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転生武将は戦国の社畜  作者: 赤井嶺


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案内された場所に居たのは

合流した俺達に対して秀吉は、


「六三郎殿。色々と聞きたい事はあるが、実は佐久間殿達は既に保護して、家臣達が見ておる。とりあえずその場所に来てくれ」


「はい」


既に佐久間様達を保護していたらしい。まあ、距離的な事を考えたら、同じ中国地方に出場している秀吉の方が早いのは当然か。


そんな事を考えていたら、秀吉の本陣に到着した。本陣には、秀吉の旗印の他に、佐久間様の旗印もあったが、殆どがボロボロで、綺麗なものは少なかった


辺りを見回していたら秀吉から、


「六三郎殿。此処じゃ。此処に佐久間殿が休んでおる。何とか生きておるが」


佐久間様が生きていると言われたけど、その表情は少し暗い。そして秀吉は、


「佐久間殿!身体は大丈夫ですかな?」


佐久間様の居る寝所に俺を連れて行くと、佐久間様を呼ぶ。そして、佐久間様が起き上がると


「おお、藤吉郎。話す事と身体を動かす事は問題ない。それで、毛利に何か動きはあったか?」


「いえ、毛利の動きは無かったですな。それよらも佐久間殿、安土城へ出していた援軍が来ましたぞ」


「おお!誰が軍勢を引き連れて来たのじゃ?殿か?勘九郎様か?それとも」


そこまで言うと、佐久間様は俺に気づいて


「もしや、六三郎殿が援軍を引き連れて来たのか?」


俺に質問して来たけど、俺はその姿を見て絶句した。佐久間様の左目と左手の指が3本無くなっていたからだ


俺が絶句している事に気づいた佐久間様は、


「儂の姿に驚いておる様じゃな、六三郎殿」


質問して来て、


俺は正直に答えるしか出来ない


「は、はい」


俺の言葉を聞いた聞いた佐久間様は


「はっはっは。儂の倅と違って、戦に貪欲で必ず勝ちを掴む六三郎殿には、刺激が強かったかのう」


と、笑いながら、場の空気を変える。そして、


「しかし、殿や勘九郎様が、御子息様達や御舎様達でも、他の大将格、それこそ柴田殿等を派遣せずに六三郎殿を派遣させるとは、


それ程、六三郎殿は期待されておるのじゃな。儂の嫡男の甚九郎とは大違いじゃ」


そんな事を言いながら、真剣な顔をして、


「さて、藤吉郎と六三郎殿。本来の戦の話をするが、儂がこの怪我を負ったのは備中高松城と言う城を囲んでいた時だった。


毛利の援軍が儂達に突撃して来たと思ったら、城側からも突撃して来て、挟撃されてしまってな。


その時だけで、三千もの兵達が討死して、儂もこの状態になってしまったわけじゃ」


負けた戦の話をしてくれた。その話の中で俺は質問をぶつけてみた


「佐久間様。その備中高松城ですが、もしや立地が独特なのでは?だから、囲んでいたつもりが毛利に逆に囲まれていた事に気づけなかったのでは?」


俺の質問に佐久間様は、


「やはり、六三郎殿は戦に貪欲じゃな。甚九郎にも六三郎殿の半分でも貪欲さがあれば。すまぬ、話がそれたな。確かに、独特な立地であったな。先ず、城の周囲を川が流れていて、天然の堀の様になっておった」


具体的に答えてくれた。答えを聞いて、秀吉が


「佐久間殿。城の周囲を川が流れておるならば、その川の水を利用して、城側が動けない様にしたら良かったのでは?」


と、史実の備中高松城の水攻めを提案したけど、佐久間様は


「藤吉郎。それも考えて実行したが、時期が悪くてな。城を囲む土塁を作っても、梅雨の時期を過ぎてしまった。その結果、城側が逆に動きやすい形になってしまったのじゃ


こう言ってはなんじゃが、藤吉郎。毛利の中にはお主と同等の知恵者が居ると見て間違いない。そして、儂達の動きも間者に見張られていたのじゃろう


全ての動きが読まれておった。それが、安土城へ文を届ける四十日前頃じゃ。そして、儂が一番不思議なのは、毛利の軍勢がいつの間にやら、


儂達より多くなっておった。恐らくじゃが、近くに居る反織田家の勢力を結集させたのじゃろう」


推測とは言え、とんめもない事を言い出した。それを聞いた秀吉は


「佐久間殿!それが誠ならば、その軍勢次第では、我々よりも毛利の軍勢の方が多い事になりますぞ!そうなっては、儂の軍勢と六三郎殿の軍勢を足しても」


と、少しパニックになっている。ただ、俺としては長宗我部家の皆さんからの話を聞いていたので、伊予国の河野家が毛利に加勢しているに違いないと思っている


勿論、確定ではない。パニックを避ける為に言葉にしないけど、正直言って、最悪の場合で考えるなら、河野家以外に、阿波国を追い出された三好家や、三好家の親戚も毛利に加勢している事も考えられる


俺の考える最悪が現実になっていたら、佐久間さんの軍勢を吸収しても、数で負ける可能性が高い!それだと、俺が大軍を率いて来た意味が無くなる


どうするべきか?俺がそう考えていると、佐久間様が


「藤吉郎。儂は大軍の総大将として不適格じゃと、身をもって実感した。六三郎殿。甚九郎が援軍に来ない時点で、佐久間家は戦に不向きな家と判断されたも同然じゃ。そこでなのじゃが」


ちょっと待ってください。何やら、戦以外の話が来る予感がするのですが?


※六三郎の予感は(ry


「親の欲目かもしれぬが、息子達の中ても三男の新十郎しんじゅうろうは、一番武将としての才覚があると思っておる。なので、この戦が終わって、儂は家督を譲る話を殿にお話する。


そこでもしも、殿が甚九郎への家督相続を反対した場合、二男の仁兵衛じんべえは儂の弟の七郎左衛門しちろうざえもんの養子になっておるから、甚九郎と新十郎のどちらかに家督を譲る事になる。


なので、六三郎殿。殿が新十郎に家督を譲る様に言ったのならば、父である柴田殿に新十郎を鍛えてもらいたい。もしも、最悪の場合、佐久間家を取り潰す事になったのならば、六三郎殿の家臣として新十郎を召し抱えてくれぬか?」


やっぱりそっち系の話じゃねーか!毛利対策も考えないといけないのに!


「佐久間様!その話は毛利征伐を達成した後で」


「そうじゃな。今は毛利を優先せねばな」


とりあえず話は一旦棚上にしたけど、毛利対策は秀吉と話し合いが必須だな。

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― 新着の感想 ―
もはや柴田家が一つの私塾ですらあるw しかし六三郎の当主初陣は力以上に頭脳戦の予感だなぁ…。
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