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やっと出立して到着したら

天正十三年(1585年)三月一日

越後国 某所


「十兵衛!越後守達が戻るまで、越後国の復興を始めとした差配、任せたぞ!」


「ははっ!大殿から託された四千五百人と拙者の手勢四千人の合計八千五百人と共に、越後国の復興に尽力致します」


「うむ!それでは、出立じゃあ!!」


「「「「ははっ!」」」」


皆さんおはようございます。ようやく、越後国の戦後処理が終わったので、これから信濃国へ移動します柴田六三郎です。1月の終わり頃に、北陸征圧の終了を大殿が宣言しました、


そこから2月はずっと越後国の復興に使いまして、3月に入った今日、やっと越後国を出立出来ます


まあ、行先は信濃国なんですがね。しかも、大殿と親父が信濃国へ行く話を三郎様も典厩様も、何処からか聞いたらしく、大殿がその理由を2人に話したら、


「「是非とも、自分もその姉弟に会いたい」」となったので、まさかの総勢三万超えの大軍での移動になりました


そんな大軍ですが、戦があるわけでもないので、安全に中山道を通る選択をしました。これに関しては、本当助かりました。親父の身体の事を考えたら、ねえ。


まあ、他には三郎様が家康に借りてた兵達を返すから、信濃国を南下して遠江国へ行くし、典厩様は俺や赤備えの皆を連れて甲斐国へ行く事もあって、ついでに


みたいな感じでしたが、それでも、大殿や親父だけだったら、重い空気になっていたに違いないので、とてもありがたいです


天正十三年(1585年)四月十五日

信濃国 川中島


「ほう。此処かかつて、武田家と上杉家が複数回に渡り、戦った川中島か」


「内府様。ここも戦地になりましたが、最も激しい戦になったのは、千曲川を挟んだ所にあります、あの山。名を妻女山と言うのですが、あの山の周辺で戦った四度目の戦が最も激しかったそうです」


「典厩、もしや父君はその戦で?」


「はい。上杉の軍勢が信玄公の居場所に突撃して来たところに父上の軍勢が壁になって止めたと。その結果」


「立派であり見事としか言えぬ!典厩!お主の父君は、主家の為、主君を命懸けで守ったのじゃ!だからこそ、今も武田家は続いておるのじゃ!その事を誇りに思うと良い!」


「ははっ!」


皆さんこんにちは。前月に越後国を出立して、中山道を三万超えの大軍でゆっくり進む事、45日目にして、やっと、目的地である朝倉姉弟が住んでいる、信濃国の川中島に到着しました


大殿が三郎様と典厩様に親父の身体の事を伝えたら、


「それはゆっくりと進むべきです」や


「無理をさせてはいけませぬ」と


親父に気を使ってくれたので、到着が今日の昼頃になったわけです。そんなこんなで到着した信濃国ですが、1年前は織田家と徳川家が、信濃国で戦をしていたので、


こんな大軍が見えたら、また戦か?みたいな空気になっております。そんな空気の中、俺と赤備えの皆が先陣として、朝倉姉弟の家のある地域に入って、


安全確認をし終えて、そこから大殿達を呼ぼうとすると、


「六三郎様〜!」


と、手を振って大声で俺を呼ぶ高代さんに見つかりました。高代さんの後ろには、宗太郎と宗次郎の双子も居ます。周りの目もあるので、


急いで高代さんの元へ行って、


「高代殿」


「しっかりと私の事を覚えてくださって、嬉しいです!宗太郎と宗次郎、呆けてないで挨拶なさい!」


「柴田様。挨拶が遅くなりまして、申し訳ありませぬ」


「そのご様子ですと、上杉との戦には勝利したのですね」


「ああ、そうじゃ。だが、今日はそれよりも大事な話がある!」


俺がそう言うと、高代さんは


「まあ!私に嫁になれと?それはとても嬉しい事」


と、分かっていてボケる。宗太郎と宗次郎は


「いや、姉上。そんなわけないでしょう」


「そうですよ。がさつな姉上が武家の嫡男という、非常に大切に育てられているお方の嫁になれるのならば、世の中のほとんどの女子が、嫁になれますぞ?」


と、冷静にツッコミを入れる。それに高代さんは


「二人共!こんな見目麗しい姉に対して、何て事を言うの!今日の飯は要らないみたいね!」


「ちょっと、それとこれとは違うではありませぬか!」


「そうですぞ!飯抜きは酷いです!」


今日の飯抜きを宣言した。育ち盛りの2人には、かなり応えた様で、


「柴田様。この様ながさつで意地悪な姉ですが、見目は悪くないと思いますし、器量も良いはずですので」


「どうか、側室の端にでも置いてくださいませぬか?」


と、まさかの手のひら返しからの側室への推薦をして来た。でも、その話をしに来たわけじゃないんだよ。


「3人共、今日、儂か来たのは、お主達に興味がある方々が会いに来たから、その方々をお連れして来たからなのじゃ。今からお連れしてくるから、待っていてくれ!」


そう言って、大殿達の所に行こうとしたら、


「六三郎!その三人か、件の姉弟か?」


「は、はい。案内が遅くなり、申し訳ありませぬ!」


「良い。気にするな!それよりも、そちらの姉弟!」


「「「は、はい」」」


「お主達の事は、六三郎から簡単にではあるが聞いておる。だが、儂としては更に色々聞きたい。儂以外にもお主達に興味がある者達を連れて来たから、家の中に入らせてもらうぞ」


大殿がそう言うと、高代さんが


「あ、あの!織田様!質素な家なので、あまり大人数で入られると」


「安心せい!儂や六三郎を含めた五人だけじゃ。それなら大丈夫であろう?」


「そ、それなら何とか大丈夫だと思います」


「うむ。ならば、案内を頼もう!」


「は、はい」


こうして、朝倉姉弟の案内で大殿達が姉弟の家に入る事になったけど、これ絶対、高代さんの心中はウキウキだろうな。


六三郎はそう予想していたが、実際の高代の心中はと言うと、


(きゃー!織田信長本人よー!やっぱり、日本の甲冑よりも、ヨーロッパの鎧を着てたわー!これは、「信長、新しい物好き説」が正しかった事の証拠だわー!)


本当にウキウキで浮かれていた。

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― 新着の感想 ―
高代さん良く大人しく隠遁生活出来てたな…
高代さん、ほんとビックリする程ウキウキだったわw とはいえ実際信長を目の当たりにしたら是非もなし。
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