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親父は赤備え達にとって父同然

意識不明状態の親父の事を大殿達に頼んだ俺は、赤備えの皆の前に来ていた。皆に、特に源太郎達赤備え創設組には絶対に伝えないといけないと思ったからだ


そんな俺の空気を感じたのか、源太郎が一目散に走って来た


「若様!大殿は、大殿はどの様な状況なのでしょうか?「


俺に親父の事を聞いてきたが、俺は


「父上は、心の臓も動いて、呼吸もしておる。だが、目覚める気配かない」


「そ、そんな」


「若様!誠ですか?」


「大殿は上杉に攻撃されたのですか?」


「大殿は」


俺と源太郎が会話をしている間に、源次郎達も集まっていた。


「若様!大殿は、大殿は目覚めますか?大殿は、我々にとって、父の様な存在なのです!それが!それが!」


親父の状態を聞いて、泣き崩れる面々もいる。そして周りを見たら、


「佐兵衛達!」


山県兄弟も泣いていました。


「若様!大殿は若様に仕えて間もない我々にも、お優しい言葉をかけてくださり、分け隔てなく扱ってくださいました。そんな大殿が!」


これだけ、親父の為に泣いてくれる人が居るなんて、本当に親父は幸せ者だな。でも、死んだわけじゃないんだ!


正直、願掛けに近いものだけど、俺達が上杉の城を落としたり、大打撃を与えたら、親父が目覚めるんじゃないかと思うんだよね


「皆!願掛けに近いものになってしまうが、儂達が上杉の城を落としたり、大打撃を与えたら、父上は目覚めるかもしれぬと儂は思う!だからこそ、此度の上杉攻めは、いつも以上の戦と思ってくれ!」


「「「「ははっ!」」」」


「喜兵衛!」


「ははっ!」


「これから策を考える為に城の縄張りを、儂を含めた数名で見に行くぞ!赤備えの中では、喜兵衛が1番戦経験が豊富じゃ!良い場所やきっかけを見つけるぞ!」


「ははっ!」


「早くて2日、遅くても5日じゃ!父上が目覚める様、大戦の勝利を掴むぞ!」


「「「「ははっ!」」」」


こうして、俺達は正攻法ではないやり方で攻城戦をやる方針を決めた。勿論、三郎様や典厩様にも説明して


「何と!分かった!策が決まったら、六三郎殿の采配で動こう!」


「武田家も同じく!お父上が目覚める大戦で勝利を掴み取りましょうぞ!」


「お二人共、申し訳ありませぬ」


2人にも納得してもらい、おれと赤備えの皆で、上杉の城、後で名前を聞いたら春日山城と言うらしい城の攻略地点になりそうな場所を探し始めた


「若様!あの春日山城、周囲を探れば探る程、堅固な城だと思えて来たのですが」


「喜兵衛。それは儂も同感じゃ!だがな、堅固な城に籠る人間は堅固ではない。それは喜兵衛が1番分かっておるよな?」


「はあ、それは確かに。城が堅固だからと胡座をかいている者は城の中に絶対居ますから、その様な者達を統制出来る侍大将は勿論、絶対的な主君が居ないと、


どれ程堅固な城でも、落城がより早くなるかと。拙者の戦経験から申し上げるに。ですが」


「喜兵衛。今はその戦経験が儂や、源太郎達にはありがたい!喜兵衛は信玄公の側に居続けた、言わば目の様な存在だったのだろう?


それは、儂の様な若造でも凄い事だと分かる事じゃ!だからこそ、何か小さい事でも良いから、春日山城を攻略するきっかけが欲しい!」


「若様。かしこまりました!蟻の一穴ほどの小さなものかもしれませぬが、何かしらを見つけたいと思います」


「うむ。頼むぞ!勿論、儂達も喜兵衛に頼りっぱなしにならぬ様、きっかけになるものを見つける!」


「ははっ!」


それぞれが春日山城の周囲を見たが、攻略の糸口になりそうなものや場所は見つからなかった


天正十三年(1585年)一月十六日

越後国 春日山城近く


「若様。申し訳ありませぬが、前日から今日の昼まで、念入りに攻略のきっかけになりそうな場所を探したのですが、未だ見つけられずじまいです」


皆さんこんにちは。上杉家の居城の春日山城攻略の為のきっかけ探し2日目の柴田六三郎です


史実では名将で謀将だと呼ばれる真田昌幸ですら、攻略に難色を示す春日山城、上杉謙信か、それとも謙信の親父さんか分からないけど、かなり堅固な作りであり、面倒くさい場所に城を建てたものだよ


「喜兵衛。気にするな。赤備えの中で1番戦経験が豊富なお主が見つけられないのじゃ。それだけ堅固な城なのだろう」


「はい。言葉を選ばず率直に申し上げるならば、この様な城は信玄公の場合、水の手を断つ事から着手して、じっくりと攻めるので」


「ふむ。ならば、喜兵衛の倅の源二郎と源三郎!お主達ならば、どの様に攻めてみる?思い浮かんだもので良いから申してみよ!」


俺の問いかけに源三郎こと信幸さんは


「拙者ならば、城を囲んで兵糧攻めを行なう事で上杉の降伏を狙います」


と、悪くない策を提案して源二郎こと信繁くんは


「拙者ならば、商人のふりをして城内に潜入してから城門を壊して、そこから味方を雪崩れ込ませます」


と、少し、いや、かなり無茶な策を提案をしました。これを聞いた昌幸さんは、


「源二郎よ、その策は敵に囲まれたら終わりではないか。若様、源二郎が無茶な策を言って申し訳ありませぬ」


「いや、喜兵衛。気にするな。源三郎も源二郎も、少しばかり良いきっかけが出るかもしれぬ。感謝する」


「「ははっ!」」


六三郎はそう言って真田親子の前を去った。本陣に戻る道中、


(信幸さんが言ってた囲んでからの兵糧攻めは、時間がかかる。信繁くんか言っていた城の中に潜入は無茶過ぎる。しかし、この春日山城って、日本全体でもトップクラスの山城だな。上杉家家臣は城の近く、


つまり山の中に住まないと、出仕出来ない。それか、城の中に住んでるんだろうけど、そんなの史実の内ヶ島家みたいに、冬に地震が起きたら地滑りと雪崩で、


城ごと潰れてしまうよなあ。そんな怖い場所、、、そうか!そうだよ!内ヶ島さんは大雨が原因である山崩れのせいで、城も領地も失ったんだから、


上杉に対しては、人為的な原因である山崩れを起こせば!あれだけ立派な城でも、流石に何処かしら壊れるだろ!そうと決まったら!)


六三郎は春日山城攻略の為の作戦が思い浮かんだ様で、信長の元に駆け込み


「大殿!一万人程、お借りしたく!」


「何に使うつもりじゃ?まさか、一万で上杉の城を囲み始めると申すのか?」


「いえ!上杉の城を落とす為の下準備に、一万人を使って、ここら辺一体の竹や松を伐採したいのです!」


「ほう。何やら大々的な策で挑む様じゃな!良かろう!一万人と言わず二万人使え!」


「ありがたき!」


こうして、六三郎は信長の了承を得て、二万人を使っての大伐採を行なう権限を得た。勿論、上杉家からは見えにくい場所をメインにしながらの伐採であるが、


六三郎が考えた策とは一体?

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