番達に、料理を教えていただきたい!それこそ、毛利家当主安芸守様の若君が健やかに育つ為の料理を教えてくだされ!」


そう言いながら、平伏して来ました。その様子に藤四郎くん達が


「次郎兄上!何をしておるのですか!」


「殿!それは!」


慌てております。まあ、俺でも慌てるよ。こんな状況になったら、でもさ、「主君の子供が健康に育つ為に」なんて言われたら、ねえ。


とりあえず、


「吉川殿。その話は、大内殿家族を拙者達の本陣に連れて行ってから、羽柴様と相談してから。でもよろしいですかな?流石に勝手な行動は出来ませぬので」


そう言って、お茶を濁したけど


「それで、羽柴殿が了承したのであれば、作ったり、教えてくださるのですな?」


「それは、勿論」


目を輝かせて聞いて来たので、勢いに負けて返事をしたけど、まあ、多分、そんな長引かないよね?

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― 新着の感想 ―
まあ、多分、そんな長引かないよね? これはいつもの『六三郎の予想はフラグに……』( *´艸`)
これは六三郎学校の生徒が増えるフラグかな? そして、この時代の料理に絶望して自ら料理革命を起こそうとするも、「毛利家のお姫様ともあろう方が自ら厨に立とうとはなんという恥知らず」と賛同を得ることが出来ず…
外から見たら、武力も知力も高く、人望もあり料理から教育、人材育成にまで精通しているという化物なんだよなぁw そろそろ六三郎印の料理本とか作れそう。
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