2倍の距離の中国超大返しの開始
現実的に無理だろ。と思うかもしれませんが、フィクションということで、ご了承ください。
天正十四年(1586年)四月三十日
長門国 某所
「柴田様!頼まれておりました、毛利の軍勢の調査でぜ、石見、出雲、伯耆、全ての国で毛利の軍勢が居ない事を確認したとの事です!」」
皆さんおはようございます。尼子家の皆さんに、毛利の軍勢が残っているかの調査を依頼して、居ないと報告を受けました柴田六三郎です。
この場を借りて、皆様に謝らないといけない事が判明しました。俺達が今から開始する、中国大返しですが、最初は秀吉の中国大返しより距離が短いと思っていたのですが、
まさかの、倍の距離と判明しました、キロメートルに直すと、秀吉の中国大返しは約230キロで、俺達が今からやる中国大返しは約460キロです
すんなり進めたから、大した距離じゃないと思っていたのですが、実際は2倍という距離なので、10日で走ったら、毎日フルマラソンでも少し足りない!と言う苦行なのですが、
皆さん、やっぱりこの時代の武士でして、
「誰も成し得た事の無い事を、我々がやってのけてこそではありませぬか!」や
「日の本の古今東西の戦において、歴史に名を残す大移動になりますな!」
等の、「日本で1番目」や、「自分達しか出来ない」と言うキーワードが気に入った様で、気合いが入っております。これなら、10日目に到着出来るかな?
「うむ!誠に忝い!それでは、移動を開始する前に、尼子殿と山中殿!もう一つ、頼みたい事があるのじゃが」
「「どの様な事でしょうか?」」
「山陰道を移動するにあたり、5里ごとに、水と飯と松明を準備してもらいたい。飲まず食わずでは動けない事は勿論じゃが、夜中も移動しないと、間に合わぬ!なので、お頼み出来ますかな?」
「分かりました。鹿之助!」
「ははっ!直ぐに、皆に知らせて準備に取り掛かります!先に居る者達に伝えてきますので、御免!」
山中さんは、そう言って、山陰道を先に出立した。山中さんの出立から、およそ1時間後、山中さんが戻って来て、
「山陰道沿いの尼子家家臣に、話を通して来ました。最初の地点の者達から順に、5里毎に準備に取り掛かっております。今から出立しても、大丈夫です!」
山中さんの言葉を聞いて、
「それでは出陣じゃあ!!」
「「「「「おおおお!」」」」
皆さんの体力と気力、目的地まで持ち堪えてくれよ!
天正十四年(1586年)五月三日
石見国 某所
「各々方!体調はいかがですかな?動くのが辛い方は、船で移動しても良いのですぞ?」
「問題ありませぬ!」
「まだまだ大丈夫でございます!」
「こんな序盤で、弱音なんぞ吐いてられませぬ!」
皆さんおはようございます。長門国から始まる、中国超大返し4日目を迎えました柴田家六三郎です
これから、移動を再開するのですが、尼子家の皆さんの協力、そして移動する皆さんの強靭な体力と精神力もあって、推定180キロを走破しました。
正直言って、予想以上の速さですので、皆さんの身体、特に骨が不安になりますが、ここまで来たら、
頑張りに報いる為に、殿や大殿は勿論、柴田家からも金銭や領地て大盤振る舞いしましょう!
「それでは、出立じゃあ!!」
「「「「おおおお!」」」」
それじゃあ、中国超大返しの再開といきましょう!
天正十四年(1586年)五月八日
出雲国 某所
「各々方!遂に、伯耆国との境まで来ましたぞ!今日の日が変わる頃に出立しますので、今のうちに身体を休めてくだされ!赤備えの皆も休め!」
皆さんおはようございます。中国超大返し9日目に突入しました柴田六三郎です。現在、推定430キロ走破して、残り一息の所まで来ておりますが、やっぱり皆さんの体力は限界に近い様です
なので、今日の夜中まで皆さんを休ませて、残り30キロを走破してもらいましょう
同日 夜
「各々方!残り七里程になりました!最期の一踏ん張り、お願いします!それでは出立じゃああ!」
「「「「おおおお!」」」」
天正十四年(1586年)五月九日
伯耆国 某所
「各々方!目的地に到着しましたぞ!今日一日、じっくり身体を休めて、明日になったら、毛利の横っ面を叩いてやりましょう!」
皆さんこんにちは。中国超大返しが何とか達成されて、少し安心しております、柴田六三郎です
もう、皆さんボロボロなので、明日の為に休んでもらいましょう
天正十四年(1586年)五月十日
伯耆国 某所
「各々方!体調は大丈夫ですかな?」
「大丈夫です!」
「いつでも出陣出来ますぞ!」
「早く毛利へ攻撃を!」
皆さんおはようございます。中国超大返し達成後に、走破した皆さんが復活している事に喜んでおります、柴田六三郎です。
今から出陣して、毛利を攻撃して、毛利がパニックになった所を秀吉にトドメを刺してもらうつもりですので、細かい策らしい策はありません
それじゃあ、皆さんに暴れてもらいますか!
六三郎達が、前代未聞の無茶苦茶な大移動をやってのけ、伯耆国から出陣した同日の夜、安芸国の吉田郡山城では
「き、き、吉川様!!大変です!世鬼からの報告で、織田の軍勢が、伯耆国に現れたとの事です」
「何じゃと!その軍勢は、備中国で又四郎と睨み合っておる軍勢とは別物か分かるか?」
「小早川様と睨み合っている軍勢は動いてないとの事です!」
「くそ!してやられた!四郎、そして皆!儂達が警戒しておった織田の軍勢が、いつの間にか又四郎の軍勢の近くに移動しておった!このままでは、又四郎の軍勢が囲まれてしまう!
最悪の場合、太郎と又四郎が討死してしまう!それは避けないといかん!皆、備中国へ行くぞ!急げ!」
「「「「おお!!」」」」
六三郎達の情報がもたらされて、軽いパニックになったが、吉川元春が皆をまとめて、即座に備中国へ行く決断をくだした。
元春達が間に合えば、全員が備中国に集まる事になるが、果たして?
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